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衝撃! 賃貸住宅内で豚を解体――賃貸住宅でトラブルを防ぐ4つの掟(1/2ページ)

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文/朝倉 継道 構成/編集部 イメージ/©︎nobuyuki kurosawa・123RF

こんなことが本当に? 賃貸住宅内での豚解体事件

人が亡くなったり、大怪我をしたということはない。だが、賃貸住宅オーナーにとって衝撃的な事件が、この10月、11月にかけ、群馬と埼玉で相次いで発生している。

日本に住むベトナム人による賃貸住宅内での豚解体事件のことだ。それ以前に起きていた、一連の家畜・農産物窃盗事件と関わりが深い可能性がある。

そのひとつ、群馬県太田市では、アパートから大量の豚肉のかたまりが発見された。これに関連して、ベトナム国籍の技能実習生4人が、10月28日に畜場法違反容疑で逮捕されている。

また、埼玉県上里町のアパートでも、近隣住民の通報が発端となり、物件内で豚の解体が行われていたことが発覚している。これも畜場法違反の疑いで11月1日にベトナム国籍の男が逮捕されている。

なお、後者では、作業は浴室内で行われたという。その際に付着したものかは不明であるが、かなり汚損したバスルームがメディアの映像に大きく映し出されるなどしている。

ちなみに普段、精肉店やレストランで、いわゆる「肉」しか目にしない私たちには、なかなか想像が及ばないが、動物の解体というのは、およそ生半可な仕事ではない。

割けば血が出る、あらゆる体液や内蔵も溢れ出る。糞も尿も流れ出す。それが、私たち人間も含めた命ある動物のカラダだ。逆にいえば、出てくるものをしっかりと出し分け、適切に処理する作業こそが動物解体の肝心要なところである。

そして、それを受け止め、処理できるだけの施設も設備も、日本の賃貸アパートやマンションにはもちろん備え付けられてはいない。

「風呂で動物を解体するなんて、排水口の中はどうなってしまったことだろう。臭いは? 脂は? なんともすごい場所ですごいことをやってくれたものだ」

大半のオーナーにとっての偽らざる心境は、このようなところではないか。

しかしこれをもって、「外国人には部屋を貸したくない」と考えるのは早計だ。なぜなら、現在日本で暮らす、技能実習生をはじめとするベトナム人は、42万人にも及ぶ(2020年6月末現在・出入国在留管理庁公表)。これは、宮崎市や高松市の人口を超える数だ。山梨県全体の人口の半分以上ともいえる。

これほどの数のうち、盗んだ、もしくは盗まれたであろう家畜を自宅でさばいたり、違法に売ったりしていたような人物は、今後増えたとしてもおそらく数十人程度だ。ほかにも、ベトナム人に関しては、窃盗事件や薬物事件で名前が挙がることもたびたびあるが、それらを合わせたうえでも、罪を犯す者はほんのわずかに過ぎない。

さらに、ベトナム人だけではない。

現在、日本に在留する約79万人の中国人、約44万人の韓国人、約28万人のフィリピン人など、ほとんどの人は真面目に働き、人手の集まらない現場を埋めるなど、日本の産業を支える重要な担い手になっている。そのことを決して忘れるべきではない。

そして外国人を賃貸住宅に迎えるにあたって、ぜひ心がけたいキーワードがある。それは、「先に伝える」「先に納得してもらう」ということだ。

何を伝えるのかといえば、それは日本の賃貸住宅で暮らすうえでのルールや、必要なマナー、または常識などだ。簡単なことではあるが、外国人入居者の絡んだ物件内でのトラブルのほとんどは、これらについて「先に伝えず」「納得を得られていない」ケースで起こっている。

最も注意しておきたい定番ともいえる4つの掟を挙げてみよう。

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