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エリアや物件の選び方は? 準備すべきものは?

トラブルなし!民泊で合法的に成功する6つのルール

高橋 洋子高橋 洋子

2016/11/17

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1.観光の拠点となるエリアを狙う

民泊を始めるなら、エリアはどこがいいのでしょうか。もちろん、外国人旅行者が宿泊するため、旅行者に人気のエリアが望ましいのはいうまでもありません。人気があるのは東京、大阪、京都ですが、北海道や金沢、福岡、静岡、沖縄など、全国各地にニーズは広がっています。

日本は地方ごとに異なる文化や食、季節で移り変わる自然の魅力にあふれています。旅慣れた外国人旅行者は、さまざまな土地を訪れています。ですから外国人観光客がさらに増加するこれからは、日本全国、どのエリアでも民泊の可能性があるといってもいいでしょう。

民泊仲介サイト「Airbnb」を見てみると、ニーズが高いのは都心部の駅周辺です。ゲストの多くは、日本の観光の「拠点」となる場所に滞在するのを好みます。たとえば、新宿を拠点にして江の島や鎌倉、箱根や日光をめぐるように、日帰り、もしくは一泊で観光地を訪れ、拠点となる場所に戻ってきます。そのため、東京駅の近くや新宿、品川などは交通の便がよく、どこにでもアクセスしやすいために人気のようです。
同様に京都や福岡、沖縄などの観光地も拠点となるような立地が望ましいでしょう。

2.駅からの距離は5分以内が理想

次に駅からの距離についてですが、やはり「Airbnb」を見てみると、駅から徒歩10分圏内に物件が集中していることがわかります。ですが、徒歩10分では遠いというのが実情のようです。
アパートなどの賃貸物件の管理代行をする管理会社があるように、民泊物件にも管理を代行する「民泊代行業者」があります。その民泊代行業者でゲストからの問い合わせに対応している女性に取材で話を聞いてみると、民泊用物件が増えた昨今では、駅から徒歩10分では遠く、駅から徒歩5分以内の物件でないと競争に勝てないといいます。土地勘のない外国人旅行者は迷いがちなので、できるだけ駅に近いところに泊まりたいと考えるからです。

観光の拠点となるような駅から徒歩5分以内。もし、そんな物件が見つかったらすぐに押さえたほうがよいかもしれません。

3.「JRの駅近く」ならチャンスあり!

しかし、人気の立地であればあるほど、すでに民泊の物件数が増えすぎて競争が激しくなっていますし、物件を見つけるのも大変です。たとえば、新宿駅から徒歩5分以内で民泊利用が可能な物件を見つけるのは、非常にむずかしいはずです。

そこで、次に注目したいのが「JRの駅近く」というキーワードです。「JAPAN RAIL PASS」というJRが販売している外国人観光客向けのパスをご存知でしょうか? これは、JRグループ6社が共同して提供しているもので、JR各社の電車やバス、新幹線も乗り放題になるパスです。価格は3万8880円で7日間利用できます。ほかにも2週間、3週間のパスもあります。
外国人旅行者は、この「JAPAN RAIL PASS」を利用して、全国各地を観光する人が多いため、JRの駅に近い物件が好まれます。このパスを利用して東京を拠点に広島や京都、大阪、なかには北海道にも新幹線で旅をする人がいました。

ですから、東京駅や新宿、品川といったターミナル駅でなくとも、JR沿線の便利な駅であれば、十分にチャンスはあるといえるでしょう。

4.物件を用意するなら戸建ての賃貸物件がおすすめ

民泊を始めるために、わざわざ物件を購入して始めるのは、得策ではありません。初期費用がかかりすぎますし、民泊需要の変動があったときに臨機応変に対応することができません。
あくまでも可能性の話ですが、日本で大地震があったり、円安が進んでその影響が大きくなったりすれば、外国人旅行者が日本を敬遠することも考えられます。また、2020年の東京オリンピック後となれば、外国人旅行者が大幅に減少することも予想できるからです。

そこで現在、広がっているのが、通常の賃貸住宅を借りるのと同じように、物件を借りて、民泊を始める方法です。ただし、賃貸物件は基本的に転貸が禁止されています。そのため、民泊に利用できるのは、所有者が「民泊での使用を認めている」物件に限られます。こうした物件が、「民泊許可物件」と呼ばれているものです。
ただし、賃貸物件で民泊を始める場合でも、敷金や礼金といった初期費用が必要になります。「民泊許可物件」は人気が高いので、普通の賃貸物件よりも初期費用は高めになっている場合が多く、最低でも数十万円は必要になるでしょう。

