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掘り出し物の良質な物件も 定期借家の「いま」を借りる側も知っておこう(2/3ページ)

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では、なぜこのように、高賃料で面積も広いハイグレード物件で、定期借家は選ばれることが多いのだろうか?

答えのひとつが、いわゆる「転勤大家さん」や「持ち家相続大家さん」の存在だ。住んでいるマンションを転勤の間だけ他人に貸すケースや、親から相続した物件をとりあえず賃貸で運用するケースがこれにあたる。この場合、あとでオーナー自らがそこに住む予定があったり、その可能性があったりすることで、契約期間を限定できる定期借家はもってこいの仕組みとなる。

併せて、物件がそもそも持ち家であることから、その品質や仕様は一般的な賃貸向けのマンションよりも、レベルがかなり高いものになっていることが多い。すなわち、結果として、ハイグレード物件=定期借家の採用が多い、との流れが成立しやすくなるわけだ。

なおかつ、上記の場合も含め、ハイグレードな物件を他人に貸すにおいては、オーナーは、物件の資産価値の保護につき、とりわけこれを気にしやすくなる。要は、あまり汚されたり、傷つけられたりしたくない。加えて、家賃が高額であること自体も実はリスクを孕んでいる。滞納が起きた際のダメージが大きいのだ。よって、これらに不安をおよぼす「望まぬ入居者」との縁を切りやすい定期借家は、リスクヘッジの面でも重宝されることになるわけだ。

2.一戸建て賃貸

一戸建て賃貸でも定期借家は採用されやすいが、その理由はハイグレードなマンションの場合とほぼ同じといっていい。

すなわち、転勤大家さんや持ち家相続大家さんが多いこと、併せて、前述のリスクヘッジが大きな要因だ。これらの条件やニーズに、定期借家はかなりの程度応えてくれるものとなっている。そのうえで、一戸建て賃貸では、定期借家へのオーナーの期待が、マンションよりもさらに増える様子も窺える。

例えば、さきほどのSUUMOで、「東京都心6区(千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・渋谷区)」「駅徒歩10分以内」「賃料20万円以上」「一戸建て・その他(マンション・アパートは除かれる)」を検索してみよう。

すると、定期借家を含んでのヒットは約840件。対して、含まない結果は約510件となった。ざっと4割が定借物件ということになる(10月上旬某日のSUUMOでの検索結果)。

3.ローグレード物件

1や2とは逆に、低家賃で部屋が狭いなど、いわばローグレードな物件でも、定期借家は採用されやすい。

理由は、あからさまな話となるが、いわゆる不良入居者が集まりやすいゾーンの物件にあっては、ハイグレード物件とは似て非なる意味で、入居者との縁を断ちやすい定期借家が、オーナーにとって助け舟となるからだ。

それを示すデータをさきほど紹介したアットホーム社のレポートの別の部分から拾ってみよう。東京23区における「賃貸アパートに占める定期借家物件の割合」だ。

30㎡以下 …5.2%
30~50㎡ …4.2%
50~70㎡ …2.9%

このとおり、マンションの場合とはまったく逆に、部屋が狭くなるほど定借物件の割合が上がるデータが示されている。

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この記事を書いた人

編集者・ライター

賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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