ハンガリーのおもてなしに学ぶペーパーナプキンの活用術
パップ英子
2016/02/28
(c)FinoMagazin
ハンガリー国民とチョコレート
年が明けて早いものでもう2月も終わり。皆さん素敵なバレンタインを過ごせたでしょうか。
本命チョコ、義理チョコ、友チョコと、日本では大切な人に贈るチョコレート選びや、手づくりする人はその準備にと、忙しい女性が多かったのではないでしょうか。
実はハンガリーのバレンタインは、日本のように女性が男性に愛を告白する日、ではありません。どちらかといえば、男性が意中の女性や恋人、奥さまにプレゼントを渡すことが多いようです。また、恋人や夫婦でお互いに愛情や感謝の気持ちを込めて、チョコレートやワインなどのギフトを贈り合うといった感じです。
しかしハンガリーの人々は元々、チョコレートが大好きなので、バレンタインに限らず1年中、いろいろな場所でさまざまなブランドのチョコレートを数多く目にします。
スイスの“HEIDI”というブランドのもので、星の形が可愛らしい、ナッツがトッピングされたダークチョコレート。ハンガリーの人達にもこよなく愛されている上質な味わいのチョコレートです。
もう止まらない!ハンガリーのNOBILIS (ノビリス)チョコレート
(c)FinoMagazin NOBILIS(ノビリスチョコレート)
封を開けると、コロコロとした可愛らしいアーモンド・チョコレートがお目見えするのは、NOBILISというブランド名の、ハンガリーで大人気のチョコレート。表面の粉砂糖はほんのりとした甘みで、ほろ苦いアーモンドに絶妙な甘さをプラスしています。
ハンガリー生まれのNOBILISは、世界中のチョコレート愛好家が注目するチョコレート・ブランド。現在、日本でも同ブランドの一部の商品は購入が可能です。
そのなかで筆者が特に好きなのは、写真に映るこのMANDULA。MANDULAはハンガリー語でアーモンドのことですが、残念ながらこちらのチョコはまだ日本で販売されていないそうです。
NOBILISの下には、小鳥のイラストが可愛らしい紙ナプキンがありますよね。この後は、主にこのペーパーナプキンについて、お話したいと思います。
ハンガリー国民がこよなく愛するチョコレート・パン
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写真の手前左にあるパンはココーシュチガという名のチョコレート・パン。ココーシュはココア、チガはかたつむりの意味で、要するに形がかたつむりのように渦を巻いているので、そのような名前で呼ばれています。
このココーシュチガはパン屋さんではもちろん、スーパーや個人商店でも必ず見かけるほど、ハンガリー人にこよなく愛される、ちょうどよい甘さの美味しいパンです。
お皿の上に3つ、ただ無造作に並べられたハンガリーのパンたち。その下には、ペイズリー柄のようなペーパーナプキンを敷いてみました。ただお皿の下に紙ナプキンを敷いただけなのに、食べ物全体が華やかに見えてくるから不思議ですね。
先に紹介したNOBILISの下にも、小鳥のイラストが可愛らしい紙ナプキンがありますよね。実はハンガリーではテーブルを彩るアイテムとしてペーパーナプキンがとても重宝されているんです!
テーブルウェアに欠かせない、おしゃれなペーパーナプキン
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ハンガリーの人々は、家族や親戚、友人をよく自宅に招きます。彼らは美味しい手作りの料理とスイーツでゲストをおもてなしするのが大好きなのです。
私がハンガリーに移住して、最初に驚いたことのひとつに、ホスト宅にお邪魔すると、すぐにダイニングテーブルに案内されて、食事がすぐに始まるパターンが多いことです。そして、だいたいダイニングで2時間くらい、食事をゆっくりと楽しみながら、おしゃべりに花を咲かすことになります。
おもてなし上手なハンガリー人の食卓には、テーブルクロスやテーブルランナー、ランチョンマット、スプーンなどのカトラリー、そして、必ずと言っていいほど、美しいペーパーナプキンが添えられています。
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左の写真のスープには、サイドのカトラリーに可愛い花柄のナプキン、右の写真のケーキには植物柄のナプキンが添えられていますね。
ちなみにこのスープは、ハンガリーの有名な家庭料理で、パプリカの粉を使って肉や野菜などを煮込んだ、グヤーシュといいます。
ペーパーナプキンは100円ショップで買える
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これらのペーパーナプキンは1個20枚などで、だいたい300フォリントから高いモノは900フォリントまでの値段で、スーパーやインテリア雑貨のお店、またはユーロショップと呼ばれる、日本の100円均一ショップのようなお店で販売されています。
その金額は日本円に換算するとだいたい126円〜379円ほど。日本円で考えると、かなり安い値段ですよね。
ペーパーナプキンの折り方・『王冠折り』
(写真右)(c)origo.hu
おしゃれなペーパーナプキンをそろえたら、早速折り方をマスターしたいものですよね。
このように、正しく折られたペーパーナプキンがさりげなく食卓に置いてあると、招かれたゲストもマナーよく食事しようと心がけるでしょうし、ホスト達が腕を振るった主役のお料理たちも、いっそう美味しく引き立ちますよね。
最近は、ペーパーナプキンを使って工作する人たちがとても増えているようです。
右の写真は、マッチ箱の表面に、おしゃれなペーパーナプキンをノリで貼ってつけるだけのもの。ただ貼っただけなのに、「マッチ箱のドレス」または、「おめかししたマッチ箱」のように見えてくるから面白いですね。
2月最後のコラムはバレンタインにちなみ、前半はハンガリーのチョコレート事情を、そして、後半は、テーブルコーディネートにかかせない、美しい柄のペーパーナプキンとその活用法についてご紹介しました。
とってもリーズナブルなのに、1枚あるだけで色々なものをおめかしすることができるおしゃれなペーパーナプキンは、いつもキッチンに常備しておきたい必需品かもしれませんね。
この記事を書いた人
“FinoMagazin”(フィノマガジン)主宰(編集長)
ハンガリー在住コラムニスト。 食品会社でワインインポーター業務に従事した後、都内の広告代理店に転職。コピーライター、ディレクターとして勤務。百貨店やデパート、航空会社、ベビー・ブランド等のクリエイティブ広告で、インテリア製品のコピーライティング、ディレクション等を数多く手がける。 2013年、夫の国ハンガリーに移住後も育児に奮闘しながら執筆業に邁進。日本の雑誌(出版社)でハンガリー紹介記事(取材・撮影・文)を担当。また、自身とハンガリー人クリエイターとで運営するブダペスト発ウェブメディア“FinoMagazin”でもインテリアを含めたライフスタイル全般コラムを連載。美容メディアにてビューティ・コラム連載、その他、企業のWEBサイトや企画書制作、日本のTV局、広告代理店、メーカーからの依頼でハンガリー現地ロケ・コーディネート等、多岐に渡る業務をこなしている。 自身主宰のハンガリー情報WEBメディア “フィノマガジン” http://www.finomagazin.com/