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それでも仲介手数料を払いますか?

不動産会社は絶対に口外しない! リノベ物件で荒稼ぎする方法(1/2ページ)

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リノベ物件が売りに出されるまで

前回、仲介手数料をめぐって、不動産業界では消費者の利益を無視した取引が横行しているとお伝えしましたが( http://sumai-u.com/?p=4650 )、今回はその一例として、リノベーション物件(以下リノベ物件)が売りに出されるまでの取引の流れを見ていきましょう。

リノベ物件は文字通り、中古住宅をリノベーションしたものですから、まず物件を売却する人がいなければなりません。物件を売却する人は、不動産会社に売却を依頼して媒介契約を結びます。

売却の依頼を受けた不動産会社A社は、REINS(レインズ)というコンピュータ・ネットワーク・システムに物件情報を登録します。レインズとは、不動産会社が物件情報を共有するためのシステムで、その情報を見た別の不動産会社は、自社の買い主に物件情報を提供することができます。


(図1)不動産売買の基本的な流れ

つまり、A社は自分で買い主を探さなくても、レインズでその物件情報を知った別の不動産会社に買い主を見つけてもらえるのです。

たとえば、不動産会社B社が買い主を探して契約が成立すれば、A社は売り主から、B社は買い主からそれぞれ仲介手数料(「売買価格の3パーセント+6万円+消費税」が上限)を受け取ることができます(図1)。

不動産会社は両手取引を狙っている


(図2)不動産会社は物件を囲い込んで両手取引を狙う

しかし、話はそう簡単ではありません。この形で契約が成立しても、不動産会社にとっては「儲けが薄い」取引ということになってしまいます。なぜなら、A社、B社が受け取るのは、売り主と買い主、それぞれ片方の依頼主からもらう仲介手数料だけだからです。

これが「片手取引」と呼ばれるもので、不動産会社にとってはおいしくない取引とされています。

不動産会社が常に狙っているのは、売り主と買い主の双方から仲介手数料を受け取ること。この取引が「両手取引」と呼ばれているものです。

では、両手取引を実現するために不動産会社は何をするのでしょうか? それが「囲い込み」です。先ほどの例でいえば、B社が買い主のために問い合わせをしてきても、「すでに商談中です」とか「申し込みが入っています」などといって断ってしまうのです。

こうして囲い込みをしておいて、自社で買い手を見つければ、無事に両手取引を成立させることができるというわけです(図2)。

不動産会社が両手取引に持ち込む手口

もちろん、囲い込みをしている間も、営業マンは内見のお客さんをたくさん連れてきますが、初めから売る気がないのでお客さんにはほかの物件を売り込むわけです。当然。買い手はつきませんし、なかにはわざと高い売り出し価格を設定して「まわし物件」( http://sumai-u.com/?p=2282 )として利用するケースもあります。

しかし、売り主からすれば、営業マンは熱心に内見のお客さんを連れてきてくれるわけですから、悪い印象をもつどころか、自分たちのために一生懸命になってくれていると思ってしまってもおかしくはないでしょう。

そして、次に不動産会社がすることは、売り主にもっともらしく「売れない理由」をいろいろと伝えて、値下げさせることです。もちろん、本当に売れない理由があるのでなく、不動産会社が売ろうとしないだけなのですが…。

不動産会社が値下げをさせる理由のひとつに、安いほうが売りやすいということがありますが、それだけではありません。誰がその物件を購入するのかが問題です。

先ほどの例でいえば、不動産会社A社はB社が連れてきた買い主ではなく、別の不動産会社C社に買い取らせるのです。これによってA社は、売り主とC社からそれぞれ仲介手数料を受け取ることができて、めでたく「両手取引」が成立するわけです。

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