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経済アナリスト、中原圭介インタビュー

【最も予測が当たる経済アナリストが予言!】住宅はさらに供給過多へ! 不動産投資のブルーオーシャンはどこにあるのか(1/4ページ)

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住宅の需給バランスは悪化する一方

不動産に限らず、モノの価格を考えるときは「需要」と「供給」について考えなければいけません。

今後、高齢化が進む日本では、人口が減ることは確実ですから、住宅需要が減るのは明白です。現在は地方の人口減少が深刻になっていますが、現時点では人が増えている東京でも、2020年以降は加速度的に人口が減少するといわれています。

しかも、総務省が発表した「平成25年住宅・土地統計調査」によると、すでに2013年時点で日本全国に約820万戸の空き家があります。2008年の前回調査より空き家は305万戸も増えており、空き家率も0.4%増の13.5%と過去最高になっています。

このように空き家が増える趨勢は1963年以降ずっと続いていますので、今後も空き家が増え続ける可能性は濃厚です。しかも、この空き家のうち半分は貸家だといわれています。

また、野村総合研究所は、2033年までに2013年の約2.6倍となる2176万戸まで空き家が増えると試算していますから、将来的には住宅の需給のバランスはさらに崩れ、供給過多がより鮮明になっていくでしょう。

マンション価格の高騰は国が生み出した側面も

一方、特に新築マンションの価格が上がっています。その背景には、円安による建築資材の高騰や職人不足による人件費の高騰がありますが、この原因は国の政策による部分が大きいと考えています。

日本銀行は異次元の金融緩和によって、円安に誘導しました。それによって、輸入建材の価格が上がりました。その上昇分はマンション価格に転嫁されています。

もうひとつは公共投資を増やしたことによる職人不足です。東日本大震災の復興や景気対策の公共投資が増えたことで、そこに職人を持っていかれていることもあり、新築マンションの建設に携わる職人が不足しています。なかでも鉄筋工は高齢化が顕著で、特に不足しているといいます。

建築業界ではそれまでの不景気もあって、熟練工の技術が若い世代にうまく伝承されなかったことから、技術を持った職人が不足しているのです。しかし、職人不足から技術的に未熟な職人でも工事現場に投入しないといけない状態ですから、最近のマンションは価格が高いからといって、必ずしも質が高いとは言い切れないと思います。

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