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【インタビュー】「離婚で子どもに負担をかけているのに、パパとの時間を私が奪うことはできない」

しばはし聡子しばはし聡子

2019/09/11

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イメージ/123RF

さまざまなカタチで離婚後も両親で子育てを行っているママの実体験を記事化したシリーズ。今回は、いつも大事にしたいのは「子の利益」と話すママを直撃インタビューしました。

■現在、どんなカタチで共同養育を行っていますか。

「平日は私が、土日は元夫が子どもを養育する」これが離婚時に決めた基本ルールでした。子どもが小学1年生の時に離婚したのですが、土曜日朝10時に元夫がお迎えに来て(小学校がお休みなので)日曜日の19時にこちらに帰ってくることになっています。たまに帰宅時間が遅くなることもありますが、夕食を子どもがどちらで食べるのか等は、逐一メールやLINEで報告してもらう形をとっています。

今は子どもも中学生になり、土曜日も学校があるので、夕方、最寄り駅で待ち合わせをしています。子どもも成長してきて、今週末はお友達と遊びたいとか、疲れたから週末は移動したくないと言うこともあり、そこは子どもの自主性に任せています。但し、そういう時も、必ず子ども自らが元夫に対して伝えるようにさせることを意識しています。

■共同養育をするようになった経緯をお聞かせください。

それが、元夫からの離婚時の絶対条件だったからです。親権と面会交流についてはどうしても譲れないという相手の意思が強く、私もパパと子どもが毎週会うことはとても良いことだと思っていたので、そこは全く争点にはなりませんでした。親権は父親に、監護権は母親に分属することも揉めることなく決めました。

■共同養育するにあたり困っていること、困っていたことはありますか。

共同養育には元夫婦間のコミュニケーションが必須となります。時には子どもが体調を崩したり、渋滞などで遅れること、学校行事でお休みがずれること等…連絡しなければならない事が多いからです。

離婚時に、私は元夫との生活について、精神科医から「適応障害」と診断を受けたこともあり、「元夫とコミュニケーションをとるのはなるべく避けたい…」というのが本音でした。でも、ただでさえ離婚という事で子どもに負担をかけているのに、パパとの時間も私のわがままで奪うことはできませんでした。いつも大事にしたいのが「子の利益」だからです。

本当は離婚などせず、夫婦いつまでも仲良くいてあげられたらそれが1番だということは重々分かっており、それが果たせなかった反省と責任をいつまでも忘れず、自分の気持ちはある程度押し殺し、今の状況で子どもへの最大の利益を考えて生活しています。

■お相手がどんなことをしてくれたらうれしいですか。

今の状況で十分やってくれているので、これ以上望むことはありません。マメにご飯も作ってくれているようですし、その様子を3人(元夫・子ども・私)のLINEにのせてくれたりもします。

たまに仕事や行事等で週末もこちらで養育を、とお願いされることもありますが、彼のほとんどのプライベート時間を子どもに費やしてくれていると思います。本当にいい父親をしてくれていると思います。

■共同養育はどんなメリットがありますか。お子さんはもちろんご自身にとっても良いことがあれば教えてください。

1、子どもの教育について、お互い冷静に話し合いができたことです。きっと夫婦のままではこうはいかなかったと思います。お互い他人になってしまった故、きちんと社会人の大人としての線引きもでき、意見が食い違っても怒鳴られたりすることもなく、冷静にこちらも意見ができました。

2、平日は私が子どもに対してガミガミと言っているので(笑)、休日は元夫のもとで、子どもものびのびとできているのではないかと思います。それに、元夫とも密にかかわることで、趣味の幅が増えたり(二人でよく映画を観るようです)、私だけではフォローできないこともしてもらえたりと、子どもの世界も広がっているような気がします。

3、私自身の自由時間が持てることです。母親業にお休みはありませんよね。でも共同養育をしていると、少しだけ1人になれる時間がもらえます。その時間を友人との食事に使ったり、勉強をしたりと、本当に有意義に過ごせています!!

■お相手との関わりにおいてご自身が心がけていることはありますか。

「必要なことは共有する」「参加できるものには参加してもらう」これを心がけています。共同養育をするのだから当たり前だと思われると思いますが、色々あっての離婚なので、当たり前がとても難しかったりします。

元々中学受験に反対だった元夫と、推奨していた私とでは当然教育についてもひと悶着ありました。でも、これを何とか乗り越え、無事に中学受験を終えることができたのは、必要なことは共有してもらい、共に参加してもらったからこそだと思います。

いつでも元夫には、傍観者ではなく「当事者」になってもらえるよう、色々と勇気を出してコミュニケーションをとっていました。そのおかげで、中学受験が「私の望み」ではなく「子どもの声や希望」と捉えてくれるようになり、最後には一緒に応援をしてくれました。合格が分かった時はとても喜んでくれたようです。

■ご自身のこれからの夢やビジョンがあれば教えてください。

共同養育がまだまだ普及していないということを今回初めて知りました。離婚という状況になってしまったら、一番目指すべきところは「共同養育」だと、共同養育を7年以上経験している私は強く思います。それには元夫婦、それぞれが努力し合う必要がありますが、頑張った分素晴らしい点もたくさんあります。

これからもシングルマザーとして女性の味方であり続けられるよう頑張っていきたいと思っていますが、新たな課題として共同養育普及も視野に入れて、より一層世の中のお役に立つ仕事をしていきたいと強く思っています。

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この記事を書いた人

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️

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