自分の「好き」の見つけ方
Mie
2019/07/08
はじめまして。この度、コラム連載をさせていただきますこととなりましたMie(ミエ)です。
簡単に自己紹介させていただきますと、私は東京都内を中心に総合カラーコンサルティング事業を展開させていただいておりまして、個人、法人、国内外、問わずさまざまなお客さまからのご相談、ご要望などの対応をさせていただいております。そして、この機会をいただけましたのは、きっと何かのご縁があったからこそ、と思っております。そこで皆さまのライフスタイルに少しでも役立てられるような体験談などを交えたお話を書かせていただこうと思っております。
偶然に、このコラムをお目にした方も何かの縁、月1回の連載ですが、今後ともお読みくださればと思っております。
さて、初回のテーマを何にしようか、しばらくの間、あれこれと考えましたが、やはり私の仕事のテーマの1つでもある「居心地のよい空間」について書かせていただくことにしました。
空間にはそれぞれの役割がある
「居心地のよい空間」は、人それぞれの感覚によって違い、個人差があります。また、言い方を換えると「疲れない空間」「楽しい空間」「飽きない空間」「安らぐ空間」ともいうこともできるでしょう。いずれの言い方にしても、共通していることは「それぞれの用途に適した空間」であることが、とても大切なポイントです。特に毎日のように長い時間を過ごす空間であればなおさらです。
とはいえ、人それぞれのライフスタイルや何をしているかによって、どのような空間で、どのくらいの時間を過ごすか違いがあります。例えば、仕事を持っている方であればオフィス、家事に忙しい方であれば、キッチンやリビング、プライベートな趣味を楽しむ場としてのアトリエや書斎、ゆったりと休む寝室、気分転換をするテラスなどいろいろあるのではないでしょうか。
そして、その場にその場に求められるにも違いがあります。具体的には職場であればポジティブな思考、アクティブな行動、モチベーションを上げるための空間。またはときには穏やか、安定した気持ちや気分になることも必要とされます。こうした心の持ちようは直接的な成果にも繋がるものです。また、プライベートな空間であれば、リラックス、リフレッシュ、安らぎ、楽しさなどで癒されたり、幸福感を感じ、満たされることが求められます。
イメージすることからはじまる心地よい空間
さて、質問です。1日の中で1番長く過ごす空間をどのように感じていますか? 例えば広い、狭い、騒がしい、静か、落ち着く、落ち着かない、明るい、暗い、匂うなど、何か感じていますか?
人間は五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)に優れています。実は五感の中でも視覚からの情報は最も大きな割合を占めています。人間の思考、行動の起因となる情報源の80%は自身の視覚から得た情報です。さらに、その視覚情報の中でも色彩は最優先に認識されていることをご存知でしょうか?
「視覚情報」=「視覚刺激」には、人の気分、感情、行動、意識に大きく影響を与える効果や可能性が数限りなく存在していることを私は日々の仕事から実感しています。なかでも女性のお客さまに多い例では「お気に入りのカラーコスメを机一面に並べて見ていると幸せな気分になる」「ファブリックショップ店内の布地やリボンが壮観に並んでいる風景が好きで、何度も足を運んでしまう」「キラキラ輝くシールをたくさん集めている。お気に入りを見つけるとトキメク」「安らぎを感じるために衣類も含め、落ちついたアースカラーしか選ばない」「とにかくブルー系(またはピンク系)が大好き!」などなど。
実は、自分が気持ちよいと感じる、あるいは、ずっと見ていたいと感じる「風景」「色」「物」があるというのは、とてもラッキーなことなのです。なぜなら、それを見るだけで気持ちや気分をリセットできたり、さらには充実感、満足感を得ることができるからです。このように、自分の嗜好に気付くことが「居心地のよい空間」作りのヒントになるというわけです。
一方、こうした自分の嗜好に気づいていない方も大丈夫です。まずはご自身の五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)のいずれか、または全体で気持ちよいと感じる「テーマ」をイメージすることが嗜好を知るきっかけになります。
例えば「爽やか」「穏やか」「明るい」「綺麗」「静か」「優しい」「透明」「リッチ」「無機質」「甘い」「スパイシー」「柔らか」「小さな」あるいは「夕日」「海」「雪」「宇宙」「自然」「リゾート」「生き物」「曲線」「幾何学」など映画や写真で見たものなど自分がこんなところに行ってみたいと思える場所の色や景色など具体的なイメージを浮かべてみてください。
何か思い浮かびましたか?
次回はさらに一歩進めた「居心地のよい空間作り」の実践編です。お楽しみに!
この記事を書いた人
MIE色彩研究社代表
自由が丘産能短期大学能率課インテリアコーディネーター課程卒業。産業能率大学情報マネジメント学部卒業。東京商工会議所カラーコーディネーター検定試験認定講師。電子機器製造メーカー、産業機械商社に勤めながら、社会人学生として産業心理学を学び、色彩と人間の意識との深い結びつきに共感。さまざまな社会経験を通して、色彩と人の意識に関わる数多くの実証の基、色彩スペシャリストとして事業を展開。東京都中央区銀座のオフィスではこれまでに培ったパーソナルカラー、空間色彩、商品色彩、カラースクール、色彩セミナーなどを個人、法人を問わず全国で行っている。趣味は街散策。