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中古マンション購入にかかる税金をすべて解説!軽減措置や特例はある?

斎藤 岳志斎藤 岳志

2017/10/05

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マンションは物件価格だけを用意しても購入できない


(c) JJ. - Fotolia

気に入った中古マンションが見つかったら、資金計画を立てなければなりません。ですが、思っていたよりも価格が高く、予算がギリギリということもあるでしょう。

ここで注意していただきたいのが、マンション購入にあたっては、物件価格だけを用意しても足りないということです。たとえば、3000万円の中古マンションであれば、3000万円だけ用意すれば購入できるものではありません。

中古マンションを購入するには、仲介手数料や登記費用、税金などの諸費用(諸経費)がかかります。その額は、おおむね物件価格の7〜10%と考えておいてください。

また、購入した後にも、管理費や修繕積立金、固定資産税などの費用がかかってくることも知っておいてください。

ここでは、そうした諸費用のうち、中古マンション購入にかかる「税金」にスポットをあてて、どんな税金がいくらくらいかかるのかを見ていきましょう。

中古マンションを購入すると、これだけの税金がかかる

まず、購入時と購入後にかかる税金を見てみましょう。

<購入時にかかる税金>

・印紙税

・登録免許税

・消費税

・不動産取得税

<購入後にかかる税金>

・固定資産税

・都市計画税

こうして見ると、「意外と多い」と感じる人もいらっしゃるでしょう。それでは、どれくらいの金額がかかってくるのか見ていきましょう。

3000万円の中古マンションを買ったら、税金はいくら?

ここでは、東京都内で物件価格3000万円の中古マンション(平成10年1月完成)を、全額住宅ローンを組んで購入したケースを考えてみましょう。

便宜上、建物価格を2000万円、土地価格を1000万円とします。

また固定資産税の評価額(おおむね売買価格の70%)については、建物の評価額を1400万円、土地の評価額を700万円として計算し、土地の持分面積を35m2、部屋の面積を65m2とします。

このとき、かかってくる税金と金額は下の図1の通りです(あくまでも目安の金額と考えてください)。


(図1)3000万円の中古マンション購入にかかる税金

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中古マンション購入時にかかる税金とその特例

上で見た金額はあくまでも試算なので、同じ物件価格3000万円の物件でも固定資産税評価額の違いなどで、金額に違いが出てくることはご承知おきください。

それでは、これら6つの税金について、どんな税金なのか、軽減措置があるのか、それぞれ見ていきましょう。

印紙税

印紙税は、契約書などの文書を作成したときにかかる税金です。

中古マンション購入にあたっては、売買契約書や住宅ローンの金銭消費貸借契約書を交わした際に発生します。自分で必要な金額を郵便局で購入し、契約書に貼付して割印を押す、もしくは、融資金額から相当額が差し引かれる形で納付するのが一般的です。

印紙税の額は、契約書に記載される金額に応じて決まっています。また売買契約書に貼付する印紙税に関しては、平成30年3月31日までは軽減措置が取られています。

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不動産売買の「契約書」を取り交わすときには印紙税がかかる

登録免許税

登録免許税とは、中古マンションを購入した後に、マンションが自分のものになったことの証として所有権を登記する際にかかってくる税金です。

土地も建物も 固定資産税評価額の2%がかかります。

今回、例としているケースで言えば 土地については700万円×2%=14万円、建物については、1400万円×2%=28万円です。

ただ、現状では税率の軽減措置が取られており、土地は、平成31年3月31日までは税率1.5%になっています。また、建物については、下記要件を満たすと税率が0.3%になります。

<固定資産税の軽減措置を受けるための要件>

・自己居住用の住宅であること

・取得後1年以内に登記されていること

・マンション等耐火建築物は築25年以内、木造等の耐火建築物以外は20年以内に建築されたものであること。この年数を超えている場合には、その住宅が新耐震基準に適合していることについて証明されたものや、既存住宅売買瑕疵保険に加入している一定のもの

・床面積(登記簿面積)50m2以上であること

上で見た3000万円の中古マンションは、この要件を満たしているので、土地にかかる税額は10万5000円、建物は4万2000円となり、軽減措置がない場合との差額は27万3000円になります。

特に建物に対しての税率の軽減措置が大きく取られているので、中古マンションを購入する場合は、登記簿の面積で50m2以上の部屋であれば税金が有利になるのは見逃せません。

この「床面積が50m2以上」という条件は、住宅ローン控除を受ける際の要件と同じです。床面積50m2以上であれば税金上の優遇があることも、物件選びの基準のひとつとして考えておくことをおすすめします。

