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収益物件の裏を見抜くための知恵(6)

利回りが高いからといって飛びついてはいけない

枦山 剛

2016/03/28

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高すぎる利回り=裏に何かある

 投資物件を探すときに、ひとつの目安となるのが「利回り」です。利回りには「表面利回り」と「実質利回り」のふたつがあります。物件情報に書かれている利回りは、ほとんどの場合は、表面利回りのことです。表面利回りは、不動産の購入価格(物件の取得価額)に対する年間収入(家賃収入等)の割合のことをいいます( http://sumai-u.com/?p=3661 )。

 ポータルサイトなどから送られてくる物件情報を見ていると、なかにはとても魅力的に思える高利回りの物件が入っていることがあります。利回りが高いということは、物件価格が安いか家賃が高いかのどちらか、もしくはその両方ということです。「安い物件なのに高い家賃が取れる」と聞くと、何か裏があるように思いませんか?

 新築物件でない限り、すでに入居者がいますから、家賃の額は決まっています。そうすると、利回りが高いということは、物件価格が安いということです。不動産価格が高い水準にある現在、実は、そうした安値の物件には何かしらの理由があることが多いのです。

 たとえば、借地権の物件や再建築不可物件、違法建築物件、事故物件などのほか、交通の弁が悪すぎる、立地が悪すぎる、極端な田舎にあるなど、安い値段をつけているには理由があるのです。

 そうした物件を購入してしまうと、入居者の確保がむずかしかったり、修繕にお金がかかりすぎて収支がマイナスになってしまったりと、賃貸経営は困難を極めます。そして、建て替えもできなければ、いざ売却しようにも買い手がつかないという悲劇さえ起こってしまいます。

 確かに、利回りの高い割安な物件は不動産投資をする上では狙い目の物件といえます。ただし、割安というのはあくまでも「物件の価値に対して価格が安い」ということです。当然のことですが、単純に金額が安い物件のことをいうのではないのです。

利回りだけで投資判断はできない

 価格と利回りは不動産投資をするうえで、重要な要素です。とはいえ、前述したように物件の価値に対する価格が安いのか高いのか、実質利回りはどれくらいなのか、ということが重要です。単純に安いから、表面利回りが高いからといって、たとえば地方や郊外のワンルームマンションを購入するのは考えなければなりません。

 表面利回りが高くても、実際に賃料として入ってくる額はせいぜい3〜4万円程度でしょう。そうすると、管理費や修繕積立金、税金などを支払えば、手元にはいくらも残りません。さらに、リフォーム代や修繕費がかかるとなると…。

 それに入居者がいる状態でのオーナーチェンジならまだいいのですが、入居者がいない状態で売られている物件の場合、家賃を下げなければ入居者がつかないことも考えられます。そうなれば当然、購入時に期待した利回りを得ることはできません。

 まずは区分を購入してそれを担保に投資を拡大するという考え方もあるので、その足掛かりとして購入を考える人もいるかもしれませんが、そのようなマンションが金融機関で担保として評価してもらえることはまずありません。

 収入の割に出て行く金額が大きいので利益はほとんど出ませんし、売却しようにも買った価格よりも高く売れる可能性はほとんどないでしょう。投資対象としてはおすすめできるものではありません。

 いずれにしろ、利回りは高ければいいといいわけではありません。あくまでもひとつの目安として考え、投資物件としての価値を見きわめることが大切です。

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この記事を書いた人

建創パートナーズ株式会社 代表取締役

1973年、横浜生まれ。中学卒業後に大工、建設業、鉄工業などを経て、97年、若干23歳の時に鉄工業で創業する。大手ゼネコン5次下請けからスタートし、最終的には総合建設業者として大手ゼネコン5社の内2社、準大手ゼネコン5社、財閥系商社、建材メーカー、設計事務所、他数百を超える顧客と直取引するまでになり職人100人前後を抱える。同じころ飲食店、建設業専門経営コンサルタント業などを行なう関連会社3社も経営し、事業の多角化を行なう。 その間、約24年で多くの大型開発工事、投資用マンションとアパート建築、高層ビル建設、公共施設工事、メーカーの建材開発に携わり新施工法や新製品の商品化に貢献し徹底した品質管理と原価構造を学ぶ。しかし、拡大路線が裏目に出て廃業に至る。これを契機に経営者としての人生を徹底的に見つめ直し、顧客と社員と自身の相互利益を探求し学ぶ。 その後、不動産コンサルティングの業務に魅了され転身。 業界の活性化や顧客満足度の向上を阻む建設業界や不動産業界の古い慣習と収益構造に疑問を持ち、既成概念にとらわれない顧客サービスを模索し経営方針を固める。 総合建設業、不動産コンサルタント業、経営コンサルタント業を行なう建創パートナーズ株式会社の創業に参画し、代表取締役に就任する。 現在、「経済活動を通し社会の不満、不便、不安を解消する」を経営方針に掲げ、顧客と企業の相互利益がかなうビジネスモデルを手掛け、建設と不動産に関わるすべての業界に変革を呼びかける。 (保有資格) 不動産系 1. 宅地建物取引士 2. 管理業務主任者 不動産コンサル系 1. 不動産コンサルティングマスター (合格後未登録) 2. 住宅建築コーディネーター 3.賃貸不動産経営管理士 4. 既存住宅アドバイザー 建築系 1. 一級建築施工管理技士 2. 監理技術者資格者証 3. 監理技術者講習修了証 4. 建築物石綿含有建材調査者 5. 特殊建築物調査資格者 6 マンション健康診断技術者 7. ブロック塀診断士 8. 建築仕上診断技術者 金融系 1. 貸金業取扱主任者 2. 住宅ローンアドバイザー ほか、損害保険募集人資格4種保有 その他 1. 相続診断士 2. 上級個人情報保護士 ほか、労働安全衛生法による資格16種保有

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