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新型コロナで変わった新しい葬儀のかたち――葬祭の基礎知識(2/3ページ)

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2021/09/29

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「半値、7掛け」低価格になる葬儀費用

「コロナ禍の影響で、今年の夏は葬儀が増えた」と葬儀社社長が次のようにその実態を明かす。

「今年の2月、3月はコロナに感染して亡くなった人も月に10件くらいありました。でも、高齢者のワクチン接種が開始された4月以降、葬儀自体も減少傾向にあったのです。でも、感染者が再び急増した7月からまた増えています。6月、7月は通常の葬儀だと、だいたい6割くらいの方が、家族葬で近親者や仲の良かった人をお呼びして葬儀をされていました。残りの3~4割が直葬など、火葬場へ直接いかれてお別れされる方です」

コロナ禍で、葬儀のかたちは家族葬や直葬へ変化していったというわけだ。家族葬は、家族や近親者など、親族が中心でおよそ20人以下の規模で行う葬儀が一般的だ。他にも通夜を省略して、1日で葬儀と火葬を行う「1日葬」も増えているという。

「家族葬の単価はここ数年下がっていますね。2日間で通夜・葬儀を行うと相場は120~130万円くらいですね。1日葬だと、仮にお料理や返礼品を入れても70~80万円くらいです」(前出・葬儀社社長)

こうしたこともあってか、ここへ来て、葬儀の価格競争も過熱している。株式会社ユニクエストが運営する「小さなお葬式」や株式会社「みんれび」の「よりそうお葬式:、大手スーパー・イオンの「イオンのお葬式」は、「家族葬」が40万円代、「一日葬」が30万円前後の低価格帯の需要が高まっているのだ。

「死亡届・死亡診断書」は10枚コピー

では、実際に家族が亡くなった場合、どのような手続きをして葬儀を行うのか。

親など家族が亡くなった後、7日以内に役所へ提出しなければならないのが、「死亡届」である。

それに先立って必要となる書類が「死亡診断書」。

これは病院で亡くなると、担当の医師から「死亡診断書」に死亡時刻や死因などを記載して遺族へ渡される書類である。

A3用紙の右側が「死亡診断書」で、左側が「死亡届」になっている。

 


法務省ホームページ「死亡届」/編集部撮影

厚生労働省によると、死亡場所の約8割が病院。次に老人ホームなどの介護施設、自宅と続く。

診断書発行の費用は、国立病院など公的な医療機関の場合、3000~5000円程度。私立の病院は発行費用を公表していないことが多く、数万円かかるところもある。

老人ホームなど、高齢者施設で亡くなった場合はどうか。

「老人ホームに入居されていた方の容態が急変して、病院へ運ばれて亡くなった場合、搬送先の医師が死亡診断書を書きます。ただし、看取りや老衰など、施設内で亡くなったときは、かかりつけの医師や提携先の医師に書いていただきます」(介護施設関係者)

自宅で亡くなった場合、主治医がいれば、連絡して発行を依頼する。突然死のような場合は警察に連絡し、監察医や検察官が検視をして特に事件性がないと判断されれば、すぐに死体検案書を発行してもらえる。犯罪性がなくても行政解剖が行われる場合もある。

「死亡診断書」は、年金の受給停止や生命保険の死亡保険金請求の手続きで複数必要となる。最低でも5枚、余裕を持って10枚程度はコピーしておくと困らない。

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この記事を書いた人

記者・ライター集団

政治、経済、ビジネス、マネーなどさまざまなジャンルを取材、執筆活動を行っているフリージャーナリスト、ライター、カメラマンなどによる叶舎LLC.の取材チーム。

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