子どもの保険 生涯をカバーする医療保険と学資代わりの死亡保険
ウチコミ!タイムズ編集部
2020/04/08
シンプルな保障の医療保険を子どもの将来にプレゼント
ある程度大人になってから生命保険や医療保険に加入する人が多いと思いますが、子どもだって病気になったりケガをしたりすることはあります。もちろん、入院することもあるでしょう。子どもも保険に加入させるべきか考えたことがある親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、自治体によって違いはありますが、子どもの医療費は助成が行われているため、それほど心配する必要はありません。
また、子どもの場合は、病気よりもケガをすることの方が多くあります。子ども自身のケガは傷害保険、他人にケガをさせてしまった場合の損害賠償責任は火災保険や自動車保険、自転車保険などに付加した個人賠償責任特約で補償されるケースがほとんどです。これらに加入していれば、ケガをしたとき・させてしまったときのこともそれほど心配する必要はないと考えらえます。
ただ、保険は若いうちに加入しておくことで、当然、保険料を安く抑えられます。そのため、子どもが小さいときに、生涯保障される医療保険への加入しておいて、成人の際にあげることも良いかもしれません。
そこで、最初に子どものうちに加入する医療保険のメリットと注意点をご紹介します。
保険は0歳から加入することができます。
子ども用の医療保険に限らず、複数の保険会社が、大人が加入する通常の医療保険を0歳から加入できるようにしています。
保障が生涯継続する保険に加入して、子どもが成人するまでに保険料の払い込みを完了させることもできます。子どもが成人になったときの親からのプレゼントといった雰囲気です。
例えば、子どもが0歳のときに、入院日額給付金5000円の終身医療保険(1入院60日型・先進医療特約付加)を10年間で払い込む場合、保険料の目安が次の通りです。
■メットライフ生命『終身医療保険 Flexi S(60日型)』……4552円/月
<主な保障内容>
・病気で入院したとき、1日目から……1日につき5000円
・ケガで入院したとき、1日目から……1日につき5000円
・手術給付金……入院中10万円/外来2万5000円
・放射線治療給付金……10万円
・骨髄ドナー手術給付金……5万円
・先進医療給付金……技術料と同額、通算支払い限度額2000万円
・先進医療一時金……5万円
■オリックス生命『医療保険 新CURE 60日型』……5675円/月
<主な保障内容>
・病気で入院したとき、1日目から……1日につき5000円
・ケガで入院したとき、1日目から……1日につき5000円
・手術給付金……入院中10万円/外来2万5000円
・放射線治療給付金……入院中10万円/外来2万5000円
・骨髄ドナー手術給付金……入院中10万円/外来5万円
・先進医療給付金……技術料と同額、通算支払い限度額2000万円
・先進医療一時金……先進医療給付金額の10%相当額、1回の療養につき50万円限度
■マニュライフ生命『こだわり医療保険 with PRIDE 60日型』……6335円/月
<主な保障内容>
・病気で入院したとき、1日目から……1日につき5000円
・ケガで入院したとき、1日目から……1日につき5000円
・手術給付金……入院中10万円/入院中以外5万円
・放射線治療給付金……10万円
・骨髄ドナー手術給付金……10万円
・先進医療給付金……技術料相当額、通算支払い限度額2000万円
・先進医療一時金……5万円
払込保険料の総額が50万~70万円で、上記のような保障を一生受けることができるのです。
注意が必要な点は、保険料が安いからといって、いろいろな特約を盛り込んで加入すること。
医療制度や医療技術は変化・進歩します。医療保険もその時代に合った保障内容の商品が登場します。そのため、保障条件と将来の医療状況とに相違が生まれ、給付金が支払われなくなるというケースも想定されるからです。主契約部分は入院すれば支払われますが、その他の特約部分は将来支払いを受けづらくなってしまうかもしれません。
