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住宅ローン控除の基本と賢い使い方(4/7)

繰り上げ返済、借り換えをしても住宅ローン控除は受けられる?

高橋敏則

2016/01/30

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繰り上げ返済をする場合の住宅ローン控除

 住宅ローン控除の対象となる条件のひとつに、10年以上の返済期間(最初の返済から最後の返済までの期間)で組んでいることがあります。

 たとえば、15年ローンを組んで6年が経過した場合、残りは9年となります。この場合、残りの返済期間は10年を切っていますが、もともとは15年の返済期間で設定されているので、住宅ローン控除は10年まで適用されます。

 では、同様に15年ローンを組んで6年が経過、繰り上げ返済をして残りが3年になったとします。この場合は、6年+3年でもともと9年の住宅ローンだったと判断され、10年未満の住宅ローンとして扱われます。つまりは住宅ローン控除の対象外となります。

 税法の規定では、最初の契約により定められていた最初に返還した月から、その短くなった返済期間の最終月までの期間が10年以上であれば、繰り上げ返済後も住宅ローン控除の対象となるとしています。

 先ほどの例でいうと、15年ローンで6年が経過、繰り上げ返済をして残りが4年になった場合は、6年+4年=10年なので、住宅ローン控除の対象のままということです。

 また、繰り上げ返済には、「返済期間を短縮」するパターンと、「返済期間はそのままで返済金額を圧縮」するパターンの2つがあります。前者の場合は、返済期間が10年未満にならないよう注意が必要ですが、後者の場合は返済期間に変化はないので、住宅ローン控除はそのまま適用されます。

借り換えをする場合の住宅ローン控除

 最初に組んだ住宅ローンより、金利などが有利な住宅ローンが発売された場合など、ローンの借り換えを検討する人も多いでしょう。実際、この借り換えによって住宅ローン控除の対象から外れるのか外れないのかというのは多くの人にとって疑問のようです。

 まず答えから先に言うと、このようなローンの借り換えは住宅ローン控除の対象となります。

 また、親族から借り入れをして住宅を購入した場合、後からローンを組んで親族への返済を先にすませてしまうこともあります。このようなパターンでも、住宅ローン控除の対象となります。

 というのも、税法の規定では、新たな借入金(借り換えや新しいローン)が当初の借入金を消滅させるためのものであることが明らかであること、そしてその新たな借入金が家屋の新築・購入の資金にあたる場合に限り、住宅ローン控除の対象となると定めているのです。

 とはいえ、住宅ローン控除の大元となる条件から外れてしまう場合は対象とはなりません。

 たとえば、A銀行で20年の住宅ローンを組み6年が経過、B銀行でローンの借り換えをした場合、B銀行で組む新しい返済期間が4年以上であれば住宅ローン控除が適用されますが、4年未満になる場合は繰り上げ返済の場合と同様に10年未満の住宅ローンと判断されるので対象外となります。

 同様に、C銀行で親戚からの借入金を返済するための新たなローンを組む場合でも、一般住宅では4000万円が限度額となりますので、4500万円のローンを組んでしまうとあふれた500万円の部分については住宅ローン控除の適用外となります。

 このように、住宅ローン控除は10年間に渡る強い味方であると同時に、その要件が外れた場合にはなくなってしまう恐れがある仕組みなので、繰り上げ返済・借り換えを行なう時には、慎重に検討してからにしましょう。

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この記事を書いた人

公認会計士、税理士

1979年、中央大学商学部卒業。80年、公認会計士二次試験合格。アーンスト・アンド・ウイニー会計事務所、監査法人を経て独立、高橋会計事務所を開設し、現在に至る。経理・財務・税務の指導ほか、中小企業の経営コンサルティングに従事。 「専門知識がなくてもわかる解説」が人気となり、税務研究会、企業の社内研修会など各種セミナーの講師として活躍するほか、ビジネス書の著者としても多くの書籍を執筆している。 著書に「相続・贈与でトクする100の節税アイデア」「小さな会社の税務がすべてわかる本」、「小さな会社と個人事業主の消費税がすべてわかる本」 (ダイヤモンド社)、「不動産オーナの節税対策/知っておきたい土地建物の税金」(清文社)、「法人税/有利選択の実務」「消費税/有利選択の実務」(税務研究会)など多数

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