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牧野知弘の「どうなる!? おらが日本」#11 マンションに住むなら高層階と中層階、どちらを選ぶべきか(1/4ページ)

牧野 知弘

2019/08/21

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イメージ/123RF

タワーマンション 高層階のデメリット

タワーマンションの高層階は、眺望の良さや相続税対策としての節税にも利用できるということで、大変な人気を呼んでいる。また高層階は価格も高く、資産性もあるのではないかとの思惑も高層階の選択に拍車をかけている。だが高層階に実際に住むとなると、意外とデメリットがあることに多くの人は気づいていない。

駅から徒歩5分の立地であっても、高層マンションの場合、敷地が広く、敷地入口からマンション棟にアプローチするまでに数分かかる。さらにエレベーターで高層階に到達するまでにも時間がかかる。駅徒歩5分が、プラス5分程度は平気でかかってしまうのだ。

特に朝方の通勤通学の時間帯になると、各住戸から住民が吐き出されてくるのでエレベーターは大混雑。高層階から各階停車の状態ともなると、いつもの倍くらいの時間がかかることもある。高層階は決して「便利」ではないのだ。

最近の東京の湾岸エリアのマンションになると、建設当初にこれだけ多くのタワーマンションが建設され、住民が増えることを予想していなかったために、たとえば湾岸エリアにあるタワーマンション街の足、都営大江戸線では、出入口の階段が細く、また駅が非常に深いために、結局、高層階の住戸から駅のホームにたどり着くのに15分以上かかるという笑えない話になってしまっている。

また、高層階は基本的に洗濯物を外に干すことはできない。風が強いために窓を大きく開口することができないからだ。さらに風の強い日などには少し「揺れ」を感じる。実は高層オフィスなどでも日中は常時わずかに揺れているのだが、勤務中にこれに気づく人は少ない。だが、マンションは就寝するのでこのことに気づく人は格段に増えるのだ。人間にとって、地面から高く離れて住むという行為は、あまり自然な状態とは言えないようだ。住んだ当初は、この小さな「揺れ」で悩む人も多いと聞く。もちろん大地震などの時の揺れはその比ではないだろう。

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この記事を書いた人

株式会社オフィス・牧野、オラガ総研株式会社 代表取締役

1983年東京大学経済学部卒業。第一勧業銀行(現みずほ銀行)、ボストンコンサルティンググループを経て1989年三井不動産入社。数多くの不動産買収、開発、証券化業務を手がけたのち、三井不動産ホテルマネジメントに出向し経営企画、新規開発業務に従事する。2006年日本コマーシャル投資法人執行役員に就任しJ-REIT市場に上場。2009年オフィス・牧野設立、2015年オラガ総研設立、代表取締役に就任。著書に『なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか』『空き家問題 ――1000万戸の衝撃』『インバウンドの衝撃』『民泊ビジネス』(いずれも祥伝社新書)、『実家の「空き家問題」をズバリ解決する本』(PHP研究所)、『2040年全ビジネスモデル消滅』(文春新書)、『マイホーム価値革命』(NHK出版新書)『街間格差』(中公新書ラクレ)等がある。テレビ、新聞等メディアに多数出演。

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