このほか、融資金額の0.1%が、抵当権の設定にかかる登録免許税として必要になります。

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消費税


(c) kelly marken - Fotolia

中古マションのほとんどは個人の売り主から購入することになります。個人売り主から購入する場合には、マンションそのものには消費税はかかりません。

そのため、中古マンション購入時にかかる消費税は、不動産業者に支払う仲介手数料にかかってくる消費税のことと考えてください。

不動産会社に支払う仲介手数料は、物件価格の3%が上限とされています。そのため。物件価格の3000万円と比べると小さな金額に感じてしまうかもしれませんが、上で見たように7万6800円は決して小さな出費ではありません。

中古マンションの場合、消費税に対しての軽減措置はありませんが、抑える方法はあります。

それは、仲介手数料が無料、もしくは割引をしている不動産会社を利用することです。もちろん、信頼できる不動産会社かどうかを見きわめなければなりませんが、仲介手数料の額もそれにかかる消費税の額も軽減することができます。

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中古マンション購入に消費税はかかる? それともかからない?【マンション購入と消費税】

不動産取得税

不動産取得税は、土地や建物など不動産を取得するとかかってくる税金です。不動産取得税は、支払いのタイミングがイレギュラーで、マンションを購入してから、約半年後に納付の通知が届くという「忘れた頃に支払う税金」と言えるでしょう。

土地も建物も、原則として固定資産税評価額の4%がかかりますが、平成30年3月31日までの特例として3%に引き下げられています。

さらに、土地に関しては、「固定資産税評価額の1/2の3%」まで引き下げられるため、このケースでは、700万円×1/2×3%=10万5000円となります。

さらに、ここから下記の(1)、(2)のどちらか大きいほうの金額を差し引くことができます。

(1) 4万5000円

(2) (土地1m2当たりの固定資産税評価額×1/2)×(床面積×2*)×3%

*200m2が限度

(2)の計算式に今回、例にあげているケースの数字をあてはめてみると、(700万円÷35m2×1/2)×(65m2×2)×3%=39万円となり、この金額を10万5000円から差し引くと、土地の不動産取得税はゼロ、つまり支払わずにすみます。

建物に関しても、下記要件を満たす場合には、築年数に応じた控除額を引いた後に3%をかけることになります。

(1)買主の居住用、またはセカンドハウス用としての取得であること

(2)50m2以上240m2以下(課税床面積)であること

(3)次のいずれかに該当するものであること

・昭和57年1月1日以降に建築されたものであること

・昭和57年より前に建築された住宅であっても、新耐震基準に適合していることについて証明がなされたものや、既存住宅売買瑕疵保険に加入している一定のものであること

・新耐震基準に適合しない住宅で、入居前に新耐震基準に適合するための改修を実施する一定の中古住宅であること

ここでも、登録免許税のように、「50m2以上」がキーワードになっていることを覚えておいてください。

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固定資産税・都市計画税

固定資産税と都市計画税は、不動産を所有していると毎年かかってくる税金です。毎年、1月1日現在の所有者に対して市区町村が課税します。

計算式は次の通りです。

固定資産税=固定資産税評価額×1.4%

都市計画税=固定資産税評価額×0.3%

中古マンションの場合、建物に対しての特例はないのですが、土地に対しては、特例があります。

具体的には、税金計算の基礎になる固定資産税評価額が軽減されます。

固定資産税については、床面積200m2までは固定資産税評価額の1/6に、200m2超の部分については、固定資産税評価額の1/3に。

都市計画税については、床面積200m2までは固定資産税評価額の1/3に、200m2超の部分については、固定資産税評価額の2/3に軽減されます。

詳しくは税務署などに問い合わせてみてください。

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まとめ

税金は、非常に規定が細かいため、面倒に感じる人も多いかと思いますが、ポイントさえ押さえて上手に味方につけることができれば、多くの優遇措置を受けることができます。

ここでご紹介したすべてを覚えていただく必要はありませんが、途中で何度かお伝えした「50m2以上」という面積の要件は、中古マンションを購入される際のポイントのひとつとして押さえておくことをおすすめします。

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

FPオフィス ケセラセラ横浜代表 百貨店在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。 マイホーム購入・売却相談のほか、不動産投資のサポートも行なっている。株式投資やFXなど一通りの投資を実践した後、2007年より不動産投資をスタート。現在は、自らの資産運用はほとんど中古マンション投資に絞って取り組んでいる。

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