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万一に備えた生命保険

「保障金額」の決め方と、考えた方次第で広がる使い道

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遺族年金を確認してから死亡保障を設定する

「死亡保障の生命保険は、被保険者が死亡したときにだけ保険金を受給できる」

生命保険をこのように捉えている人がほとんどだと思いますし、間違いではありません。
しかし、視点を少し変えると、本来の目的とは違う活用方法が可能になることをご存じでしょうか。

今回は、その活用方法をご紹介します。

その前に、まずは死亡時にかかわる保障にはどのようなタイプがあり、いくらくらいの保険金額の死亡保障に加入すればいいのかを把握することが大切です。しかし、商品も契約内容もいろいろあり過ぎて、どの死亡保障に加入すればいいのか迷う人も少なくないでしょう。

そこで死亡保障を考える際のひとつとして、公的な「遺族年金」の受給額を把握してから、自分に必要な保険や保険金額を決めていく方法があります。

遺族年金とは、国民年金または厚生年金保険の被保険者が亡くなったときに、遺族が受けることができる年金です。しかし、家族が受け取れる年金額は、条件によって異なります。

夫の年収の平均や子どもの人数によって年金額は違ってきますし、子どもがいない場合には妻の年齢によって年金額が異なります。また、自営業者の場合は、子どもがいれば年金を受け取ることができますが、妻だけの場合はまったく受給できません。

受給額については、下記ホームページなどで確認するか、よく分からない場合は複数社の保険商品を扱う保険代理店で相談にのってもらうことがおすすめです。

(参照 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/index.html

次に、死亡時にかかわる保険の種類についてです。

たとえば、会社員の夫、専業主婦の妻、子どもの3人家族の場合。夫が早く死亡したとき、必要な資金として主に次の2つが挙げられます。

□妻と子どもの生活費
□子どもの学費

こういったケースを想定して準備しておきたい保険のひとつが、一生涯受け取ることができる終身タイプの生命保険です。夫が亡くなったときにまとまった保険金を受け取ることができます。


(図1の紺色の部分 ※普通死亡保障図のこだわり終身保険の部分)

また、最近、契約件数が増えているのが収入保障保険です。

たとえば、生きていれば現役で仕事をしていたと想定される60歳まで、夫が死亡してから毎月10万円、15万円など設定した給付金を受け取るタイプの保険です。

子どもが大学を卒業するまで、妻の収入だけでは不安があるケースなどに役立ちます。
(図1の赤色の部分 ※普通死亡保障図のメディフィット収入保障の部分)

これらが、死亡したときのことを想定して加入する保険です。子どもがいる場合には、この2つを組み合わせて考えてもいいでしょう。

低解約返戻型・早めの払い込み完了で、学費にも備えられる

そして、冒頭で紹介した視点を変えた活用方法としてご紹介したいのが、生命保険を急な出費や子どもの学費に充てるという方法です。

子どもの学費というと、学資保険が思い浮かびます。学資保険は「高校入学時の15歳」「大学入学時の18歳」など、学資金を受け取る時期が決まっています。

学資保険加入中に夫が死亡した場合、その後の保険料の払い込みを免除されますが、途中で解約した場合には満額を受け取ることができないケースがほとんどです。

そこで、図1紺色の部分の生命保険です。たとえば、15年間で保険料をすべて払い込むという契約にするとどうでしょうか。

子どもが0歳のときに加入した場合、高校生のとき、あるいは大学入学時に資金が必要となったとき、あるいは別件で資金が必要になったとき、解約しても満額を受け取ることができるのです。

ただし、この場合に注意が必要なことは、低解約返戻金型であること。低解約返戻金型は、保険料払い込み中に解約したときの解約返戻金を低く抑えるタイプです。その分、払い込む保険料を安く抑えることができます。

保険料の払い込みが終了すれば、その時点から満額の保険料を受け取ることができるというメリットがあります。その後、年数の経過とともに解約返戻金がさらに増えていきます。

※契約条件や保険商品によっては、解約時に満額を受け取れない場合があるので、契約時には解約返戻金の推移表を確認することが重要です。

ちなみに、同じような生命保険でも低解約返戻金型ではない商品があります。この場合、低解約返戻型よりも解約返戻金は高いのですが、保険料の払い込みが終了してから数年以内の解約では満額を受け取れない場合が多くあります。その代わり、保険料払い込み中の解約リスクを抑えられます。

学資保険も死亡保障も……と、あれこれ加入するのはなかなか大変です。契約の仕方によっては、ひとつの死亡保障で選択の幅を広く考えることも可能だということです。

今回は、子どもがいる若い夫婦を例にとって考えましたが、たとえばお一人様の場合も同じように考えることができるでしょう。一人で家を購入することになった、仕事がなくなった、体を壊して介護が必要になったなど、大きな資金が必要になったときの保険として、生命保険を捉えることもできるのです。

このように、まずは遺族年金をチェックして、自分や家族のライフスタイルに合った死亡保障の形を考える。そのうえで、医療保険やがん保険、介護保険など、さらに必要な保険を検討してみることも、保険を考える際のひとつの方法になります。

■取材協力:保険クリニック
1999年に日本で初めて*オープンした保険ショップ。
日本の約90%の世帯が加入している生命保険を、視覚的に分かりやすくご説明するために、保険分析・検索システム『保険IQ システム』を独自に開発している。保険商品の検索や比較の機能を追加し、保険の現状把握からお客さまに合わせたプランのご提案まで、全国の『保険クリニック』でお客様にとって適切な保険選びをサポートしている。

*「日本初の来店型乗合保険ショップチェーン※」※店舗数11店舗以上または年商10億円以上をチェーン店と定義 東京商工リサーチ調べ(2018年6月)

『保険クリニック』へのご相談はこちら↓
https://www.hoken-clinic.com/

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この記事を書いた人

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