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ルーマニアなど東欧諸国の“お宝”探しも!

ヘレンドやジョルナイの陶器も! ブダペストの「蚤の市」でアンティークなお宝探し

パップ英子パップ英子

2016/09/04

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アンティークに興味があるなら必見! ブダペストの蚤の市


(c)FinoMagazin ( http://www.finomagazin.com/ )

前回の記事でもご説明しましたが、ドナウ川をはさみ、王宮のある閑静なホームタウンのブダ側と、商業地・繁華街として賑わうペシュト側の、それらふたつの街が橋で結ばれて形成されているのが、この国の首都ブダペストです。

世界遺産都市にも指定されるほど美しい街並が自慢のブダペストですが、今回は、アンティークに興味がある方にぜひご覧いただきたい、ブダペストで開催されたイベントをご紹介します。

それは、ペシュト側のブダペスト7区にある、Klauzál tér(クラウザール通り)の市場で開催された蚤の市(アンティーク・フェア)です。

スロヴァキアやルーマニアなど東欧諸国の“お宝”も


(c)FinoMagazin ( http://www.finomagazin.com/ )

写真は、クラウザール通りの市場で開催された蚤の市の様子です。来場者がコート姿なのは、筆者が取材撮影した時期が今年の春だったため。イベント開催時からだいぶ月日が過ぎていて恐縮ですが、現地の人しか知り得ない蚤の市にこそ、素晴らしいお宝が眠っていることをお伝えしたくて、今回、取り上げてみた次第です。

フェアの会場は1階と2階に分かれ、写真の中央は1階部分です。このように中央部分が通路となっていて、その両側には、所狭しとブースが並んでいました。写真の両サイド、中央部分に通路のようなものが見えるのがおわかりでしょうか? これが2階部分なのですが、ここにもさまざまなブースが並んでいました。

ブダペスト市内の人々はもちろん、首都近郊に暮らすハンガリー人が多く来場するクラウザール通りの蚤の市。このイベントでは、ハンガリー国内の掘り出し物はもちろん、スロヴァキアやルーマニアなど近隣の東欧諸国の“お宝”探しも可能です。

どんなアンティークの逸品に出逢えるのでしょうか? そんな期待感を抱きながら、早速、入り口付近のお店から時計周りに見ていくことにしました。


(c)FinoMagazin ( http://www.finomagazin.com/ )

可愛らしい陶器製のミニチュアや手前左はピアス、そして銅器の品が並んでいます。手前にあるこの銅製の品は灰皿、その隣は香炉でした。


(c)FinoMagazin ( http://www.finomagazin.com/ )

これは、以前にも当コラムでご紹介したことがある、ハンガリー名産の“カロチャ刺繍”です( http://sumai-u.com/?p=5108 )。カロチャ刺繍の特長は、花柄モチーフが主で、レース状に仕立てていること。手前はコースター、ミニクロスが並んでいました。

あまりに可愛かったので、迷う間もなくコースターを数枚、購入してしまいました。

ハンガリーの名釜ジョルナイやヘレンドなどのお宝も見つかる!


(c)FinoMagazin ( http://www.finomagazin.com/ )

テーブルから落ちてしまいそうなほど、たくさんの陶器が並んでいます。名もない陶器もあれば、よく見ると、写真左側に虹色に輝く不思議な器が見えますよね。

この灰皿はZsolnay(ジョルナイ)のもので、ハンガリーではHerend(ヘレンド)と並ぶ名釜の陶器ブランドです。この虹色に輝かせるための塗料とその製法は“エオシン”と呼ばれ、ジョルナイ独自の優れた技術として世界的に知られています。

蚤の市に行くと必ず、ハンガリーの2大陶器ブランド、ヘレンドとジョルナイのお宝を見つけることができます。これらのお宝は、人から人へと主人が変わってきた品物です。そのため、正規価格からすると、ありえないプライスだったりします! やはり、蚤の市の最大の魅力は、なんといってもお値段の安さですよね。

ブダペストのペシュト側には、海外からの観光客がよく訪れるショッピングエリアがありますが、そのエリアにある各ブランドショップやお土産屋さんで購入すると、ほぼ正規の価格、またはそれ以上に高額だったりします。

