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若手投資家が急増中 初心者におすすめの投資信託とは

田中 あさみ田中 あさみ

2022/01/20

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イメージ/©️hywards・123RF

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で家にいる時間が増え、投資を始める人が急増しています。特に20~30代の若年層がネット証券会社を通じて投資を始めるケースが急増、国の非課税制度「積立NISA」の口座数も前年比で20%以上の上昇を記録しています。

「積立NISAってよく聞くけど一体何?」「初心者は何から始めたらいい? 最低限の知識とは」「初心者におすすめの投資信託とは?」とお考えの方は多いでしょう。

本記事では若手投資家急増の実態、積立NISA・投資信託・ETFについて、初心者におすすめの投資信託・方法3つを解説していきます。

投資に少しでも興味のある方、老後に備えて投資を始めたいと思っている方はぜひご覧ください。

ネット証券が人気。資産運用を始める若年層がコロナ禍で急増

新型コロナウイルス感染症拡大以降、在宅時間が増えたことからネット証券を通じ資産運用を始める若年層が急増しています。

ネット証券会社では、対面型の証券会社と比べ取引コストをおさえて株・投資信託などの金融商品を売買することができます。ネット証券の口座開設数は以下の通り2020年3月末以降高い上昇率を示しています。


出典/日本証券業協会「インターネット取引に関する調査結果(2021年9月末)について」

さらに金融庁が21年3月末に発表したデータによると、長期に渡り一定の投資信託を購入する非課税制度「積立NISA」の口座数が20~30代で急増していることが分かります。


出典/金融庁「NISA・ジュニア NISA 口座の利用状況調査」2021年3月末時点

「NISA」「積立NISA」という単語を聞いたことがある方は多いと思いますが、一体どのような制度なのでしょうか?

積立NISAとは? 投資信託・ETFって何? 初心者がおさえておきたい基礎知識

積立NISAは18年にスタートした長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度で、「長期・積立・分散」の投資に適した投資信託・ETFを年間に40万円まで新規で購入することができます。

非課税期間は20年間ですが、23年までに20年間の積み立てを確保した場合には5年の延長が可能で、22年中に積み立てを始めた場合は実質25年となります。

一般的に、株式・投資信託などの売却時に20.315%課される譲渡所得税が非課税となり、20年間の場合は800万円の投資額、5年延長され25年間の場合は1000万円に対する投資額に対する利益が非課税となります。

投資信託・ETFとは? メリット・デメリットと種類

投資信託とは、投資家から集めた資金をプロの投資家が株式・債券などで運用するもので、株式投資よりリスクが低いといわれる金融商品です。

多くの場合、投資から得られる利益(リターン)も株式投資に比べて低めですが、自身で個別の銘柄を研究する時間や技術が不要というメリットがあります。

投資信託には「インデックス型」と「アクティブ型」があります。

リスク・リターンは以下の要素でも差がありますので把握しておきましょう。

ETF(Exchange Traded Fund)とは「上場投資信託」とも呼ばれ、株式のように証券取引所に上場し、取り引きされている投資信託のことです。

一般的な投資信託は金額や口数を指定して購入しますが、ETFでは1口当たりの金額を「指値」(指定した価格)で購入できるというメリットがあります。売却時も指値で売却可能です。

なお投資信託・ETF・株などには、預貯金と違い元本割れのリスクがあることをおさえておきましょう。

初心者におすすめの投資信託と方法とは?

1.積立NISAの活用
NISA・積立NISAは、国内に住む20歳以上の方が開設できる非課税制度で、NISAと積立NISAのどちらか一方を選択できます。

NISAは積立NISAと異なり非課税期間は5年間、年間の新規投資額は120万円までとなっており、購入できる金融商品には上場株式やREITも含まれ、積立NISAより選択肢が多くなっています。

NISA制度は24年に改正予定で1階部分は積立NISA、2階部分は従来のNISAとなり新規投資額や購入できる商品が変わります。


出典/金融庁「令和2年度税制改正について」

どちらを選ぶかは最終的に個人の判断となりますが、初心者は内閣総理大臣が告示で定める要件を満たした「積立・分散・長期」の商品に限られた積立NISAを選ぶ方が多いです。

積立NISAはワンコイン(100円)から投資が可能で、「今月は余裕が無い」というときは月の設定額を変更することで商品購入をストップできます。

通常の口座では利益に対して20.315%の 税金が課されますので、NISA・積立NISAの非課税枠を積極的に活用していきましょう。

2.長期・積立・分散
投資は、長期に渡って投資対象・エリアなどを分散しながら定期的に積立で行うことで、成果を上げられる可能性が高くなります。

一般的に短期の投資で利益を得るためには、金融・投資の知識、政治や世界情勢などを勉強し、市場のチャート(値動き)を見張ることが必須です。

短期で多くのリターンを得るためには時間と労力、そして元手となる資本が必要となりますが、長期・積立・分散投資は少額から初心者でも始められる点が魅力です。

金融庁の「つみたてNISA早わかりガイドブック」の「長期・積立・分散投資の効果」を見ると分かりやすいかと思います。

筆者も投資を行っており、最初は短期の利益を目指して勉強し相場をチェックしていましたが、多くの勉強と時間が必要でチャートなどをチェックすることに疲れてしまい、長期投資に切り替えました。

3.インデックス型
日経平均株価やダウ平均株価など指数と連動したインデックス型投資信託は、信託報酬や手数料が低く、低リスク・低リターンの金融商品です。

インデックス型には株式型や債券型、コモディティ(原油・金など)型などがありますが、分散して投資することでリスクを低くおさえられます。

筆者も積立NISAとiDeCoで、全世界株式型・アメリカのS&P500(大型株500の指標)の投資信託を、20年10月から月8万円程度購入しており運用結果は以下の通りです。

2021年の1年間リターン



※同じタイプの商品ですが、運用会社や金額が異なるためリターンも異なります

「絶対儲かる」投資は無い

ここまで解説してきた投資信託・ETFには、元本割れのリスクがあり、例えば株高の時期に購入し株安の時期に売却すると損失が生じます。

損失のリスクを低くするための投資方法が、長期・積立・分散ですが「絶対儲かる」という投資法や金融商品は存在しません。逆に「絶対儲かる」と勧誘された際には投資詐欺である可能性があります。

21年12月29日時点での定期預金の預入期間別平均年利率(日本銀行発表)を見ると、1000万円を10年間預けた場合でも利息はわずか200円という計算になります。普通預金はさらに低くなっています。

日本銀行が目標とするインフレ率が年2%ですので、預金しても実質目減りしてしまう可能性があります。

預金では資産を殖やすことが難しい昨今、投資によって多くの方の「お金に関する不安」を軽減できる可能性があります。

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この記事を書いた人

2級FP技能士・ライター

北海道在住。大学在学中に2級FP技能士を取得。 会社員を経てFP資格を活かし、ライターとして不動産・金融・相続・法律分野の記事を多数執筆する。「難しいことを分かりやすく」をモットーにライターとして活動中。

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