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生命保険の基礎知識

これさえ知っておけば、保険で失敗することはそうはない!

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家計の見直しの際に最初にやり玉に挙がるのが保険です。保険については以前から「もう、生命保険はいらない」「保険料を払うのなら貯金をしなさい」といった雑誌の特集や書籍がコンスタントに出ています。

これらの本では、払った保険料の元はとれない、保険料が高いあるいは、強引な保険セールスなどについて批判されています。もちろん、こうした批判は当然なところもありますし、日頃から貯金をして病気になったときには高額療養費制度を使えば、医療費はカバーできるかもしれません。しかし、病気などの医療費は突発的な出費で、高額療養費制度を活用しても、家計に負担がかかること間違いなく貯金だけでカバーできるとは限りません。

そもそも保険は確率で成り立っており、それを「元が取れない」というのは論外です。とはいえ、保険会社がいうように「保険は相互扶助で」というのもきれいごと過ぎるわけで、少ない負担で必要な保障を確保するかに過ぎません。
それには保険に入る側、私たち自信がしっかりとした保険に対する知識を持つことが重要です。

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保険の基本は3つの種類

一見すると複雑に見える保険ですが。その基本的な構造は3つの種類と次項の6つの保障内容を知っていれば、どんな保険でもだいたいのことは理解できます。

①定期保険
保険期間を10年、15年という年数や60歳までというような年齢で区切り、保障を一定期間に限定した保険です。
「掛け捨て保険」といわれる保険で、基本的にこのタイプの保険には満期金はありません。そのかわり安い保険料で、大きな保障をつけられるのが最大の特徴です。ただし、保険期間を終了して、同じ保障内容で保険期間を更新する際には、保険料が大幅に値上がりするといった面があります。

②終身保険
保険期間を限定せず、死ぬまで保障が続く保険です。死亡保険であれば、必ず保険金が受け取れます。保険料の払い込みは一定年齢で終わらせるタイプと一生涯続くタイプがあります。
保険料は、定期保険に比べて高く、次に説明する養老保険に比べて低い中間的な保険です。掛け捨て保険とは違い、基本的には解約した際に返戻金があるのがこの保険の特徴です。解約返戻金の戻り額を少なくしたり、なくすことで保険料を低くしたものあります。

③養老保険
定期保険のように保険期間は一定期間に限定されますが、満了した際には満期金が受け取れる保険です。また、払い込み途中で死亡した場合、満期金と同額の保険金を受け取る保険です。
貯蓄をしながら保障もついているのが、このタイプの保険の最大の特徴ですが、その分、保険料が高くなります。

このほかにも「定期付終身保険」「変額保険」「逓減定期保険」など、さまざまな名前のついた保険がありまが、これらの保険は、この3つの保険をベースにいくつかを組み合わせたり、積み立て部分の運用方法を変えたり、保険金の支払い方法を変えるなどしているものです。
どの保険がよいかの判断は、その保険の目的によって変わるといえます。
たとえば、子どもが高校生で、大学を卒業して社会人になるまでの万一の保障で保険料を安くしたいということであれば、その期間だけをカバーする「定期保険」。一生の保障が必要ということであれば「終身保険」となります。

次ページ ▶︎ | 補償の種類は6つ 

補償の種類は6つ

一方、保険を保障内容で大別すると、次の6つになります。

①生命(死亡)保険
加入者が死亡したときに保険金が支払われる保険。

②医療保険
病気やケガなどの際に支払われる保険。入院給付が基本です、保険によって金額に違いはありますが、手術費が出るものがほとんどです。

③特定疾病保険
がん、脳卒中、急性心筋梗塞など特定の病気の際に支払われる保険で「3大疾病保険」というのが代表的なものです。カテゴリーとしては医療保障に含まれますが、独立した商品として販売されています。がんだけを対象にしたものががん保険です。最近は、がん、急性心筋梗塞、脳卒中の3大疾病だけでなく、高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変などの疾病をカバーする、特定疾病保険も出ています。

④年金保険
公的な年金に対して、民間年金、個人年金保険といいます。受取金額、受取期間をあらかじめ設定した確定年金と、死ぬまで受け取る終身年金と2つのタイプがあります。
年金保険は前項の「養老保険」と混同しやすいですが、年金保険は払い込み途中で死亡した場合は、払い込んだ保険料の分だけが払い戻されるもの。、養老保険は払い込み途中で死亡した場合であっても、満期金と同額の保険金が支払われるという点で違います。

⑤介護保険
介護状態になった際に出る保険で、1回にまとまった保険金が出る「一時金型」、月々決まった保険金が出る「年金型」などがあります。

⑥損害保険
個人が関係するものとしては、火災保険、地震保険、旅行保険、自動車保険などがあります。最近では自転車で誤って人とぶつかってケガをさせたり、他人のものを壊してしまった、飼っている犬が噛みついてケガをさせてしまったなど、他者への損害を出してしまった場合に保険金を支払う個人賠償保険も注目されています。

こうした保障内容と前項で説明した3つの種類の保険を組み合わせて、さまざまな保険ができあがります。

「特定疾病保障定期保険」
→保険の種類=定期保険/保障の種類=死亡保険
特定疾病保険契約期間内にがん、脳卒中、心筋梗塞などの特定疾病にかかったときの医療保障と、死亡した場合、保険金が支払われる掛け捨ての保険

「終身医療保険」
→保険の種類=終身保険/保障の種類=医療保険
死亡するまで一生涯の間、医療保障がついている保険

また、新聞やテレビのニュースなどで「第三分野の保険」などという言い方を耳にしますが、これは、保険について定めた「保険業法」をもとにした分け方です。

第一分野は生命保険会社が販売する保険、第二分野は損害保険会社が販売する保険、第三分野は生保、損保の区別がなく販売できる保険になります。保障内容別に大ざっぱに区分すると次のようになります。

第一分野=①死亡保険、④年金保険
第二分野=⑥損害保険
第三分野=②医療保険、③特定疾病保険、⑤介護保険

わかりやすくいうと、自分が死んだときや、年を取ったら受け取れるのが第一分野。他人やモノへの保障が第二分野、自分が病気などになって生きているときに受け取るのが第三分野と考えると、わかりやすいでしょう。

いずれにしても、保険はこれらの基本パターンの組み合わせで、万一の際に受け取る保険金額、条件などによって支払う保険料が決まります。まずはそれがどんな保険に分類されるかを把握し、そのうえで個別の補償内容を見ることがポイントです。

 

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この記事を書いた人

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