名釜の陶器をコレクションしたいとき、ハンガリーの人々はブランドショップで購入することはまずなく、このように掘り出し物が多い蚤の市にまめに足を運んで、お気に入りの品を見つけるのが一般的です。

知られざる名釜、ホローハーザとは?


http://www.hollohazi.hu/markajelzesek.php

実は、いまご紹介した写真のなかに、日本ではまだ馴染みのない、知られざる名釜の製品があります。それは、Hollóháza(ホローハーザ)というブランドです。

「ホローハーザ」とは、ハンガリー語で「カラスの家」という意味。同ブランドの製品には、このようにカラスのロゴが刻印されています。

そんなロゴの絵柄のように、この名釜はカラスの住処ともいえる、山深い里にあります。それがブダペストからウクライナに向かってスロヴァキアとの国境にも近い村、ホローハーザ。ブランド名と同じ名前の、大変のどかな小さな村で生産されています。

そのような環境を映し出すかのように、ペイントされる絵柄にも草花や蝶など自然をモチーフにしたものが多く、色使いもシックで落ち着きがあるのが特長です。

ホローハーザの陶器は、ヘレンドやジョルナイのおよそ三分の一程度の価格帯のため、ほとんどのハンガリー家庭では、ホローハーザのティーカップセットなどをそろえていますね。そのくらい、この地では国民に親しまれている陶器ブランドなのです。


(c)FinoMagazin ( http://www.finomagazin.com/ )

ハンガリーの陶器ブランドといえば、日本国内だとヘレンドが一番有名かと思います。このようなハンガリーの蚤の市に足を運ぶと、ヘレンドはもちろん、いま、ご紹介したホローハーザやジョルナイの名器にもたくさん出逢えるのが嬉しいですね。

この美しい花瓶はおそらくジョルナイ製ですが、それらのどのブランドも、草花といった植物をモチーフにした絵柄が圧倒的に多いため、どの名釜か見分けるのもなかなか苦労します。


(c)FinoMagazin ( http://www.finomagazin.com/ )

陶器のエリアから、紳士のたしなみ的な製品が多いブースへ移動してみました。すると、初老の紳士が出しているブースには、自身の書斎で書き物をするのに便利な、万年筆やボールペン、長方形の虫眼鏡、インク等がこのようにセットになったものもありました。

この木製のトレーにはフォトスタンドも含まれていて、亡くなられた奥様なのか、初恋の方なのかわかりませんが、このように想い人の写真を眺めながら、筆を走らせるというのも、なかなか趣があるものですね。

ハンガリー、ブダペストの街で掘り出し物を探しに足を運んだ蚤の市ですが、ペシュト側の名物行事ともなっているだけあって、予想以上に素敵な品々が並んでいました。ほかにもまだまだ、たくさんの“お宝”に出逢えるはずです。

このレポートの続きは次回のコラムで。どうぞお楽しみに!

★★★こちらも併せてお読みください★★★
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この記事を書いた人

“FinoMagazin”(フィノマガジン)主宰(編集長)

ハンガリー在住コラムニスト。 食品会社でワインインポーター業務に従事した後、都内の広告代理店に転職。コピーライター、ディレクターとして勤務。百貨店やデパート、航空会社、ベビー・ブランド等のクリエイティブ広告で、インテリア製品のコピーライティング、ディレクション等を数多く手がける。 2013年、夫の国ハンガリーに移住後も育児に奮闘しながら執筆業に邁進。日本の雑誌(出版社)でハンガリー紹介記事(取材・撮影・文)を担当。また、自身とハンガリー人クリエイターとで運営するブダペスト発ウェブメディア“FinoMagazin”でもインテリアを含めたライフスタイル全般コラムを連載。美容メディアにてビューティ・コラム連載、その他、企業のWEBサイトや企画書制作、日本のTV局、広告代理店、メーカーからの依頼でハンガリー現地ロケ・コーディネート等、多岐に渡る業務をこなしている。 自身主宰のハンガリー情報WEBメディア “フィノマガジン” http://www.finomagazin.com/

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