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賃貸管理会社を使うメリットとデメリット――よい管理会社の見極め方

斎藤 岳志斎藤 岳志

2021/08/25

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イメージ/©︎zephyr18・123RF

管理会社を使うメリットは

中古マンションで頭を悩ますことの1つが管理をどうするかということです。

私自身は「得意なことは得意な人に」という考えから、管理会社に任せているという話を前回しました。そこで管理会社に任せるメリットとデメリットについて改めて、考えてみます。

管理会社に任せる1つ目のメリットはなんといってもいつ起きるか分からないトラブルなどの入居者とのやりとりから開放されるという点です。

なかには、修理などで多額な費用がかかるといった場合など管理会社から対応について判断を求められることはありますが、これは稀なことです。ほとんどの場合、管理会社が適切に対処し、費用がかかった場合は実費を後日請求されるということで対応してもらえます。

2つ目は、家賃の入金管理、支払い遅延などがあった場合の督促といったことを専門的な立場から、対応してもらえるということです。

 

3つ目は、空室になった際の入居者の募集や手続きといったことを任せることができます。大家業にとって最大のリスクは空室リスクです。そこでいかにこの空室期間を短くするかはとても重要です。

とくに大家業をはじめたばかりのころは不安も多く、よい管理会社や担当者はそういった面でも相談相手にもなってもえます。

では、具体的には管理会社はどのような対応をしてくれるのか。

家賃の支払いの遅れや滞納があった場合、入居者にいかに早く連絡をして、回収しようとする動きをしてもらえるかが重要です。

電話をかける、不在であれば留守電を入れるということはもちろんですが、特に最近は 携帯電話へショートメッセージ(SMS)を入れるということも行っているようです。

また、日常的なトラブルでは、少額の場合は、事前に修理費用が2万円以下は事後報告で、といような取り決めをしておけば、小さなトラブルはいち早く対応してもらえます。

一方、エアコンや給湯器の故障など、まとまった費用がかかるものは、入居者から管理会社に連絡が入った後、部屋に確認に行く前後で、必ず連絡をもらい見積もりを出してもらうようになります。

管理会社を使うデメリットは

一方、マイナス面はどうでしょうか。

これはやはり、毎月の家賃の手取りが減るということになります。金額は賃貸管理会社によって違いはありますが、だいたい月額家賃の3~7%というのが相場です。

管理会社の日常業務としては、何もなければ毎月の家賃の振り込みの確認です。こう考えると、単に入金の確認だけに毎月家賃収入の3~7%が減るわけですから、この費用をもったいないと感じるかもしれません。しかし、何かあったときの対応はほぼすべて任せられるわけですから、私は大家業を円滑に進めるための保険料と思って負担しています。

とはいえ、ここで問題になるのはその管理会社がきちんとした対応をしてくれる会社かどうかどうかということ。つまり、任せられるだけの信頼できる会社かということです。

それを見極めるには、まずはその会社の実績を確認すること。次に実際に営業担当者と話してみることが重要です。また、可能であれば、その管理会社を使っているほかの大家さんの意見を聞ければいうことはありません。

管理会社の善し悪しを決める1つの基準として、私はいわゆる「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」を迅速に行ってもらえるかどうかだと思っています。

ただ、最初はとてもよい管理会社であっても担当者が変わってぜんぜんダメになるということもあります。そうした場合は前任者に相談したり、担当者の上司に直接、話をするなどできるだけ早く対応することをおすすめします。

いずれにしても、小さなことであってもなんらかのトラブルは入居者にとっては不便なことですから、その対応によっては退去につながることもあるでしょう。その対応の窓口になる管理会社の役割は非常に重要です。

そのため大家への対応だけでなく、入居者視点からよい管理会社がという目で、管理会社を見分ける必要があります。 

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

FPオフィス ケセラセラ横浜代表 百貨店在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。 マイホーム購入・売却相談のほか、不動産投資のサポートも行なっている。株式投資やFXなど一通りの投資を実践した後、2007年より不動産投資をスタート。現在は、自らの資産運用はほとんど中古マンション投資に絞って取り組んでいる。

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