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離婚を迷っているあなたへ  家族全員のダメージを最低限に

しばはし聡子しばはし聡子

2020/07/28

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イメージ/123RF

■あなたの心は今どのステージ?

あなたは今どのような状況ですか。夫婦関係を修復したいと思っている人、離婚が頭をよぎっている人、具体的に離婚を計画している人、すでに別居や離婚している人もいれば、どうしたいのか自分自身でも分からないという人もいるでしょう。

「夫に優しくされたい、愛されたい」という願望に応えてくれない夫へ不満が溜まっているという人もいれば、夫のことを生理的にも精神的にも受け付けることができず、いやでいやで仕方ないけれど、子どものために波風立てない方がよいと結婚生活を続けている人もいるかもしれません。

夫婦だけだったら、財産の精算だけして、さっさと離婚することもできるでしょう。離婚後も自分ひとりだけ生きていく分ならなんとでもなります。しかしながら、子どもがいるとなるとそう簡単に決断はできません。

「父親のいない子どもにしてしまっていいのか」「果たしてひとりで育てられるか」「経済面が心配」「養育費はちゃんともらい続けられるのか」など不安は山積です。どれも、なかなかハードルの高い不安要素ですよね。

■選択肢を広げよう

離婚したからといって必ずしも幸せになれるとも限りません。ストレスの根源だった夫と一緒に暮らすことはなくなったとしても、子どもがいる限りは親同士として関わっていかなくてはなりません。残念ながら完全に縁を切ることはできないんですよね。

それでも、夫婦の不仲が家庭内で露呈され、子どもがビクビクしていたり、ご自身の精神面があまりに不安定になってしまうようであれば、離婚か修復の二択だけではなく、いくつかの選択肢を知っておくとよいでしょう。

・修復

「もうダメ」と見切りをつけるその前に、修復に向けてできることがまだ残っていないかできる限りのことはやってみましょう。まずは、修復のための試みとして、あなたが思い詰めていることや求めていることを夫に伝え、夫がどう感じているかを聞くところから。夫の姿勢によって気持ちが整理できるかもしれません。

ますます惨めな想いをするかもしれないと思うと投げ出したくなりますが、「やれることはすべてやりきった」と思えると今後の決断に後悔がなくなります。ひとりで抱え込まずに心の専門家などの第三者に相談するのもひとつです。後に出てくる「相談相手選びは慎重に」を参考にしてください。

・継続

修復できるに越したことはありませんがハードルが高い場合は、修復にパワーを注ぐことはないけれど、同居生活を継続する方法です。子どものためやお金のためと割り切って、自分は自分で生活を楽しむ、できるだけ接点を子どものこと以外で持たない、口論もしないといういわば快適に仮面夫婦を続けるという選択です。

離婚をするには経済的自立が必須です。自分自身で自活に向けた稼ぎの見通しが立てられない、子どもを育てながら働くことに自信がないという人は、感情だけで離婚へ先走るのではなく、いかに快適に仮面夫婦生活を過ごせるかを考えるのが建設的です。

夫婦関係の修復は困難な場合は、いずれ離婚の選択をできるように、同居中に資格を取ったり仕事をしたり経済的自立をはかるようにしていきましょう。不思議と仕事などやりたいことが見つかると、夫への不満を考える時間がなくなり、また、視野が広がることで魅力的になると夫婦関係がよくなるといったこともあるかもしれません。選択肢を広げられるように準備しておくのもいいでしょう。

・別居

同居生活の継続が難しい場合の選択肢が「別居」です。どっち付かずでモヤモヤするのではないかと思う人もいるかもしれませんが、経過観察やいずれ選択するであろう離婚に向けた徐行運転という意味でも有効です。離れて暮らして精神的に安定するのか、逆に生活への不安などから気持ちが不安定になるのか、自分自身の気持ちを確かめる時間にもなります。

ただ、別居は当然のことながら、家賃や光熱費など費用がかかりますので経済的な見通しも立てた上で行うのが理想です。また、修復の可能性も残しておきたいのであれば、別居をする際には夫に内緒である日突然夜逃げのように出ていくのではなく、きちんと話し合った上で別居をすることが賢明です。

そして、肝心なのが子どもの気持ち。子どもにとっては別居も離婚も親と離れることには違いがなく、別居の時点で大きなダメージを受けることになります。子どもを連れて別居を考えている場合は、学区を変えずに転校しなくて済むようにするなど、子どもの環境を極力変えないようにする配慮も必要です。遠方の実家へ引っ越すことなどを想定している場合は、子どもへのダメージをきちんと把握した上で計画を立てましょう。

・離婚

最終的な選択肢が「離婚」です。夫婦関係を完全に解消することで夫との関わりから解放され、あらたな人生を歩み出すことができるため、精神的な解放感は大きいです。

ただ、離婚しても元夫とは子どもの親同士として関係が続いていくので、いかに争わずに離婚し、その後どうやってストレス少なく関わっていくかが離婚後の人生をハッピーにできるかどうかのキモになっていきます。

◯家族全員のダメージを最小限に

迷いがあるうちは、同居生活を継続しながら別居や離婚をシミュレーションしてみるとよいでしょう。また、選択をできるためには経済的な自立をしておくことは必須です。仮に離婚を選択した後に待ち受けているのが貧困生活というのでは本末転倒。

また、離婚しても養育費や国から支援をもらって生活しようと楽観的に考えている人もいるかもしれませんが、養育費はあくまで子どもの養育にかけるものですから生活費は自分で稼がなくてはなりません。自活できる自信ができてから別居や離婚の選択をすることが望ましいです。

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この記事を書いた人

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️

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