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賃貸閑散期の入居者募集を乗り切るためのノウハウ(1/2ページ)

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今年も入学・入社の春を迎え、季節も活動的な雰囲気に満ちています。街中には、新入生・新社会人もたくさん見かけますね。そんな中、賃貸業界は逆風のゾーンにいよいよ入ってきた感じが強まっています。

そもそも、賃貸住宅業界の繁忙期は、カレンダーを見ればわかる通り「人の異動」のシーズンと同機しています。それはそうですね。新入学・新入社に合わせた移動・引越しはもちろんの事、会社などを見ても、異動のシーズンでもあるわけでそこに伴う引越しも、日本全国で一斉に発生しているからですね。皆さんもそんな事は先刻ご承知の事と思います。

しかし、この時期に盛り上がった分だけ、その後の落ち込みが激しいのも本当のことで、更にその後に続くシーズンが以下です。

5月「ゴールデンウィーク」・・・言わずと知れた春最大の観光シーズン!
6月「梅雨枯れ」・・・天候の悪さから人の動きも終息、ボーナス前の財布の固さ等の影響!
7月「夏枯れ」・・・ボーナス支給、夏最大の観光シーズンの到来!

という様に、ウッカリしているとその後3カ月にも及ぶ「賃貸業界の冬」を迎えてしまうのです。

一口に3ヶ月と言いましても、1年の1/4にも及ぶ期間です。この時期までに、空室を解消できていない大家さんは、深刻ですよね。

そんなときなので、今回から数回に分けて「空室対策」の為に、分かりにくい賃貸業界の内情から活路を見出すお話しを展開して行こうと思います。

■第一回目【お客さん(入居希望者)の考え方、動向】のお話し

冒頭でもお話ししました通り、賃貸業界最大の繁忙期は終わりました。しかし、転居する方は全くいなくなるわけではありません。消費者の心理から言えば、オンシーズンのさ中に賃貸住宅を探すのは、競争も激しく、大家さん側も強気・・・。という様に、決して入居希望者側に有利な展開とはなりません。

時差通勤のように、あえて時期を外して転居を考えている方もいます。更に、競争がなく条件交渉が出来るメリットなども多くなるわけですから、そこを狙ってくる消費者もいる訳です。

そして、興味深いデータもあります。20年程前の賃貸契約では、新規賃貸契約の契約者の賃貸期間は、6割以上が3年超の期間住み続ける方が大勢を占めていましたが、最近のデータでは2年を超えない期間の契約者が、非常に増えています。

そして、この数字は年齢が若い方ほど顕著である事。

ある程度の年齢層の方が、長くお住まいになるのはわかり易いですね。なじみの環境を変えたくない、生活を変えたくない、友人知人と離れたくない・・・等、理由も想像がつきやすいです。

■では、若い方の転居が頻繁になっている理由は?

こちらも簡単に「これが!」とは言い切れませんが、下記に列記して行きます。

若い世代の人々は、昔の世代のように「自家用車」を持つ等の経済的な負担が無い。
転勤・転職を含めた就業体系もバラエティになっている。(負の側面もあると思われます)
現住居の更新料などの負担を無駄に思う。
現住居の入居後に「不満」や「こんなはずではなかった」が噴出している。
離婚・別居などの確立も高くなっている。

他にも理由はたくさんありますが、世の中の移り変わりを「目の当り」にした様に多様な状況が生まれています。実際、転居に対しても一昔前の転居とは「ずいぶん変わってきている」感じを受けます。

今住んでる地域を簡単に変えることが出来る。
知らない土地でも抵抗感を持つ人が少なくなっている。
そもそも、住むところを変える事で気分転換を図ろうとする方々もいる。
インターネットの発達で、不動産屋さんに行かなくても情報の取得が自由。
敷金・礼金などの契約金が一時期に比べて軽くなっている。

という様な感じです。大家さん側から見て、有利な一面ばかりではありませんが、過去の状況に比べても消費者の動向が変わってきているのがわかります。

次ページ ▶︎ | では、この閑散期に「大家さんの空室対策のターゲット」になりやすいと思われるのは・・・?

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この記事を書いた人

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