いまさら聞けない「少額短期保険」の基本――保険会社との違い、保険金額、活用方法(1/3ページ)
平野 敦之
2021/09/08
イメージ/©︎marchmeena・123RF
保険というと生命保険会社や損害保険会社をイメージする人がほとんどでしょうが、このほかにも「少額短期保険」があります。保険会社ではあるものの、生命保険や損害保険会社に比べると設立や算入が容易な一方で、保険期間や保険金額など契約を引き受けできるうえで一定の制限が設けられています。
なかにはこれまで取り扱われてこなかったユニークな保険などを取り扱っているケースもあります。既存の保険会社に比べると知名度の点で若干劣る部分があるためよく知らない、違いが分からないということも珍しくありません。
そもそも「少額短期保険」とはどんな保険?
少額短期保険は、取り扱う保険商品の保障が「少額」(決められた一定の金額以下)で保険期間が「短期」のものについて取り扱う保険会社です。略して「少短」あるいは「ミニ保険」などとも呼ばれています。保険業法等の一部を改正する法律によって制度が導入、2006年4月1日からはじまっています。
既存の保険会社(生損保とも)を設立するよりも算入が容易なため、大手企業も参入しており、既存の保険会社が設立するケースや異業種から参入するケースもあります。少額短期保険協会によると、21年8月1日現在で112の事業者が登録されています。
少額短期保険の保険期間と保険金額の上限は?
少額短期保険の保険期間は1年(損害保険分野は2年)と決められています。契約することのできる保険金額の限度額は種目別に下記のようになります。
一部の契約の引き受けに経過措置などが設けられていますが、このように保険期間や保険金額に制限が定められています。
そのため、例えば保険期間が「終身」の医療・生命保険や対人賠償無制限の自動車保険、建物の火災保険などはこうした制限の関係で取り扱いがありません。また、保険期間が短期なため貯蓄タイプの保険はなく、掛け捨てで手頃な保険料というのも特徴の一つです。
この記事を書いた人
平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp