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賃貸経営・不動産投資、困ったときのフクマルさん ♯3 〜増える高齢者と賃貸住宅〜(1/3ページ)

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イメージ/©︎twinsterphoto・123RF

不動産と建築の業界に携わって今年で33年目。「住まいは女性が一番知っている」「女性の大家さんには堂々と賃貸経営に携わってもらいたい」「安心安全な不動産取引をしてもらいたい」、このような思いから、女性大家の会「白ゆり大家の会」を2016年に立ち上げました。 

不動産業界で生き残れるかどうかは、知識があるかないかで変わる、と私は思っています。私の経験談、そして、昨年の民法改正などについて、私独自の見解も交えながら6回にわたってお届けさせていただきます。

◆◆◆

高齢者の入居はお断り!? その理由は…

これから加速する少子高齢化現象のなかで、 2030年には、高齢者の4割が一人暮らしになると言われています。高齢者に対して賃貸住宅を所有している大家さんは、どのように対応していけばいいのでしょうか。

近年、高齢者の単身世帯が増加しているなか、賃貸住宅などにおいては、相続人の有無や所在が明らかではない単身者が、死亡した際の賃貸借契約の解除、また、居室内に残された動産(残置物)の処理への不安感から、高齢者の入居の申し込みを大家さんは拒絶している、という問題が多発しています。

入居者が天涯孤独の身の上であるような場合でも、法律上は、大家さんが勝手に残置物を処分することはできないのです。万が一、相続人がいない入居者が死亡した場合、相続財産管理人と呼ばれる人が裁判所によって選任され、その管理人が残置物を管理することになります。そうなると、処理にものすごく時間がかかるのです。

このように、身内がいない、相続人がいない、また、いたとしてもその人の所在が明らかではない場合などもあります。入居中の単身高齢者が死亡した場合、室内の孤独死だけでなく病院での死亡でも賃貸借契約は相続されるので、それ以上の債務が発生しないように速やかに賃貸借関係を処理していく必要があり、その賃貸借契約の解除や、また、居室内に残された残置物の処理への不安感から入居の拒絶となってしまうのです。しかし、人口減少で高齢者社会となったいま、空室対策には契約条件の緩和も必要になっています。

また、自分も高齢者でリスクが分かっているから対処できる、と積極的に引き受けている大家さんが私のコミュニティに参加してくださっています。対処法さえ知っていれば、リスクは軽減できるのです。

次ページ ▶︎ | 高齢者を受け入れるための対処法 

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この記事を書いた人

株式会社アトリエハウス 代表取締役・「白ゆり大家の会」主宰

保育士、製菓会社、建売会社のCADオペレーター・現場審査立会い業務を経て賃貸仲介会社へ転職。その後、地元老舗不動産会社から事業拡大のためヘッドハンティングされ、宅地開発、建売事業を行いながら賃貸管理会社・建設会社を設立。全営業責任者となり、建築営業において全国NO.1の営業表彰を受ける。2014年、アトリエハウスを設立し独立。不動産コンサルタント・講師業として活躍。不動産会社、建築会社や賃貸住宅オーナー向けに講習会も行う不動産のエキスパート。 資格:ファイナンシャル・プラニング技能士2級、宅地建物取引士、2級建築施工管理技士、賃貸不動産管理士、住宅ローンアドバイザー、不動産キャリアパーソン、損害保険代理店資格、占術鑑定士(四柱推命・気学<九星・方位・家相学>)、保育士・幼稚園2級教諭。

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