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キーワードは「平和とサッカー」 広島・長崎で進む旧市街の再開発(2/3ページ)

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行政、財界、市民が「サンフレッチェ」に

サンフレッチェ広島の「サンフレッチェ」とは、戦国大名の毛利元就の逸話の「3本の矢」(矢はイタリア語でフレッチェ)という意味が込められ、広島県の県民・市民、行政(県・市)、財界の三位一体の力に支えられるチームという願いが込められている。

だが、新スタジアムについては互いの思惑の違いもあり、三者が協議を続け一つにまとまるまで10年以上という時間を要した。

サンフレッチェ広島が1996年から本拠地としているエディオンスタジアム広島(広島ビッグアーチ、広島市安佐南区)は、市の中心部から離れた郊外にあり、例えば、広島市臨海部からはドア・ツー・ドアで2時間前後もかかる。

また、広島駅や市の中心部にあるバスセンターやアストラムラインなど、交通拠点のある基町エリアからも遠かった。新交通で速度の遅いアストラムラインでは競技場まで40分もかかり、そこからさらに徒歩になるため、平日はもとより、天候の悪い雨の日の休日の試合では、観客が数千人レベルにとどまることも珍しくなかった。Jリーグで3度も優勝した実力はあるのに、ホームの集客力は最下位クラス。その要因は立地にあったことは否めない。しかも、ビッグアーチは陸上競技場で、サッカーには不向きで臨場感を欠くと評判も悪かった。

実は、これまでも広島市は原爆ドームや平和記念公園を中心とした都市景観を向上させるため、広島商工会議所の移転や都市機能の広島駅周辺への立地の誘導に取り組んではいたものの、なかなかまとまらなかった。それは三者の思惑のズレと平和記念公園の景観問題などがあったためだ。

そこで広島市は中心市街地の新しい核(副都心)を、広島駅周辺に誘導、規制緩和することで駅周辺の再開発にこぎ着けた。最終的にはJR西日本と広島電鉄による広島駅再開発も具体的に動き出し、街の玄関口、JR広島駅前で19年から始まった再開発は1965年にできた駅ビルの解体が今年に完了。ホテルや商業施設が入る新駅ビルが25年に開業予定だ。その駅ビルの2階は広島電鉄の路面電車が乗り入れるということもあり、鉄道マニアからも期待されている。

また、中心街の紙屋町・八丁堀地区では駅前の仮店舗に移転していた広島銀行が本店ビルを開業。市営基町駐車場一帯では高層ビルを建設し、商工会議所を移転、ホテルなども入居させる計画もある。

人口減少のなか進む長崎駅前の再開発

長崎市の人口は約40万人、福岡市などへの流出で人口は減少傾向にある。それでも夜景を売り物にする港町では神戸(政令市)と函館市の中間に位置する。いま、そんな長崎では22年度に九州新幹線西九州ルートが開通することから、JR長崎駅の周辺で、開発ラッシュが起こっている。

近年、新幹線と在来線の高架駅舎が建設された。JR九州は駅東側に駅ビルを建設中だ。さらに外資系の高級ホテルの誘致も進む。具体的には新しい駅ビルの高層階には、200室の「マリオット・ホテル」が入る。また、年内開業予定の長崎市交流拠点施設(MICE施設)が長崎駅の西側に位置し、長崎駅に直結。MICEに隣接するのはヒルトンのホテルだ。そして、こうした再開発のフィナーレになるのが24年のサッカースタジアム開業である。

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この記事を書いた人

都市開発・不動産、再開発等に関係するプロフェッショナルの集まり。主に東京の湾岸エリアについてフィールドワークを重ねているが、全国各地のほか、アジア・欧米の状況についても明るい。

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