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ウチコミ!タイムズ

単発イベントや1泊2日の短期から1カ月〜半年の長期まで

大人だってインターン―いざ、移住体験へ!

馬場未織

2016/01/04

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7日間からの漁村留学

 旅行で訪れた先で息をのむような景色に感動し、毎日こんな景色に囲まれて暮らしたい―そんなきっかけで移住に興味を持つ人も多いかもしれません。

 でも、当然ながら観光客として「訪れる」ことと、生活者として「住む」ことはまったく別です。とくに「あこがれの地」への移住自体が目的になってしまうと、当初の目新しさが薄れたときに、「いったい何をしに来たんだっけ?」と目標を見失ってしまうこともあります。また、地方の暮らしには、昔から決められている生活上のルールや地域活動が多くあり、都市での個人主義的な自由な暮らしとはずいぶん違うため、最初はとまどう場面も多いはずです。

 移住してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように、生活者気分を味わいながら、地域にかかわる仕事に挑戦をしてみて、どんな暮らしが合うのか試してみてはどうでしょうか。そうした目的にうってつけのインターンプログラムを紹介します。

 第一次産業のなかでも、農業体験の機会は見つけやすいのですが、漁業となると案外多くありません。そんな漁業の体験を、しかも1週間という短期間からできる珍しいプログラムが「イマ、ココ プロジェクト。」です。1週間だけなら、会社勤めの人でも有給をとって試すことができそうです。

 舞台は宮城県の石巻市。東日本大震災で、海の仕事をあきらめかけていた漁師たちがもう一度立ち上がって、本格的に漁業を取り戻そうとしています。そうはいっても、もともと過疎化や高齢化の進んでいた地域です。まずは人を呼び込もうという思いで生まれたのが本プロジェクトです。

 キャッチコピーは「7日間からの漁村留学」。主な仕事は、牡蠣、海苔、ホタテなど各種養殖の準備や収穫、加工出荷作業などですが、当然ながら季節に応じて変わります。期間中は漁村に泊まりこむため、単に漁業のお手伝いをするだけではなく、浜の生活や文化にどっぷり浸かることができます。漁師をナリワイにするかどうかはともかく、海辺の生活に憧れている人なら、きっと得るものが多いはずです。

 応募条件は「16〜65歳の元気な男女」。これまで累計727名(2015年2月末付)もの参加があるといい、十分な実績のあるプログラムなので、田舎初心者でも安心して参加できそうです。

http://www.imacoco.pbv.or.jp/index.html
http://inaka-pipe.net/intern/imacocopj/

高知の農山漁村で起業への足がかりを

 田舎で現地の自然資源を生かした起業をしたい! そんな熱い思いを持つ人にオススメなのが「いなかビジネス教えちゃる!インターンシップ」。高知の農村漁村に住み込んで、農業者・漁業者・商業者・観光事業者・デザイナーなどの下で「いなかビジネス」を手伝い、新ビジネスの方向性を探ってみてはどうでしょうか。

 具体的な研修内容は、農作業や加工、産品販売などの農業系、漁師や鮮魚店の経営を学ぶ漁業系、四万十川のある高知ならではの川遊びをテーマにした観光業系まで幅広くラインナップ。希望に応じてコーディネーターがしっかりマッチングしてくれるので安心です。

 期間はちょうど1カ月。会社勤めの人には少し休暇が取りにくいかもしれませんが、逆に時間に余裕のある人なら、期間を延長しての複数の研修に継続参加することもできるようです。

 「興味はあるけど、そんな長期間はとてもムリ!」という人には、1泊2日の「チラ見ツアー」もあります。ごく短期間ながらも、いなかビジネスの先駆者に出会い、志に触れ、ビジネスの現場を見学できるそうです。これだけでも、ただ迷っているだけとは大違い。移住生活への大きな第一歩です。

http://inaka-pipe.net/intern/program01/

「限界集落」を克服した集落に学ぶ

 新潟県十日町市にある池谷・入山集落は、ほかの中山間地域と同様に過疎化が進行していました。その上、2004年の中越大震災で大きな被害を受けましたが、支援に入った国際協力NGOによる地域おこしの甲斐あって、徐々に元気を取り戻してきています。ボランティア活動をきっかけに、都会から家族で移住する人が出てくるなどして「限界集落」を脱却しました。奇跡の復活を遂げたのです。

 十日町市で体験できるのは、十日町市内全域の中山間地活性化に向けたコーディネートや池谷・入山集落内での生業づくり、中心市街地での6次産業化、古民家再生など。冬場に行けば、豪雪地帯ならではの生活の知恵や独特の文化も満喫できそうです。

 受け入れ期間は1カ月から半年と、現役社会人にはややハードルが高いのですが、就業時間は週35時間のフレックスタイムで週2日が基本とのことなので、インターネットで仕事ができるフリーランスの人なら挑戦できるかもしれません。

 プログラムを主催するNPO法人「十日町市地域おこし実行委員会」では、折々に農業体験「田んぼへ行こう!」など単発イベントも開催しているので、少しでも興味があれば、そうした機会に訪れてみてはいかがでしょうか?

http://inaka-pipe.net/intern/tokamachi-internship/
http://iketani.org

 こうしたプログラムのよさは、何よりも都会の人を歓迎するムードで行われていることです。実は人の輪に入るのが苦手な人でも、うまく溶け込めるように配慮されていて、地元の人との触れ合いも経験しやすいのもうれしいポイントです。まずは、こうしたプログラムから興味のある地域や活動を探してみるのもいいでしょう。

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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