賃貸募集成約事例ファイル――遠方からの移住 オンライン対応で成約へ
賃貸募集成約事例ファイル
2021/08/10
『ハピネスタウン久居幸町』黒い外観がスタイリッシュ 画像提供/田中オーナー
「賃貸募集成約事例ファイル」――それは賃貸物件を所有する大家さんが直接入居希望者を募ることができるウチコミ!を活用し、実際に成約した事例を紹介するコーナー。今回は、関東から三重県への移住を希望された入居希望者と、ウチコミ!とSNSのやりとりで成約に至った田中オーナーに、ウチコミ!成約までの工夫や、賃貸経営への想いを聞いた。(取材・文/浦邊 真理子)
ウチコミ!が動き出した
――ウチコミ!を使い始めたきっかけを聞かせてください。
私は自主管理なので、オーナーが自ら働きかけることができる仕組みがないかとインターネットで探していました。そして、ウチコミ!を発見し登録したのが2019年になります。
所有物件は、大阪と自分の生まれ育った三重県にあります。最初は、ウチコミ!からの問い合わせが少なくて……。でも、利用料も広告料もかからないから、そのまま掲載していたんです(笑)。そんな状態でメールアドレスを変えたのを忘れていたら、ウチコミ!から「入居者さんからお問い合わせ入っていますよ」と電話で連絡があり、助かりました。最近は問い合わせが増えてきたように感じます。
――ご自身で物件情報を掲載するのは難しくなかったですか。
パソコンを使うのは慣れているので問題はありませんでした。
ウチコミ!は写真がたくさん掲載できるのがいいところですが、一つ一つ写真にコメントを入れるのは大変でした(笑)。でも、写真で入居希望者さんがある程度部屋の雰囲気など把握できるので、大切だと思って頑張りました。
間取り図面は自分で作って掲載しています。本業で広告代理店をしているので、パンフレット作りや画像編集ソフトウエアにも慣れていたため、難しい所はとくにありませんでした。これからは近隣の施設やお店の情報なども掲載しようと思っています。
オーナー自ら作成した図面 とても見やすく通常の図面より親しみやすい工夫がされている
移住希望の人がオンライン内見で成約
――今回の入居者は遠方からの移住だそうですね。
そうなんです。以前に旅行で三重県にきて、とても気に入ったということで移住を考えているというお問い合わせでした。
お問い合わせをいただいて、三重県は私の育った地域でもあるので、やりとりのなかで、水害からの安全性、住み心地、地元住民ならではの意見やお勧めポイントなどもお伝えしました。
入居者さんは、最初は三重県で違う物件に決めかけていたそうですが、やりとりしたことで私の物件に決めてしてくださったようです。
取材時の田中オーナー 朗らかな人柄の二児のお父さん 撮影/編集部
――内見はどうされたのですか。
遠方だったので、わざわざお部屋を見るためだけに来ることは難しく、最初はLINEを用いた内覧をご希望でした。しかし内見当日、トラブルでLINE動画をつなげることができなかったんです。そこで、私たちが携帯で動画撮影をして、すぐにYouTubeに掲載しご覧いただくという、新たな試みで内見してもらいました。
――臨機応変な対応力で成約につながったのですね。
時代を感じましたね。今までに聞いたことがないケースでした。YouTube で部屋を見ていただいた以外にも、LINEやウチコミ!内で連絡を取り合い、質問に答えることで安心してもらえたようです。お問い合わせからスムーズに決めていただくことができました。入居後の不安点や質問も、LINEから画像付きで問い合わせがありすぐに解決できました。
親の賃貸経営から学んだ“大切なこと”
――田中オーナーは二代目とのことですが、何か賃貸経営で工夫されていますか。
平日は本業があるので、週末などに物件に通って入居者さんとコミュニケーションをとったり、共用部を掃除したりしています。
親がやっているときから、物件の掃除は手伝っていました。そのときは「なんでこんなことしなきゃいけないの?」と思っていましたが、今になって共用部、ゴミステーションが清潔であることで入居者さんが気持ちよく生活していただけるので、大切さを感じています。
――全て自分で行っているのですか?
できる範囲は自分でやり、リフォームなどは業者に任せています。この物件のある久居幸町は、ゴミの仕分けが細分化しているので捨て方も大変です。なので、ゴミステーションを仕分けし、入居者さんが捨てやすくしました。初めはルールを守らず適当に捨てる人も多くて、なかなか改善されませんでしたが、根気よく続けることや、入居者さんとコミュニケーションを取ることで、丁寧に扱ってくれきれいに出してくれるようになりました。ゴミ出しが面倒になると、部屋にゴミをためてしまうようなケースもあります。そうなると生活にも影響がでて、住まいに愛着がなくなると思うので改善されてよかったと思います。
24時間ゴミ出しができることで住環境も向上。清掃も行き届いている 画像提供/田中オーナー
利回りだけを考える賃貸経営は自分には合っていない
――オーナー業はどのようなものだとお考えですか。
自分なりにオーナー業というのは、「入居者さんの生活を提供している立場」だと思うんです。その対価として家賃をいただいている。理想論かもしれませんが、「金儲け」とは思えないんです。入居者さんに少しでも居心地よく住んでほしいと思っています。
そのために週に一度物件に行っているのですが、入居者さんと会って話すことで、状況が分かったり、性格や少し困っていることが分かったりします。
人と人なので顔を合わせて話をすることで、多少でもお互いのことが分かり、トラブルにつながることも少なくなると思います。住んでいて嫌なことがあれば引っ越ししようかなと思いますが、何もなくても引っ越しすることもありますよね。お互い知っているだけで「まぁここも悪くないし」と長い入居につながることもあるかと思います。
オーナーと入居者さんのコミュニケーションはとても大切だと思っています。こちらも知っている人であれば、何かトラブルがあっても「悪い人じゃないし……」となるし、助けてあげたいなと思うんですよね。
一つ一つ学びながら試行錯誤…だけどそれが楽しい
――最後にウチコミ!を利用した感想を教えてください。
物件は古くなり、地方の家賃は下がる一方です。高齢化も進み、高齢者の入居はオーナーにとって問題が発生しやすいことは否めません。
募集のノボリを付けてみたり、外壁塗装をして思い切ってスタイリッシュにしてみたり、ゴミステーションをきれいにしたり、ウチコミ!の利用も含めてさまざまなことを試行錯誤し、新しいものを取り入れています。直ぐに目に見える結果ではないのかもしれませんが、確実につながっている実感があります。
ウチコミ!は、入居希望者さんと直接やりとりできるので、今回のような移住や、遠方からの問い合わせなど、全国の方に向けて募集をしている実感が持てました。
――田中オーナーありがとうございました。
【田中オーナーの現在募集中の部屋情報】※成約した場合は閲覧できません
パークハイム山坂(大阪府大阪市東住吉区)
ハピネスタウン久居幸町 B棟 4階C(三重県津市)
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この記事を書いた人
賃貸募集成約事例ファイル 担当編集
「賃貸募集成約事例ファイル」では、賃貸物件を所有する大家さんが直接入居希望者を募ることができるウチコミ!を活用し、実際に成約した事例や、ちょっとしたアイデアで空室が解消された事例などを紹介していきます。それぞれの工夫や取り組みが、賃貸経営に悩めるオーナーに対して少しでも参考になればと思います。