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BOOK Review――この1冊 令和改訂版! 『パート主婦、“戸建て大家さん”はじめました!〜貯金300万円、融資なし、初心者でもできる毎月20万の副収入づくり〜』

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【舛添菜穂子/著 ごま書房新社刊 定価1550円+税】

ブラック企業で辛苦をなめた舛添菜穂子氏こと“なっちー”が家賃月収100万円を得るにいたった不動産投資の手法とその経歴を余すところなく伝える『パート主婦、“戸建て大家さん”はじめました!』の改訂版。

なっちー氏が手がける不動産投資のポイントをまとめると以下の通りとなる。

・物件金額が安く、利回りの高い中古戸建てを狙う
・購入は現金
・リフォームはアイディアで勝負

これから賃貸経営、不動産投資を始めたいという人にとっては、比較的リスクが低く堅実な手法といえるのではないだろうか。

現在、コロナショックによって全業種、そしてすべての人にさまざまな影響が出始めている。「子どもがいてテレワークがやりにくいよ」なんて言っている人は恵まれていて、実際、コロナ禍での廃業や倒産は227社(2020年6月8日時点)となっている。当然それに伴い働き口がなくなり露頭に迷う人の数は、今後ますます増えていく可能性がある。

一方、コロナショックにより一気に下がった日経平均は、20年3月19日に1万6552円と底を打った後、日銀が買い支えたこともあってか何事もなかったように回復基調へ。なんとも違和感のある相場だが、ここでうまくやりくりした人はかなり儲けたことだろう。もちろん今後の推移がどうなるかは予断を許さないが、これが資本主義なのである。

結局のところ、「普通に生きていくということ自体がリスク」で、自身の人生をあらゆる局面においてリスクヘッジしておかないと、これからの時代を生き抜いていくことは難しい。誰もが“明日は我が身”なのだ。

就職氷河期世代のなっちー氏は就職活動の際、50社もの会社を落ち続けた。そして紹介を介してやっとの思いでアパレル会社に就職。基本給は15万円で財形の天引き、さらに保険料などを差し引くと手元に残るのは8万円だったという。その後、会社が傾きリストラの憂き目に。次に就職した倉庫会社も倒産、3社目の会社はブラック企業とまさに試練の連続。その後、デパートの販売員のパートタイムを経て、みずからを低属性・低収入と謳い、不動産投資の世界へと足を踏み入れた。

過酷な環境でありながら蓄えた500万円分の国債を切り崩し、それを元手に最初の物件を購入。いまでは月間の家賃収入は100万円になるという。なっちー氏はみずからの力で、自身が置かれた難局を乗り越えたのである。

勝ち組と負け組のコントラストが際立つこの時代に、もがき苦しみながらもコツコツとお金を蓄え、堅実に不動産投資を行う姿勢に、特に就職氷河期世代はシンパシーを感じるのではないだろうか。そして不動産投資云々の前にお金の大切さを教えてくれるのもいい。さらに、なっちー氏が購入した物件ごとに詳しい解説があり、物語として読むこともできる。

この本には「家賃年収○○億円」といった派手な文言は踊らない(〇〇億円のウラには〇〇億円の借金がある)。しかしそこには身の丈にあった、不動産投資がある。

借金をせずに不動産投資にチャレンジしたい――そう考える人にとって参考になる一冊だろう。

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この記事を書いた人

ウチコミ!タイムズ「BOOK Review――この1冊」担当編集

ウチコミ!タイムズ 編集部員が「これは!」という本をピックアップ。住まいや不動産に関する本はもちろんのこと、話題の書籍やマニアックなものまで、あらゆるジャンルの本を紹介していきます。今日も、そして明日も、きっといい本に出合えますように。

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