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BOOK Review――この1冊 『筋の良い仮説を生む 問題解決の「地図」と「武器」』高松康平/著(1/2ページ)

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『筋の良い仮説を生む問題解決の「地図」と「武器」』高松康平/著 朝日新聞出版刊 定価1760円(税込)

ビジネスマンとして成長するうえで欠かせないスキルの一つが、問題解決能力だ。

問題解決能力とは、課題をクリアするために必要なものやことを考える力。ビジネスは、地道な問題解決プロセスの繰り返しともいえる。問題解決能力がビジネスの基本スキルであることは、多くの人が認識している。書店では、問題解決スキルを身に着けるための書籍が山のように売られているし、パソコンで検索すれば、問題解決に役立つとされるフレームワークも多数閲覧できる。にもかかわらず、問題解決能力を身に着けるのに苦戦している人が多いのが現状だ。

「良い」といわれるフレームワークに沿って思考をめぐらせてみたものの、なかなかアイデアが浮かばず、思考の迷路にはまって抜け出せなくなる。そんな経験をした人もいるだろう。そんなことを繰り返すうち、「問題解決能力は結局、経験やセンスに左右されてしまうのではないか」という不安にさいなまれ、ますます焦燥感を募らせたことのある人も少なくないはずだ。本書は、その不安に「ノー」を突き付ける一冊。「筋の良い仮説を生む 問題解決の『地図』と『武器』」というタイトル通り、ビジネスマンを思考の迷路から救い出す、問題解決の攻略本ともいうべき書籍だ。

著者は、経営指導や人材育成教育を行うビジネス・ブレークスルーで、毎年5000人の次世代リーダーが受講する問題解決力の講座責任者を務める、問題解決のスペシャリスト。既存の問題解決関連の書籍や講習が、現場のビジネスパーソンのニーズに応えられない原因は、多くのフレームワークがバラバラに紹介されているために全体を俯瞰できないこと、仮説の作り方が丁寧に解説されていないこと、多くが若手向けで簡単すぎることにあるとの問題意識から、それらの欠点をカバーする、次世代リーダー向け問題解決カリキュラムをゼロから構築。そのエッセンスを凝縮したのが本書だ。

思考の迷路にはまらないようにするためには、現状、自分がどこにいて、どこに向かうべきかを把握するための「地図」が必須だ。本書では、問題解決を 現状分析/問題認識/情報収集/課題抽出/解決策の方向性/アイデア創出/評価 の7つのプロセスに分けた「問題解決マップ」を提示。それぞれのプロセスで役立つ思考のコツやポイントを「武器」として紹介している。紹介されているプロセスとフレームワークは、どれも具体的かつ明快。何より、「自分にもできそうだ」と思えるところがよい。

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この記事を書いた人

ウチコミ!タイムズ「BOOK Review――この1冊」担当編集

ウチコミ!タイムズ 編集部員が「これは!」という本をピックアップ。住まいや不動産に関する本はもちろんのこと、話題の書籍やマニアックなものまで、あらゆるジャンルの本を紹介していきます。今日も、そして明日も、きっといい本に出合えますように。

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