三井不動産グループ 脱炭素社会の実現に貢献する「温室効果ガス排出量削減のための中長期目標」を設定
ウチコミ!タイムズ編集部
2020/12/25
イメージ/©︎Aleksandr Papichev・123RF
地球温暖化が世界的に大きな問題となっていることは、子どもから大人まで多くの人が知るところだ。
1997年、温暖化防止のための国際会議で取り決められた京都議定書では、先進国の温室効果ガス排出量削減のための数値目標などが定められ、2015年に成立したパリ協定では、世界全体の温室効果ガス排出量を早期にゼロにすることが目標とされた。
2020年10月には、菅総理大臣が「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という所信表明演説もしている。
しかし、地球温暖化対策は日本でも世界でも遅々として進んでいない印象が否めない。
そんななか、各企業では積極的に脱炭素のための努力を重ねている。三井不動産グループもそのひとつだ。
三井不動産では、2018年にグループ長期経営方針「VISION2025」を策定し、事業を通じて気候変動リスク低減に努めることを重要な経営課題のひとつと位置付けた。「持続可能な社会の実現」に向けて、さまざまな社会課題の解決に寄与することが、街作りを担うデベロッパーの社会的使命であると認識しているからだ。
そして、2020年12月21日には、グループ全体の温室効果ガス排出量を2050年までにネットゼロにすることを目標として設定したことを発表した。
単位:千トン・CO2/年【三井不動産グループ全体の温室効果ガス(GHG)排出量削減の中長期目標】
この目標は、パリ協定達成のために科学的根拠に基づいた削減目標を設定することを推奨する「SBT(Science Based Target)イニシアティブ」*に申請し、今後、認定を取得する予定としている。
同社グループでは、 これまでもエネルギー消費や温室効果ガス排出量の少ない街や施設を作り、環境負荷の低いサービスや施設運営を実践するなどしてきた。
今後は、 さらに環境性能の高い開発をめざすとともに、積極的に再生可能エネルギー関連の取り組みを進めていく予定だ。 具体的には、 東京電力エナジーパートナーと包括協定を締結し、オフィスビルなどの共用部やテナント専用部の使用電力について、再生可能エネルギーによる電力のグリーン化を図るとしている。
そもそも「省エネ」という言葉が登場してからもかなり長い年月が経過している。今後、世界全体で持続可能な社会を実現していくためには、それぞれの国、そして各企業、個々人のさらなる努力が必要だろう。
三井不動産をはじめとした大手企業の主体的、かつ積極的な取り組みにならい、そのほかの多くの企業や人々の意識が大きく変化していけば、パリ協定の早期達成が実現できるのではないだろうか。
*「SBTイニシアティブ」は、CDP、国連グローバル・コンパクト、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)によって2015年に設立された国際的な共同イニシアティブ。パリ協定の目標達成に向けて民間企業が設定する温室効果ガス削減目標が科学的根拠に基づいたものになっているかの検証・認定を推進している。
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