インカムゲインにおける空室リスク

空室

不動産投資には、キャピタルゲインとインカムゲインという2つの方法があります。

不動産投資におけるキャピタルゲインとは、不動産の購入価格と、売却価格を差し引いた額による利益のことを言います。例えば、ある不動産を3000万で購入し、4000万で売却することができれば、1000万の利益となります。本来は、経費などの計算もあるので複雑な計算となりますが、ここでは省略いたします。

これに対し、不動産におけるインカムゲインとは、不動産という資産を保有し、当該不動産を賃貸することによって得る収入、すなわち家賃収入のことを言います。 このような不動産投資の性質から、空室のリスクが生じるのは、インカムゲインの方法によるものとなります。

空室になると具体的にどうなるの?

空室になると、当然賃貸人がいないので、家賃収入が入ってきません。しかし、家主さんは、次の入居者に向けて部屋の改装や、修繕をする必要があります。また、不動産を購入するときに銀行から融資を受けている場合には、家賃収入に関係なく返済をしなくてはなりません。

したがって、空室の状態が続き出費がかさみ、最終的には経営を圧迫して投資に失敗ということがあります。 そこで、空室に対する対策を何点か紹介します。

1つ目は、そもそも空室になりにくい物件を購入することです。すなわち、どんなに外見がよくて内装が綺麗でも、交通の便が極端に悪い物件や、学生が多く一人暮らしが多い地域であるにもかかわらず家族が住めるような広い物件は需要が少ないため、入居者が決まりにくいです。また、築年数と空室は比例するので、築年数も重要になってきます。したがって、しっかり立地調査をして需要のある物件を購入することが、そもそも空室になりにくい物件につながります。

2つ目は、空室になった時の対策です。空室の期間が長期間にわたると、収入が入ってこない状況が長期間になることを意味します。つまり、次の賃借人をいち早く決めて、家賃収入を得ることが必要となります。そのためには、改装を工夫し需要を高めることや、何ヶ月も空室が続くような場合には、1ヶ月家賃無料というキャンペーンを行うことも場合によっては効果的です。例えば、8ヶ月空室よりも、1ヶ月無料で貸し出して、7ヶ月分は家賃収入を得たほうが合理的なのは明らかです。ただ、いつ次の入居者が決まるかもわからないので、1ヶ月無料にしなくても次の入居者が決まる場合もあります。入居者が決まる見込みがあるのか、1ヶ月無料で貸し出したほうがいいのかなどの折り合いを考慮する必要があります。

3つ目は、家賃保証を利用して、空室になったとしても収入を安定的に得るという方法があります。家賃保証とは、空室があっても毎月の家賃を保証してくれるサービスです。ただし、保証会社により金額が異なりますので、多数の保証会社に見積りをしてもらうことをお勧めします。 また、保証会社に支払う保険料と空室の割合という緻密な計算を要することになりますし、保証金額は周囲の賃料によって変動することにも注意が必要となります。

この記事のコラムニスト

森田雅也
森田雅也(弁護士)
弁護士法人法律事務所オーセンス 弁護士(東京弁護士会所属)。
上智大学法科大学院卒業後、中央総合法律事務所を経て、弁護士法人法律事務所オーセンスに入所。入所後は不動産法務部門の立ち上げに尽力し、不動産オーナーの弁護士として、主に様々な不動産問題を取り扱い、年間解決実績1,500件超と業界トップクラスの実績を残す。不動産業界の顧問も多く抱えている。一方、近年では不動産と関係が強い相続部門を立ち上げ、年1,000件を超える相続問題を取り扱い、多数のトラブル事案を解決。 不動産×相続という多面的法律視点で、相続・遺言セミナー、執筆活動なども多数行っている。
[著書]「自分でできる家賃滞納対策 自主管理型一般家主の賃貸経営バイブル」(中央経済社)。
[担当]契約書作成
森田雅也は個人間直接売買において契約書の作成を行います。