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ウチコミ!タイムズ

旅行や出張とは異なる「滞在体験」を叶えるアレコレ

自宅を離れて「住む」のに最適な滞在先は?

馬場未織

2016/01/04

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マイクロステイ新しい滞在の形

 在宅勤務やノマドワークのスタイルに慣れたら、いよいよ都会を離れてみましょう。まずは1週間からでもいい。いつもとまったくちがう環境に身を置いて、仕事とプライベートにどんな充実感を覚えるか、あるいは何か課題が見つかるか実験してみるのです。

 計画の出だしでつまずきがちなのが滞在先選び。短期滞在に使える賃貸住宅はほとんどありません。すぐに思い浮かぶのはウィークリーマンションですが、地方といえども交通至便な立地にあるのがふつうですから、リラックスした環境で過ごしたいというニーズには不向きです。その上、わざわざ自宅を離れて狭いワンルームマンションに暮らすのは気持ちが上がりませんね。

 観光や出張用の宿ならどこにでもありますが、ホテルや旅館暮らしで食事はすべて外食といった生活では、旅行気分になってしまい「住む」実験になりません。そこで注目したいのが「microstay(マイクロステイ)」という新しいサービスです。

 現在提供されているのは湘南エリアと福岡県の糸島のみですが、近く金沢も加わる予定だそう。東京在住者にとっては湘南であれば、もしどうしても必要なことがあれば都心に出るのも簡単なので、お試し移住の入門編として、立地的にもちょうどいいでしょう。

「里山オフィス」でクリエイティブなワークライフバランス

 日本のほぼ中央に位置し、四方を山々に囲まれた飛騨地域の里山に、期間単位で一軒家をまるごと借りられる物件があります。その名も「里山オフィス」。いかにも飛騨地方らしい民家には、自然との調和をはかる匠の技が生きています。同時に、仕事が持ち込めるようオフィス機器を備え、仕事場でありながらクリエイティブな生活の場として活用できるつくりになっています。

 このオフィスができた背景には、ご多分にもれず飛騨地方でも進んでいた高齢化があります。地域には歴史的価値のある古い民家が多いものの、約2割は空き家、3割以上の家は2人以下の居住で、居住者の多くが維持していく負担を重く感じていました。そこでなんとか有効活用できないかと「飛騨里山オフィスプロジェクト」が発足し、他地域の人に生かしてもらう「里山オフィス」が誕生したのです。

大手企業も注目する里山でのテレワーク

 この里山オフィスには、大手企業も注目しています。2015年の夏、日本マイクロソフトは全国651の法人に呼びかけて「テレワーク」を推進するキャンペーンを行いましたが、その一環で、同社の社員11名が4泊5日、飛騨の古民家に滞在しながら自らテレワークに取り組みました。

 電話やパソコンでの顧客サポート業務などに携わる社員が、普段は東京オフィスで行っている通常業務を実践したとのこと。空いた時間には地域ボランティア活動や、街づくり会議にも参加したそうです。同社では今回の経験をもとに、テレワークでサポート業務を行うための環境づくりに取り組むと報じられています。大企業が後押しすることで、こうした取り組みは確実に増えると期待されます。移住や二地域居住の足がかりになる場所が増えれば、新しい働き方・暮らし方へのハードルがますます下がっていくでしょう。

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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