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子どもファーストで面会拡充を実現——愛する気持ちは一緒だからできたこと(前編)(2/3ページ)

しばはし聡子しばはし聡子

2021/10/02

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——そのとき、どんな気持ちになり、どんな行動を起こしましたか?

いずれ離婚するかもしれないと思っていた部分はあったのですが、自分も息子のサッカーチームのコーチをしたりと深く関わりを持っており、正直子どもとの距離感がすごく近かったし、今すぐに離婚にはならないと思っていました。調停の申立書を見た瞬間、わけが分からなく、ただただ呆然としました。

そして、状況を確認しなくてはいけなかったので、妻側の弁護士に問い合わせをしました。「どういうことですか?」ときくと、「いまは担当者は夏休み中です。来週までいません」と言う対応で……。

相手が弁護士を付けているし、調停をやったことがないし、弁護士からすべてを調停で決めましょう、ということ言われてどうしよう!と、ただただ怖かったです。ひとりで戦ったら、弁護士にやり込められるんじゃないかなとか、ひとりで考えると不安な気持ちを駆り立てられてしまって。それで友人に弁護士がいたので、翌日会社を休んで、すぐに連絡をして相談をしました。

最初は何も相談なく連れ去られてしまったことに悲しみがあり、話し合いができないままだったので、すごく残念な気持ちでしかなかったんです。自分としては相手と話をして、それで改善ができると思う部分があると思っていました。だから離婚はしたくないし、話し合いをしたいし、調停もやめたいと思っていたけれど、そういう感情に元妻はならなかったので、調停で話すことになりました。

——子どもを取り戻そうという気持ちはなかった?

初めは、子どもの引渡し請求を考えたりもしました。

調停が始まったときに、りむすびをabemaTVでたまたま見て、そこにしばはしさんが出演されていて、共同養育のことを知りました。子どもと離れて暮らしていても共同で子どもを養育で養育することができるのか、と初期の段階で知ることができたので、争わずに歩み寄り、という姿勢で最初からいこうと決めていました。

ただ、男の子だし、母親だけでは大変な部分もあるのでは?と思ったことも事実で、自分が引き取りたいし育てたいという考えもよぎりました。ただ、子どもは母親のことももちろん大好きなので、母親といた方が幸せなのかな、という考えもあって。そのとき、子どもを連れて行ったことに対して、子どもを置いて出ていかないでくれたことに愛情を感じて、連れて行ってくれたんだ、と捉えるようになり、よかったんだ、と思いました。子どもを置いて母親が出て行くよりはよかった、と純粋に思えました。

今回の件は夫婦の問題であり息子を巻き込みたくないし、息子には本人の自由が尊重された生活を確保されるべきだという思いが強くありました。

次ページ ▶︎ | 貫して争わずに相手を責めたりしないで進めていったのでしょうか? 

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この記事を書いた人

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️

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