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家づくりの設計・見積もり時の注意点(10/11)

世代を超えた同居生活を快適にする設計のポイント

山田章人

2016/01/28

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子どもが孤立しない家づくり

 子どもがいる場合、新しい家になって初めて自分の部屋をもつ場合があります。このとき、子どもは寂しく感じ、せっかくの新しい部屋をうまく活用できないことがあります。そこで、子どもが孤独感を感じないように、ドアを開けたらすぐに家族のスペースに戻れるような部屋にしましょう。

 子ども部屋がリビングと違う階になるのであれば、階段をリビング内に設置することで、必ずリビングを通って行き来するようにするなど、子どもと顔を合わせる機会が多くなるような工夫が必要です。

具体的な子ども部屋のつくり方

 兄弟・姉妹がいる場合は、2部屋分の大きさの1室を用意し、共用するところからスタートするとスムーズです。将来的に6畳ずつ分け合うのであれば、12畳の1部屋を用意するという具合です。この共用により、兄弟・姉妹で折り合いのつけ方などを学べるというメリットもあります。

 ドアにはガラスのスリットなどを入れて、ドアを閉めていてもなかが見えてつながっている感覚のものがよいでしょう。

 そして、子どもはどんどん成長していくので、その成長に合わせたふさわしい場所を柔軟につくっていきます。上述の通り、どこかのタイミングで1部屋を2部屋にするために仕切りを入れたり、最終的には間仕切り壁で分割したりします。子どもたちも、自分のプライバシーがほしくなるので、それに合わせた個室を用意することが大切なのです。

 最近多いのは、子ども部屋は寝るだけのスペースにして、勉強はリビングの一部や家族共通のスタディスペースでするというパターンです。子ども部屋での勉強は受験のときだけといったご家族が増えています。生活形態はご家族によって千差万別、家づくりの機会にしっかり話し合ってみてください。

高齢者との同居について

 親世代の高齢者との同居は、そもそも独立した生活を送っていた人たちが同居することになるので、ほどほどの距離を保つようにしなければいけません。

 ライフスタイルが違う者同士の同居では、生活のすべてを共有することはむずかしいことから、それぞれの部屋は、リビングと一体になっているような形ではなく、少し距離を置いた場所に配置することが大事です。とはいえ、まったく気配が感じられない距離では寂しさを感じてしまうので、気軽にリビングに出てこられるような適度な距離感を検討しましょう。

 また、高齢者は家にいることが多くなりますが、外の空気を吸うことも気分転換として大切です。そこで、友達が気軽に遊びに来たり、ちょっと散歩に出かけたりできるよう、部屋から外が眺められるような窓を設置したり、玄関からの動線を考慮したりすると、ぐっと住みよい家になります。

 将来的に介護サービスを受けることもあるかもしれないので、直接外とつながる間口があると、そのようなサービスも受けやすくなります。

 具体的には、専用のミニキッチンや洗面・トイレがある充実した間取りもありますし、寝るとき以外はリビングで生活する間取り、ホームエレベーターにより2階に独立性の高い部屋をつくった間取りなど、さまざまなパターンが考えられるので、家族でしっかり話し合って決めていきましょう。

避けられない年齢による体力の低下

 人間誰しも避けられないのが、年齢による体力の低下です。初めは元気だった親世代も体力は衰えますし、自分自身の老後についても必ず体力は低下してしまいます。とはいえ、「自分のことは自分でする」というのは長生きの秘訣ともいわれますので、できる間は自分で動くことを阻害しないようなつくりにしましょう。

 トイレや風呂への動線がよく、ベッドを置ける広さがあり、なおかつ採光・通風がよい部屋であれば快適に過ごせます。そして、出入り口の段差をなくしたり、手すりをつけたりし、バリアフリーな空間にすれば、同居者も喜んでくれるはずです。

 2020年の断熱の義務化に伴い、住宅の高断熱化がいわれ始めています。年配の方にとっては、ヒートショックの危険性を減らせる、行動量を増やせるといったメリットもたくさんあります。

 まだコストはかかりますが、電気代が抑えられるなどのランニングコストの軽減というメリットもあります。依頼先を選ぶ基準にもなりますので、一度ご検討ください。

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この記事を書いた人

一級建築士

5人建築家コンペでの家づくり 家escort京都 代表。 省エネ住宅診断士。 一級建築士事務所にて、神社仏閣から商業建築、住宅まで幅広く設計監理業務に従事した後、独立。2005年より、それまでの経験から、いい建物づくりには住まい手と設計者、施工者の相性のよい結びつきが不可欠と考え、住生活エージェントに専念。 住まい手が、自ら相性の良い建築家と施工者を選び出すのは至難の業であるという考えのもと、住まい手目線を基準に最適な建築家と施工者を結びつける代理人を目指す。自らの立場を、販売代理店ではなく、購入代理店と位置づけている。住まい手にとって最適な住宅とは何かを考え、老後までを考えた資金計画、不動産業者とは違う目線での土地探し、まだ施主様すら気づいていない好みや個性を引き出し最適な空間を生み出す工夫など、家づくりの準備を充実させることによって、結果、生涯心地のよい住まいを手に入れていただくことをミッションとして活動している。

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