また医療保険は掛け捨てであることが多いので、保険料払い込み途中で解約してしまうと戻ってくるお金はほとんどありません。払い込み期間を凝縮している分、単月の保険料はどうしても高くなってしまいます。払い込み満了まで継続することを前提に、無理のない範囲内の契約内容にすることが重要です。
短期間で保険料を払い終えたい場合は、上記の例のように入院保障としてごくシンプルな保障内容にしておきましょう。
学資保険の代わりに使い勝手のいい死亡保険を選択
次に、こういった医療保険以外で、子どもの保険として思い浮かぶのが学資保険です。
学資保険の場合、子どもが小さいときから積み立てていき、高校入学時の15歳、大学入学時の18歳など、あらかじめ決めていた時期に保険金が支払われます。
もしも、払込期間中に親が亡くなってしまったら、保険料払い込み免除特約などもついています。
しかし、この学資保険の代わりに、親が被保険者となる死亡保険に加入するという方法もあります。短期間で払い込みが完了する死亡保険に加入しておいて、高校でも大学でも本当に学費が必要なときに解約して解約返戻金を受け取るのです。
「進学のため」と考えると確かに学資保険はぴったりなのですが、決めていた時期にしか保険金は受け取れません。
それに比べて、死亡保険は万が一親が亡くなれば、その時点で保険金を受け取ることができるため、不安なときの安心材料にもなります。また、進学時におカネに余裕があれば解約せずにそのまま保障を継続することもできます。
つまり、幅広い選択ができるのが死亡保険なのです。
しかも、保険料や保険金を比較しても、次の例ように学資保険と死亡保険にそれほど大きな差はありません。
例)
◆学資保険(被保険者:子0歳)※ソニー生命
17歳で300万円受取、17歳まで保険料払い込みの場合
保険料払込総額299万2680円 月払い保険料1万4670円
◎返戻率……約100.2%
◆終身死亡保険/低解約返戻金型(被保険者:父35歳)※オリックス生命『終身保険RISE』
17年後に解約287万9030円受取、15年保険料払込の場合
保険料払込総額283万8240円 月払い保険料1万5768円
◎返戻率……約101.4%
この死亡保険の場合は、払い込みが完了してから年数が経過するごとに返戻率が徐々に上がっていくこともメリットです。注意点としては、低解約返戻金型の場合、払い込む保険料を安く抑えることができる一方で、払い込み期間が満了になる前に解約すると返戻金が30~40%未満となってしまうことです。
そのため、払い込み途中で解約することにならないよう、無理なく払い続けられる契約内容にする必要があります。
そして、最後に気になるのが毎月の保険料でしょう。今回紹介したプランの医療保険と学資保険、あるいは死亡保険に加入して短期で払い込むとなると月額2万円程度の保険料が必要になります。ちょっと痛い出費のような気もします。
そこで、自治体から支給される児童手当を保険料に充てるという考え方をしてみてはどうでしょうか。所得や年齢などによって違いはありますが、1万~1万5000円が支給されます。これをそのまま保険に使うことで、生活に大きなダメージを与えることなく子どもの将来の安心を得ることができるでしょう。
多くの親御さんが、子どもには元気に成長して、将来を幸せに暮らしてほしいと願うものでしょう。その願いを叶えるひとつの手段として、医療保険や死亡保険の上手な活用を考えてみてもいいのではないでしょうか。
■取材協力:保険クリニック
1999年に日本で初めて*オープンした保険ショップ。
日本の約90%の世帯が加入している生命保険を、視覚的に分かりやすくご説明するために、保険分析・検索システム『保険IQ システム』を独自に開発している。
保険商品の検索や比較の機能を追加し、保険の現状把握からお客さまに合わせたプランのご提案まで、全国の『保険クリニック』でお客様にとって適切な保険選びをサポートしている。
*「日本初の来店型乗合保険ショップチェーン※」※店舗数11店舗以上または年商10億円以上をチェーン店と定義 東京商工リサーチ調べ(2018年6月)
『保険クリニック』へのご相談はこちら↓
https://www.hoken-clinic.com/
この記事を書いた人
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