また、戸建てかマンションか、どちらが民泊に好ましいかというと、戸建てでしょう。マンションやアパートなど共同住宅の場合、ほかの入居者の賛同を得ることはむずかしく、マンション全体で民泊を禁止しているケースもあります。

一方、米国では、マンションオーナーが入居者に民泊の貸し出しを認めると売上の5〜15%が入るプログラム「Friendly Buildings Program」の導入が始まっています。この制度が日本で広がれば、一気にマンションでの民泊も広がる可能性もあります。

5.自宅で始める「ホームステイ型民泊」がベスト

何よりも低コストで始めるなら、前回もお伝えしたように、自宅の部屋を貸す「ホームステイ型民泊」がおすすめです。その場合、初期費用は3万円もあれば十分です。
新刊『3万円からの民泊投資術』の取材のために、ホームステイ型民泊に挑戦した筆者は、布団とシーツ2組とケトルや観葉植物を買った2万2000円で始めました。

(参考記事)
初期費用3万円!「ホームステイ型民泊」で月14万円を稼ぐ方法

寝泊まりに不自由がなければ問題ないので、冷蔵庫や電子レンジを民泊用の部屋におく必要はありません。キッチン、浴室、トイレはシェアします。
最大手の民泊サイトの規約では、ホストが最低限用意するものとして、清潔なシーツ類、タオル、石鹸、トイレットペーパーをあげています。
ただし、これはあくまでも最低限のものです。これに加えて、ゲストに喜ばれるような設備やアメニティーをそろえておけば、ゲストの評価が高くなり、リピーターになってくれることはもちろん、紹介や口コミで新規のゲストからの問い合わせや予約が増えるはずです。

そこで次に、どんな設備、アメニティーがあると喜ばれるのかを見ていきましょう。

6.Wi-Fiや格安SIMでインターネット環境を整備する
旅行客が最も重要視しているのは、インターネット環境です。インターネットに接続して観光名所を調べたり、スカイプで自国の家族と会話をしたり、ユーチューブで動画を見たりと、よく利用しているようです。ハウスWi-Fiを設置し、IDとパスワードを入力すれば、家のなかでゲストも自由にインターネットができます。

「モバイルWi-Fi」を用意して貸し出してあげれば、外出先でもゲストはインターネットが利用できるので喜ばれます。あるいは、インターネット通信用のSIMカードを用意しておくのもいいでしょう。
詳しい説明は省きますが、SIMカードとは、スマートフォンなどのモバイル端末でインターネット接続や音声通話を行なうために必要なICチップカードのことです。「SIMフリー」といわれるスマートフォンなら、SIMカードをセットするだけでインターネットに接続することができます。MVNOと呼ばれる事業者が提供する格安SIMであれば、利用できる通信量に制限はありますが、月々数百円から利用することができます。

ほかにも、ドライヤーやシャンプー、リンス、カミソリや歯ブラシ、ケトル、コーヒーやお茶、ミネラルウオーター、マグカップなどを準備しておきましょう。あるホストは、女性向けに肌のお手入れができるスチーマー(美顔器)を部屋に置いていると言っていました。マッサージチェアやコーヒーメーカーなども、家にあるものを使ってもらえば喜ばれるかもしれません。
またゲストがよく使いそうなものは、棚にしまわず見えるところに置いておきましょう。

準備は1日で十分! 世界から旅行客を呼び込める!

これで準備はOK! 新たに買い足さなくても、家にあるもので準備ができます。ここにあげたものを用意するのに1日もあれば十分です。
あとは海外から旅行者を呼び込むだけです!

元手3万円といわず、資金がある人は、もっとお金をかけて、ガッツリ稼ぐために、部屋数を増やしたり、簡易宿所の許可を取ったりして、本格的な運営をやりたいと考えている人もいるかもしれません。
ですが、私としては、そんな方にも、まずは3万円からホームステイ型民泊を試してみてほしいのです。

どんな人が、どんな目的で日本を訪れるのか? なぜホテルではなく民泊を選ぶのか? 実際にホームステイ型民泊をやってみると、手に取るように、彼らの目的や求めているものがわかります。
それを経験してから、より多くの資金を投じてみても遅くはないと思うのです。

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この記事を書いた人

暮らし研究所エメラルド・ホーム代表

暮らしのジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 1979年岐阜県生まれ。 情報誌の編集、フリーライターを経て現職。空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、お得なマネー情報の研究に目覚め、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。講演・執筆・FP相談を通じて、家探しの基本から中古住宅の価値向上とリノベーションの魅力を伝えている。空き家活用に関するセミナーは3年でのべ2000名が参加し、「わかりやすくて、おもしろい。勇気がもらえる」と幅広い世代から好評を得ている。著書に『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)、『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)など。

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