急な来客時にもサッと片つく、北欧流「かご」を使った収納テク
パップ英子
2016/03/06
美しく“見せる収納”にかかせない、オシャレな「かご」たち
(c)FinoMagazin ( http://www.finomagazin.com/ )
北欧の名作家具やインテリアについてご紹介している本連載。今回は、北欧のオシャレな部屋によく見られる、「かご」を使った収納術について、お話したいと思います。
写真は、ブダペストのクリスマス・マーケットで見つけた可愛いバスケット(手提げかご)たち。北欧インテリアが掲載された雑誌を見ると、部屋のなかで散らかりやすい、こまごましたモノの収納に、見栄えのいい素敵な「かご」が大活躍しています。
バスケットを含めてオシャレなかごは、「買い物かご」としてはもちろん、生活空間のなかにある“ごちゃつきやすいモノ”をサッと片づけたいときに大変重宝します。また、室内にある小物類を美しく見せて収納したい人には欠かせない生活雑貨なのです。
こまごましたキッチンツールは、“かごで仕切る”
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日々の調理にかかせないたくさんのモノであふれるキッチン。最近は、キッチンの一部あるいは隣にパントリーがあるお宅も増えています。
キッチンには戸棚や引き出し式の収納があるかと思いますが、それらの造りつけの家具が必ずしも自分たちにとって使い勝手のいいものとは限りませんよね。そんな場合はパントリーがあると、キッチンだけでは収まりきらないお米やパスタなどの常備しておきたい食品や飲料水(ミネラルウォーター)をストックする場所として、また、頻繁に使用しない調理器具・什器類をしまっておける場所としても大変便利だと思います。
ただ、どうしても、こまごまとしたモノばかりなので、煩雑になりがちですよね。
写真のお宅のパントリーでは、足元の部分にかなり大きなバスケットを使ってこまごましたモノをしまっているので、とてもスッキリして見えますね。フタつきの大きなかごを使うことで、なかにあるモノのごちゃつきを見られることもなく、またホコリなどをよけることもできて一石二鳥ですね。
こちらのパントリーには壁に設置したシェルフがありますが、その場所に置く食器類も、陶器、ガラスと、素材別に分類し、整然として見える部分も見習いたいものですね。
バスルームの収納にも大活躍
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どの部屋にもモノはありますが、キッチンのほかにもモノが散らかりやすい場所といえばバスルームです。
筆者のハンガリー人の友人宅である、こちらのバスルーム。壁をペパーミントグリーンのタイルで統一し、とても爽やかなバスルームです。
そんな友人宅のバスルームでも造りつけのタイル製のシェルフの上に、タオルやこまごました洗面用具を片づけるために籐のかごを使って、綺麗に見せる収納を徹底しています。
かごで吊るせば、お掃除がラクになる
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バスルームや洗面所の上手な収納例として、左の写真をご覧ください。こちらのお宅ではバスルームと洗面所の間の壁に、このようにフックを用いて、複数のかごを吊るしています。
そのかごのなかに、タオルや入浴剤、トイレットペーパーなど、ごちゃつきやすいバスグッズやトイレグッズを閉まっているのです。モノを足元に置かずに、このように吊るして収納すれば、足元(床)にモノがなくスッキリするため、掃除機や拭き掃除もしやすくなりますよね。
吊るした『かご』の中にモノをしまえば、お掃除もしやすいということで、かなり賢い収納術といえるのではないでしょうか。
かごを吊るして使いたい時は、いずれも吊るしやすいように持ち手があるタイプを選んでみてくださいね。
モノが増えてしまいがちなリビングでも
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次はリビングルームです。リビングにはだいたいテレビやソファ、そしてサイドテーブルなどがあるお宅が多いと思います。
