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マンション価格は税込み? それとも税抜き?

中古マンション購入に消費税はかかる? それともかからない?【マンション購入と消費税】

斎藤 岳志斎藤 岳志

2017/07/28

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不動産の取引に消費税はかかる?

消費税とは、そもそもどんなときに支払う税金なのでしょうか?

消費税は、名前が示すように、モノやサービスを「消費」したときにかかる税金です。

では、不動産の売買取引をした場合、消費税はかかるのでしょうか。

結論からお伝えすると、土地には消費税はかかりませんが、家などの建物には消費税がかることになっています。

土地は、利用しても傷ついたり価値が減ったりするものではないため、消費されませんが、家などの建物は、新築時はピカピカで設備も最新ですが、時間の経過とともに少しずつ傷んでいきますし、価値も下がっていくものなので、消費されるものと考えればわかりやすいかもしれません。

消費税と不動産の関係を考える出発点としては、土地には消費税はかからず、建物には消費税はかかると考えておいてください。

マンションに消費税がかかるかどうかは売り主で決まる

家などの建物には消費税がかかるのであれば、マンションを購入した場合にも、当然、消費税はかかるということになります。ですが、実は、マンションを購入した場合でも、消費税がかからないケースがあるのです。

国税庁のホームページを見ると、「消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引を課税の対象としています」と書かれています。

この「事業者が事業として対価を得て行う取引」というところに注目してください。具体的に言えば、マンションに消費税がかかるかどうかは、売り主が事業者かそうでないかで決まるということです。

新築マンションの場合は、売り主は不動産業者なので、消費税がかかります。新築一戸建ての場合も売り主は不動産業者、もしくは建築業者ですから、消費税がかかります。

中古マンションの場合はどうでしょうか。中古マンションの場合でも、売り主が不動産業者であれば、建物に対しては消費税がかかってきます。

一方、売り主が個人の場合であれば消費税はかかりません。個人間でマンションを売買しても、「事業者が事業として対価を得て行う取引」には当たらないからです。ですから、一般の人が、住み替えなどのためにマンションを売却する場合であれば、そのマンションを購入しても消費税はかからないのです。

売り主が個人か事業者かを確認する方法は?

それでは、気になる中古マンションがあったときに、売り主が業者なのか個人なのかを確認するにはどうしたらいいのでしょうか。

中古マンションのチラシや販売図面のなかに「取引態様」という欄があるのを見たことはないでしょうか。

取引態様とは、「不動産取引における不動産会社の立場」のことです。

取引態様の欄に「売り主」と書いてあれば、その販売図面に記載されている不動産会社が自社の所有物件を売っていることがわかります。この場合、売り主は不動産会社ですから、その中古マンションには消費税がかかります。

ただし、取引態様に「仲介」とか「媒介」と書かれている場合は、販売図面だけでは判断がつかないので、そのチラシや販売図面に載っている仲介業者に問い合わせれば、売り主が不動産会社なのか個人なのかがわかります。

また、ご自身の目でもハッキリと確認をしたい場合は、その物件の登記簿謄本を見ていただくと、所有者が誰なのかが記載されています。その名前が会社の名前であれば消費税がかかりますし、個人名であれば、消費税はかかりません(これに当てはまらないケースもあるのですが、ここでは割愛します。一般的にはそのように判断して問題ないと考えておいてください)。

消費税がかかるマンションには特例がある


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消費税がかかるマンションの場合、表示されている物件価格にさらに消費税がプラスされるのか…と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。

不動産の場合、販売図面やネットに掲載されている物件価格は、ほぼ例外なく「消費税込み」の金額で表示されています。消費税を別途、支払わなければならないケースはほぼないと考えて問題ないでしょう。気になる場合は、売り主業者や仲介業者に事前に確認してください。

とはいえ、できれば消費税を負担したくないと考える人が多いのではないでしょうか。計算上、消費税が8%の場合、3000万円の中古マンションを購入すると、240万円の消費税を負担しなければなりません。

せっかく気に入った中古マンションが見つかっても、それが売り主物件(売り主が不動産会社である物件)だった場合、消費税を負担したくないからという理由で購入を諦めてしまうのは残念なことです。

そこで、消費税がかかる物件を購入した場合には、その負担を軽減するために、税制上の特例や給付金の制度が設けられています。具体的には、住宅ローン減税の拡充と、すまい給付金の支給です。

住宅ローン減税の拡充

住宅ローン減税とは、住宅ローンの年末残高の1%に当たる金額が、10年間にわたって所得税から差し引かれる制度です。

まず、消費税がかからない中古マンションの場合、住宅ローン減税の最大控除額は10年間で2000万円(年間20万円)です。

一方、消費税がかかる中古マンションを購入した場合、最大控除額は10年間で4000万円(年間40万円)となります。

住まい給付金の支給

また、すまい給付金という制度もあります。

これは、購入した人の収入に応じて給付金が受けられるものです。収入額の目安が510万円以下の人が住宅を取得する場合に、最大で30万円の給付を受けることができます(消費税が8%の場合)。

消費税の負担を緩和するためにつくられた制度なので、将来的に、消費税が10%になったときには、収入額の目安が775万円以下の人を対象に最大50万円の給付に拡大される予定です。

ちなみに、「収入額の目安」とご説明したのは、給与所得者のいわゆる「額面収入」ではなく、都道府県民税の所得割額によって収入を確認するためです。

詳しくは、すまい給付金のホームページを参考にしてください。すまい給付金の対象となるか、いくらぐらいもらえるのか、シミュレーションしてみることもできるので、一度、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

マンションは消費税が上がる前に買ったほうがいい?

最後に、中古マンションを買うなら消費税が上がる前に買ったほうがいいかどうかについて、私の考えをお伝えしておきましょう。

結論から申し上げれば、そのことに意識を向けすぎるのはよくないと私は考えます。なぜなら、消費税に目を奪われて、ご自身のライフスタイルや、本当にご自身の希望に合った物件かどうかという、マイホーム購入の最も大切な視点を見失いかねないことが懸念されるからです。

たとえば今後、消費税が8%から10%上がるタイミングがくるとしても、アップする2%分が、そのまますべて負担増につながるとは限りません。

増税に伴って、住宅販売が激減してしまうと経済にも大きな影響が出てきます。そのため、ローン控除や住まい給付金のような減税策が講じられる可能性もあります。

また、不動産会社としても、販売の落ち込みを避けるために購入者の負担を軽減するような措置を取ることも考えられるでしょう。

住宅は生涯で最大の買い物です。くれぐれも、あわてて購入することのないようにお気をつけください。

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

FPオフィス ケセラセラ横浜代表 百貨店在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。 マイホーム購入・売却相談のほか、不動産投資のサポートも行なっている。株式投資やFXなど一通りの投資を実践した後、2007年より不動産投資をスタート。現在は、自らの資産運用はほとんど中古マンション投資に絞って取り組んでいる。

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