ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

不動産投資の視点から考えるシェアハウス(1/2ページ)

森田雅也森田雅也

2017/08/18

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

近年、シェアハウスという言葉をよく聞くようになりました。シェアハウスとは、自分の部屋とは別に、共有スペースを使用して生活する形態の賃貸借をいいます。お風呂やトイレ、キッチン、リビングなどは住居者全員で共有し、個人の占有部分は部屋のみ、といった内容の賃貸借であることが一般的です。

このシェアハウスですが、不動産投資という視点から、他の賃貸借契約とどのような違いがあるのかを考えてみます。
まず、シェアハウスの場合、他の投資物件に比べ、高利回りであることが一般的です。
通常の賃貸借契約の場合には、一棟につき一人の賃借人とのみ契約するので、賃料収入も当該賃借人からの賃料のみとなります。

ところが、シェアハウスの場合、同じ一棟の投資物件においても、賃借人は部屋ごとにいるので、複数の賃借人から賃料収入を得ることができます。各賃借人からの賃料は、一棟貸しの場合よりも減額させることになりますが、賃借人全員からの賃料収入を合算すると、一棟貸しよりも賃料は増加します。例えば、一棟を目的とした賃貸借契約で、家賃を1ヶ月20万円とした場合、インカムゲインは20万円となります。

これに対し、同じ不動産を部屋で分けて5人の賃借人に1ヶ月5万円の賃貸借契約を締結したとします。そうすると、インカムゲインは25万円になります。これが、シェアハウスは高利回りといわれる理由です。

また、賃借人が複数いるということは、空室のリスクも分散されます。上記の例で考えると、一棟貸しの場合、当該賃借人が退去してしまったら、収入はなくなります。
しかし、シェアハウスの場合には一人退去しても、他の賃借人から合計20万円のインカムゲインを得ることができます。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

弁護士

弁護士法人Authense法律事務所 弁護士(東京弁護士会所属)。 上智大学法科大学院卒業後、中央総合法律事務所を経て、弁護士法人法律事務所オーセンスに入所。入所後は不動産法務部門の立ち上げに尽力し、不動産オーナーの弁護士として、主に様々な不動産問題を取り扱い、年間解決実績1,500件超と業界トップクラスの実績を残す。不動産業界の顧問も多く抱えている。一方、近年では不動産と関係が強い相続部門を立ち上げ、年1,000件を超える相続問題を取り扱い、多数のトラブル事案を解決。 不動産×相続という多面的法律視点で、相続・遺言セミナー、執筆活動なども多数行っている。 [著書]「自分でできる家賃滞納対策 自主管理型一般家主の賃貸経営バイブル」(中央経済社)。 [担当]契約書作成 森田雅也は個人間直接売買において契約書の作成を行います。

ページのトップへ

ウチコミ!