「TPPと不動産業界」のお話し!?
ウチコミ!タイムズ編集部
2013/04/28
今回は、今話題のTPPと不動産業界の話をしてみたいと思います。いわゆる「環太平洋地域の経済活動連携」というお話ですが最近、なにか難しい専門用語満載の記事が多く、とても理解しずらいものばかりでしたので、あえて簡単にお話ししたいと思います。
但し、不動産業界との関連・影響という切り口でお話しします。過去のブログにも掲載してきましたが、不動産業界がかかえる問題。そこも大きく影響してくると思いますが、基本的に海外資本からすると関税が無くなる上に、アベノミクスによる円安傾向。普通に考えれば、海外資本が日本の不動産を狙ってくる可能性は格段に大きくなりますよね。
更に、不景気からの脱却を図ろうとインフレ方向に向かっている日本経済。モノの値段が上がっていく方向です。と言う事は、海外から見れば円安で割安に不動産投資したお金が値上がりし易い、税金が安い…。という投資効果抜群な状況に向かっている。その上、日本の不動産市況は経済状況さえ安定的な状況になってくれば、投資効果はとても大きく国内事情も安全で投資先としては、申し分ない場所です。
あくまでも予測の域を出ませんが、皆さんにもお分かり頂けるのではないでしょうか?内容、条件を見合わせて行くと上記の様な予測が出来ますでしょう。
■不動産業界の問題という話はどう関係するの?
~これは、先ほど説明した様な状況になって欲しいと個人的には思っています。なぜならば、現在の不動産業界の構造というのは普通の経済活動から見ると、閉鎖的で不公平で不合理極まりない業界だからです。下記に説明していきます。
①消費者と不動産業者の情報の不均衡
~基本的に、不動産市場全体(全国規模)の不動産物件ネットワークサイトがありますが、不動産業者しか使えないシステムです。更に、そのサイトにさえ物件情報を登録せず、勝手にプレミア感を演出する不動産業者が沢山います。 日本政府は、こんな大切なネットワークシステムを一業界団体に丸投げの状態で、罰則規定すらありません。
消費者との間に隔絶とした情報格差の壁を築いて、自分たちに有利な営業を展開する。更に、その規制の甘さに付け込んだ営業を、自分たちの利益の為にだけ最大限に活用する。トンデモナイ現実です。
②お客さんに背を向けた背信的営業手法
~簡単に説明すれば、「両手取引」が当然の様に行われている現実です。「両手取引」と言うのは、売主・買主双方の仲介に入る状態で、仲介者としては両方から仲介手数料を貰えますから、最高の取引ですが売主・買主の利害は正反対のハズです。そこの仲介に入れる…?おかしいですよね。そもそも、売主は1円でも高く売りたい。買主は1円でも安く買いたい。この仲介に入る事を皆さんは想像できますか?
では、どうまとめるのか?
~話は簡単です。①でもお話ししました通り、不動産業者と消費者の間には物件情報だけではない取引慣習・複雑な業界の取引慣行・様々な関連法律など…。沢山の情報格差、情報障壁が存在しています。そこをタテに自分たちの利益を優先した、誘導が日常的に行われています。
例えば、売主が不動産業者(建売業者など)で買主が一般消費者の場合仲介に入った不動産業者は、情報格差のある一般消費者を誘導する方が簡単ですから、買主の希望で値引き交渉などがあった場合でも売主を怒らせない程度、自分たちの利益が十分に確保できる程度しか交渉を行わず。本当かどうか分からない交渉過程の話だけで、買主を納得させる様な進め方をします。
実際、今の不動産業界では一般の消費者が仲介人なしに出来る事が殆どありません。「仲介人を装った詐欺にも等しい行為」です。以上説明した事が、代表的な問題点です。代表的? 他にもあるの? と思われる方。その通りです。ですが、代表的なお話し以外は「過去のブログを参照ください」
記事自体が、横道にそれていってしまいますので、ご容赦ください。
■それが、TPP参入でどう変わるの?
~①、②で説明した「ある意味」トンデモナイ業界ですが、今までは国内に限定された取引が、欧州やアメリカなど多くの外国資本が流入してくる時点になれば、やっと明るみに出るチャンスが巡ってくると思われます。特に「訴訟大国」のアメリカあたりと前述の様な取引の不公平さなどが取りざたされれば、不動産業界の構造改革も起こりえると思われ
なにしろ、日本の不動産業界のあり方があり方ですから、テコ入れは必至だろうと思います。
そうなれば、本当の意味での構造改革が行われて、健全な不動産業界が再編成されていくのでは? の期待が高まります。どちらにしろ、今のままでは消費者にそっぽを向かれて、細々と営むのが精一杯の業界にしか成れないでしょう。このブログもその日が一日でも早く訪れる為の役に立てれば…。と思います。ただ、心配もあります。
~ただでさえ複雑怪奇な不動産業界。
構成する業界団体も何階層にもバリアの様に布陣され、何処をどうすればいいのか業界内にいる私たちでさえ読み切れません。この辺りは、本当に日本らしいと言いますか、良く出来てるといいますか。感心している場合ではありませんが…。
他力本願のつもりはありませんが、これまでの歴史でも自浄作用を発揮して改革を自ら行ったという組織の歴史上、皆無です。それほど巧みな防御力を誇った組織が多かったのでしょう。しかし、それすら強力な外圧で粉砕されてきたのも事実ですから、期待はしています。
ですから、このブログをどんどん広めたいと思っています。これからも、宜しくお願いいたします。
この記事を書いた人
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