ゆっくりお茶を飲んだり、テレビを見たり、雑誌や新聞に目を通したり。皆さん、自宅にいる時はきっと、リビングで過ごす時間が長くなる場合が多いのではないでしょうか? 過ごす時間が長ければ長いほど、その部屋にはモノが増えていくのもご自然なことです。
リビングでよく見かけるモノといえば、雑誌や本、ゲーム用品やオーディオ製品、そして新聞…。特に新聞のなかには折込チラシが含まれることが多々あり、紙だらけになってしまう場合も。
上の写真に映るリビングルームには、天然羊毛で編まれた、オシャレな幾何学模様のかごが複数あります。そのなかのひとつに、新聞紙や雑誌が入っているかごがありますね。かごのデザインが可愛いこともあり、このようにして新聞紙も見せる収納にすると、室内がいっそう洗練されて見えるんです。
また、リビングで遊ぶときのおもちゃやゲーム用品は、細々したモノから定型サイズのモノまで色々あります。この天然羊毛で編んだかごなら、いろんな日用品をたっぷり入れても丈夫で軽く、また、持ちやすくモノを取り出しやすいので、子ども達が自主的に片づけしてくれるかもしれませんよ。
フタつきのカゴなら積み重ねができて、もち手つきなら移動も簡単。フタのないカゴには、お気に入りの布で目隠しすれば、ホコリよけにもなります。色が氾濫しやすいリビングでは、インテリアのまとまりがよく温もりのある空間に仕上がるでしょう。
蓋つきの大きな「かご」でスッキリ収納
(c)franzenresidence 出所元画像:(左: http://bit.ly/21dyWdf 右: http://bit.ly/21dwsLZ)
こちらはベビールームです。素敵なベビーベッドがお部屋の主役になっていますが、その脇には蓋つきの可愛らしい、大きなバスケット(かご)が見えますね。このバスケットには、ベビートイやおしりふき用のウェットシート、おむつなどを収納しているようです。
赤ちゃんのお世話にはいろんなモノが必要になりますが、そうしたベビー用品であふかえってしまいがちなお部屋をスッキリ整頓できるよう、こちらのご婦人がチョイスしたのは、蓋つきの大きなバスケット。
ベビールームにクローゼットやシェルフがなくても、大きなバスケットを使用することで、おむつなど、ゲストにあまり見せたくないモノをそのなかに隠してしまっておくことができるのです。また、「かご」自体がとてもオシャレなデザインならば、「美しくしまえる」、「見せる収納を実践できる」部分も、この収納テクの一番の魅力かと思います。
北欧の人々に学ぶ暮らしの知恵、今回は、北欧インテリアでよく見かける、「かご」を使った上手な収納テクについて、それぞれの部屋毎にレポートしました。
小さなお子さんがいらっしゃるお宅は、出し入れしやすい「かご」があれば、突然の来客があっても、おもちゃやベビー用品などごちゃつきがちなモノを、ササッと隠して収納できるので、大変重宝するはずです。
今回ご紹介したような、オシャレで使い勝手のいい「かご」たちを緊急の片づけ用に、また、モノの分類や仕分け用に、さまざまな種類の「かご」たちを多いに活用してみてくださいね。
この記事を書いた人
“FinoMagazin”(フィノマガジン)主宰(編集長)
ハンガリー在住コラムニスト。 食品会社でワインインポーター業務に従事した後、都内の広告代理店に転職。コピーライター、ディレクターとして勤務。百貨店やデパート、航空会社、ベビー・ブランド等のクリエイティブ広告で、インテリア製品のコピーライティング、ディレクション等を数多く手がける。 2013年、夫の国ハンガリーに移住後も育児に奮闘しながら執筆業に邁進。日本の雑誌(出版社)でハンガリー紹介記事(取材・撮影・文)を担当。また、自身とハンガリー人クリエイターとで運営するブダペスト発ウェブメディア“FinoMagazin”でもインテリアを含めたライフスタイル全般コラムを連載。美容メディアにてビューティ・コラム連載、その他、企業のWEBサイトや企画書制作、日本のTV局、広告代理店、メーカーからの依頼でハンガリー現地ロケ・コーディネート等、多岐に渡る業務をこなしている。 自身主宰のハンガリー情報WEBメディア “フィノマガジン” http://www.finomagazin.com/