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収益物件の裏を見抜くための知恵(7)

投資物件を見学する際に見ておきたい7つのポイント

枦山 剛枦山 剛

2016/03/28

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物件を見る際のふたつの視点

物件見学において大事なことは、ふたつの視点を持つことです。それは、「入居者の視点」と「投資家の視点」です。両方の視点で見たときに魅力的な物件かどうかを、チェックしていきましょう。

(1)交通の便をチェック
まずは交通の便です。公共交通機関を利用するエリア(都心部が多い)では電車の駅・バスの停留場までの距離を、自動車の使用が基本のエリア(郊外が多い)では主要幹線道路までの時間をチェックします。

特に前者の場合は、自分で歩いて時間・距離を確認したほうが確実です。書類上は「徒歩5分」となっていても、これは単純に1分=80メートルとして距離を換算したものに過ぎません。

実際には急な勾配が続いているかもしれませんし、交通量の多い大きな交差点があるかもしれません。そうなると「徒歩5分」以上かかる場合も多々あります。書類や地図からはわからないことをしっかり確認しておきましょう。

(2)周辺施設を確認する
実際に自分の目で確かめるといえば、建物周辺の施設を確認することも大事です。商業施設や病院・学校の有無は、賃貸需要があるかどうかの大きなポイントになります。特に嫌悪施設が無いかは必ず確認してください。特に臭いや騒音の出る施設は入居率に大きな影響が出ます。時間帯を分けて何回か確認して近隣の商店などに聞き込みをすることをおすすめします。

(3)入居状況をチェック
集合住宅の場合は、入居状況のチェックをします。集合ポストを見れば、どれくらいの入居率かはすぐにわかります。正確に知るためには、各部屋の電気メーター・ガスの元栓を確認すれば、入居しているのかどうかがわかります。入居率が高ければ、すぐに新しい入居者が現れやすい物件だということです。

(4)室内のチェック
室内に関しては、間取りとの整合性や老朽化が進んでいるかをチェックし、そのまま貸し出せるのか、原状回復工事が必要なのかを判断します。

設備は実際に動かさないと支障があるかわかりません。見た目がよくても要注意です。扉はすべて開けて、なかをすべて確認して、畳があるなら畳をめくり下地の具合等も確認すると表面には見えない痛みが発見できます。

このときの必需品は、デジカメとメジャー。写真を撮っておくと後から振り返りができますし、工事が必要な場合の見積もりも出しやすくなります。

一棟の場合は前面道路・境界線もチェック

(5)道路のチェック
一棟マンション・アパートの見学の場合は、前面道路は必ずチェックします。もし面々道路が狭ければ、再建築の場合面積を減らされる可能性があります。また、自動車が入ってこられるかどうかもポイントです。

(6)境界線のチェック
そして、境界線を示す杭や石があることも忘れずに確認しましょう。どこまでが敷地として有効なのかを確認しておかなければ、後々トラブルになることがあります。もし境界線を越えて屋根や庇が設置されていたら、不動産会社にすぐに相談しましょう。

(7)管理状況をチェック
トラブルのもとになりやすいといえば、建物の管理状況です。掲示板にどのような注意事項が貼られているのか、入居者による迷惑行為はないかなどを確認しておきます。

また、エントランスや駐輪場など、清掃や整理がされているかどうかが目につきやすい場所をチェックすることで、管理会社や管理組合が機能しているか、迷惑者がいるかいないかもわかります。もし清掃が行き届いていない場合は、購入後に管理会社の変更も視野に入れながら検討しましょう。

最後に地元の不動産会社を訪問

現地見学の最後にぜひともしておきたいこと、それは地元の不動産会社を訪問し、該当エリアの賃貸需要を聞き出すことです。賃料の相場はもちろん間取りや築年数、駅からの距離などどのような物件が決まりやすいのかをチェックすることで、事業計画・収支計画を立てやすくなります。

不動産というものは、理想に完璧に合う物件はまずありません。妥協するところは妥協し、追及するところは追及し購入するものです。その判断をするためにも、現地見学で得た情報を加味しながら、総合的に購入の検討をしましょう。

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この記事を書いた人

中学卒業後に大工、建設業、鉄工業などを経て、97年、若干23歳の時に鉄工業で創業する。大手ゼネコン5次下請けからスタートし、最終的には総合建設業者として大手ゼネコン5社の内2社、準大手ゼネコン5社、財閥系商社、建材メーカー、設計事務所、他数百を超える顧客と直取引するまでになり職人100人前後を抱える。同じころ飲食店、建設業専門経営コンサルタント業などを行なう関連会社3社も経営し、事業の多角化を行なう。 その間、約24年で多くの大型開発工事、投資用マンションとアパート建築、高層ビル建設、公共施設工事、メーカーの建材開発に携わり新施工法や新製品の商品化に貢献し徹底した品質管理と原価構造を学ぶ。しかし、拡大路線が裏目に出て廃業に至る。これを契機に経営者としての人生を徹底的に見つめ直し、顧客と社員と自身の相互利益を探求し学ぶ。 その後、不動産コンサルティングの業務に魅了され転身。 業界の活性化や顧客満足度の向上を阻む建設業界や不動産業界の古い慣習と収益構造に疑問を持ち、既成概念にとらわれない顧客サービスを模索し経営方針を固める。 現在、「経済活動を通し社会の不満、不便、不安を解消する」を経営方針に掲げ、顧客と企業の相互利益がかなうビジネスモデルを手掛け、建設と不動産に関わるすべての業界に変革を呼びかける。 (保有資格) 不動産系 1. 宅地建物取引士 2. 管理業務主任者 不動産コンサル系 1. 不動産コンサルティングマスター (合格後未登録) 2. 住宅建築コーディネーター 3.賃貸不動産経営管理士 4. 既存住宅アドバイザー 建築系 1. 一級建築施工管理技士 2. 監理技術者資格者証 3. 監理技術者講習修了証 4. 建築物石綿含有建材調査者 5. 特殊建築物調査資格者 6 マンション健康診断技術者 7. ブロック塀診断士 8. 建築仕上診断技術者 金融系 1. 貸金業取扱主任者 2. 住宅ローンアドバイザー ほか、損害保険募集人資格4種保有 その他 1. 相続診断士 2. 上級個人情報保護士 ほか、労働安全衛生法による資格16種保有

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