賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

ウチコミ!タイムズ

配偶者への居住用不動産の贈与の特例

野田洋介

2020/04/14

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

婚姻期間が20年以上の夫婦が一定の要件を満たすと、配偶者に対して居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与をしたときの贈与税について110万円の基礎控除に加え最高2000万円まで控除(配偶者控除)が適用できます。

贈与税の配偶者控除(最高2000万円)を受けるには次の要件を満たす必要があります。

1婚姻期間が20年以上であること
2贈与された財産は、マイホーム又はマイホームを買うための資金であること
3贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、そのマイホームまたは贈与を受けた資金で買ったマイホームに住んでいて、その後も住み続ける見込みであること
4同じ配偶者からの贈与については、過去にこの配偶者控除を受けていないこと

(補足)
・配偶者控除を受ける年度は、贈与税の基礎控除との合計額である2110万円まで贈与税がかからなくなります
・婚姻期間は、婚姻の届出があった日から贈与の日までの期間で計算します。1年未満の端数を切り上げることはないので、20年を1カ月でも切ってしまうと適用ができなくなります
・この特例により贈与税の金額が0になる場合でも、贈与税の申告は必要です
・同一の配偶者からは一度のみで、2000万円に満たなくても翌年以降配偶者控除を適用することはできません

贈与税の配偶者控除のメリット・デメリットについて説明いたします。

「メリット」
通常の贈与の場合、相続開始前3年以内の贈与については、控除額相当分の贈与財産について相続財産に加えなければいけませんが、配偶者控除の特例の範囲内の贈与は3年以内であっても相続財産に加える必要はありません。

「デメリット」
マイホームの贈与について、配偶者控除の適用により2110万円までは贈与税なしで配偶者に贈与することができますが、全くコストがかからないわけではありません。所有権移転登記のための登録免許税や不動産を取得したことによる不動産取得税がかかります。


※登録免許税は、原則として、その不動産の価格の25/1000。不動産取得税は、原則として、その不動産の価格(建物については最高1200万円控除した額)の3%。

贈与税の配偶者控除適用のための申告手続きついて説明いたします。

「申告手続き」
贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、贈与税の申告書に次の書類を
添付し税務署へ提出します。
1戸籍謄・抄本
2戸籍の附票の写し
3居住用不動産の登記事項証明書など

〜おわりに〜

マイホームの贈与には、マイホームそのものの贈与とマイホーム購入資金の贈与があります。一般的に、マイホームの評価額は時価の半分程度であり、額面評価される現金よりも不動産そのものを贈与した方が有利となります。また、前述の通り登録免許税や不動産取得税がかかるため、将来的に相続税の納税の可能性がない場合は有用ではありませんのでご注意ください。


(文/野田洋介 画像/123RF)

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

税理士

昭和58年8月石川県金沢市生まれ。 平成18年3月法政大学工学部を卒業しその後会計事務所に就職。 平成24年12月に税理士試験を合格し平成25年4月税理士登録。 平成29年7月に株式会社アグラデッソ会計事務所、野田洋介税理士事務所開業。 開業後も法人・個人事業者の会計、税務顧問によりタックスプランニングや資金繰りコンサルティングを行う。その他、相続対策・事業承継・組織再編・IPO支援等中小企業や個人のコンサルティングを行っている。

ページのトップへ

ウチコミ!