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非課税枠の活用から遺贈寄付まで。生命保険を使った財産の有効な遺し方

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万が一があったとき、周囲に迷惑をかけることがないようにしたい/©︎123RF

生命保険を活用した3つの相続対策

「自分が亡き後、周囲に迷惑をかけることがないようにしたい」と考えている人は多いのではないでしょうか。財産を多く持っていればいるほど、きちんと整理しておかなければ相続争いに発展しないとも限りません。不動産はたくさん所有しているけれど現金がないという場合には、遺族が相続税の支払いに苦慮するかもしれません。

「現金も不動産もそれほどないから大丈夫」と思っていても、東京23区内に戸建てのマイホームを所有しているだけで、相続税の支払いにそれなりの現金が必要になります。相続にまつわるトラブルを起こさないために、今回は生命保険を活用した相続対策をご紹介します。

生命保険を活用した相続対策には、主に次の3つの方法があり1つずつ要点をご説明していきます。

■非課税枠を活用した生命保険への加入
■現金の生前贈与を活用した生命保険への加入
■生命保険信託を活用した遺贈寄付

90歳までの定期保険でお得に死亡保険金を準備する~非課税枠を活用した生命保険への加入~

最初に生命保険の非課税枠を活用した相続対策からご紹介します。

遺産を相続するときには、相続税がかかります。ただし、「3000万円+法定相続人の数×600万円」までが非課税枠となっています。そして、生命保険に加入していた被保険者が死亡して遺族が保険金を受け取るときにも、次の額までの非課税枠が設けられています。

生命保険の非課税枠=500万円×法定相続人の数

たとえば、子どもが2人いる配偶者が生命保険金2000万円を受け取った場合、1500万円までは非課税で受け取ることができ、残りの500万円に対してのみ相続税がかかることになります。

しかし、現金で2000万円を相続した場合には、2000万円に対して相続税がかかることになるのです。※いずれも、相続する財産が「3000万円+法定相続人の数×600万円」の非課税枠を超えていた場合

さらに、配偶者と子ども2人のそれぞれが500万円ずつ受け取れる生命保険に加入しておくことで、遺産分割の一部をよりスムーズに行えるようになります。また、まとまった現金をすぐに準備できるため、非課税枠を超える財産を相続するときの相続税の支払いに利用することも可能になります。

では、どのような生命保険に加入すればいいのでしょうか。人は何歳まで生きるか分からないため、保障が一生続く終身保険に加入することで確実に保険金を残すことができます。しかし、終身保険は保険料が高いことがデメリットです。そこでチェックしたい商品が、保険期間が90歳までと終身保険に近いともいえる定期保険です。

50歳男性、保険金額500万円として比較してみましょう。

終身保険では、毎月の保険料が終身払いでも毎月1万円を超える会社がほとんどです。しかし、払込期間も保険期間も90歳までとした定期保険になると、保険料は毎月6000~8000円台。3000~4000円前後も安く抑えることができるのです。もちろん、90歳を超えて長生きをした場合には保険の効力は失われます。そこがデメリットといえますが、十分に検討する価値はあるでしょう。

贈与税非課税枠の年間110万円を保険料に充当する~現金の生前贈与を活用した生命保険への加入~

次に、現金の生前贈与を活用した生命保険への加入についてです。親から子どもへ現金を贈与するときには贈与税がかかります。ただし、年間110万円までの非課税枠があることをご存じの方も多いでしょう。

例えば、相続が発生するまでの期間を10年とした場合、110万円×10年=1100万円までの贈与額が非課税となります。毎年、110万円ずつを贈与することで、節税しながら資産を圧縮することができます。そこでこの非課税枠を保険料として、自身が被保険者、子どもが契約者・受取人とした生命保険に加入するのです。加入する商品は、払込期間を決めた終身保険がおすすめです。

50歳男性で60歳払込満了とした場合、総払込保険料が1100万円強で、1350万円の保険金を受け取れる商品が多くあります。単純に贈与するよりも、保険金で受け取る方が額も少し増えることになります。ちなみに、契約者も受取人も子どもの場合、保険金を受け取るときには一時所得となって所得税([受取死亡保険金ー支払い保険料総額ー50万円]×1/2)がかかります。しかし、相続税よりも所得税の方が税率が低いため、こういった相続対策も有効でしょう。生前贈与の場合は、毎年、贈与契約書や贈与税の申告書などの作成・提出が必要であることも確認しておきましょう。

自分の死亡保険金を社会貢献に役立てる~生命保険信託を活用した遺贈寄付~

最後に、遺贈寄付についでです。

これは死亡したときの保険金を、国境なき医師団や日本ユニセフ協会、国際連合世界食糧計画、日本ユネスコ協会連盟、フローレンスなどといった公益団体に遺贈する保険です。近年、「独身で相続する家族がいない」「親しくない親戚に相続させたくない」「財産を国庫に寄贈するよりも使途が明確な団体に寄付したい」、などといったニーズが多くなっているようです。そのニーズとマッチングさせた商品が登場してきたのです。

現在、プルデンシャル生命、第一生命、FWD富士生命、ソニー生命などが生命保険信託の商品を提供しています。2021年4月を目途に、明治安田生命も生命保険信託の商品を発売する予定としています。生命保険金の受取先は、自由に設定できる商品もあれば、障害をお持ちのお子様が入所している施設などに限定している商品もあります。また、三井住友海上プライマリー生命では、「日本赤十字社」と「日本ユニセフ協会」を受取人指定とした社会貢献特約の取り扱いを始めています。この特約を付加できる商品は、個人年金保険『一生涯受け取れる 人生応援年金』、終身保険『しあわせ、ずっと』の2つです。こういった寄付を目的とした保険商品は、これからも増えていくことが予想されます。興味がある方はぜひ各社のホームページをチェックしてみてください。 

以上が、相続対策のための生命保険の活用方法です。注意が必要な点は、相続に詳しい税理士に相談するなどしてから保険に加入すること。相続の問題は複雑な点が多いため、一般の保険募集人の説明を受けただけで加入してしまうと、その後トラブルに発展する可能性もあります。また、税率に変更が生じた場合には、加入時に想定していた通りにならないこともあるかもしれません。

大切な人を守るためにも、現在の資産状況や遺族の負担、自分の健康状況などを鑑みて有効な相続対策を始めてみてはいかがですか。

■取材協力:保険クリニック
1999年に日本で初めて*オープンした保険ショップ。
日本の約90%の世帯が加入している生命保険を、視覚的に分かりやすくご説明するために、保険分析・検索システム『保険IQ システム』を独自に開発している。保険商品の検索や比較の機能を追加し、保険の現状把握からお客さまに合わせたプランのご提案まで、全国の『保険クリニック』でお客様にとって適切な保険選びをサポートしている。*「日本初の来店型乗合保険ショップチェーン※」※店舗数11店舗以上または年商10億円以上をチェーン店と定義 東京商工リサーチ調べ(2018年6月)

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この記事を書いた人

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