ゴミのトラブルとオーナーチェンジのトラブル その交渉方法は?(3/3ページ)
大谷 昭二
2020/12/09
不当な契約条項、その場で削除を求めるべきか?
Q.契約書の内容を見ていたら、「契約更新ごとに家賃を5%値上げする」となっていました。そうした契約内容は不当だと思いますが、削除を求めることはできるのでしょうか。それとも法的に認められないと思うので、無視して契約したほうがよいですか。
A.まず大事なことは「契約更新ごとに家賃を5%値上げする」という合理的な根拠はあるかということです。
そうした根拠があれば、「不当な契約」とは言えません。しかし、一般的には「更新ごとの自動値上げ」を行うような合理的な根拠はないと思います。そういう場合は、消費者契約法の「消費者の利益を一方的に害する条項は無効である」に該当しますので、契約内容そのものが無効となります。
とはいえ、あとになって言うのはトラブルのもとです。ですので、最初から削除してもらうほうがよいと思います。しかし、あまり強い交渉を行うと、契約そのものができなくなる(家主が契約を拒否する)可能性もあります。
入居を優先したいのであれば、あまりに強い要求は避けたほうがよいでしょう。その代わり契約更新時には、交渉を行う必要があります。どちらがよいとは一概に言えませんが、いずれにしても、最終的には借主の判断次第となります。
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この記事を書いた人
NPO法人日本住宅性能検査協会理事長、一般社団法人空き家流通促進機構会長 元仲裁ADR法学会理事
1948年広島県生まれ。住宅をめぐるトラブル解決を図るNPO法人日本住宅性能検査協会を2004年に設立。サブリース契約、敷金・保証金など契約問題や被害者団体からの相談を受け、関係官庁や関連企業との交渉、話し合いなどを行っている。