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「駅から徒歩10分超え」なら売却を考えよう

資産価値が下がる前に、いますぐ売却を検討したほうがいいマンションの3つの条件

高橋正典高橋正典

2016/01/04

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すぐに手放すべきマンション・3つの要素

新築マンションの価格が高騰しているいま、中古マンションの購入を検討する人が増えています。
ですが、中古マンションであればすぐに売れるかといえば決してそうではなく、条件によってはなかなか買い手がつかない物件も存在します。もし、そのような売りにくいマンションを売りに出すことを考えているのなら、売るタイミングはいつがいいのかといったことを考えるよりも、いますぐに売りに出してしまったほうがいい場合があります。

ここでは、ずっと住み続ける意思がないのであれば、すぐに手放してしまったほうが得策といえるマンションの特徴についてご説明します。具体的には、以下の3つの条件に該当する場合は、すぐに売却を検討されることをおすすめします。

<1>駅から徒歩10分超えのマンション

中古マンションの購入希望者が重視するのは立地です。なかでも特に大切なのは、交通利便性です。
新築マンションの場合は、「新築だから多少駅から遠くても」と考えて妥協する人も多いようですが、中古マンションの場合は、「築年数よりも駅近の便利さ」を優先して探している人が多いのが現状です。

最近では、高齢者が郊外の一戸建てを売却し、駅近くのマンションに住み替えるパターンが増えていますが、この場合でも立地は最重要ポイントになっています。

特に、駅からバスを利用しないといけない郊外型大規模マンションは非常に危険です。
築後何十年も経過すると、住人も高齢化し、戸数が多ければ多いほど管理組合の運営などもむずかしくなっていきます。管理が行き届かなくなれば、当然、建物の傷みが進み、資産価値は下がってしまうでしょう。
また、そのようなマンションは空き部屋が増えていることが多くなっていることも無視できません。同じマンションのなかに売り物件や空き部屋が多くあれば、当然、売値を安くしてもなかなか買い手がつかないということも考えられます。

もちろん、ずっと住み続けるのであればどんな立地でも構いませんが、将来的な売却を考えているのであれば、駅から徒歩10分以上のマンションは早めに売却したほうがいいでしょう。

<2>1981年が境目! 旧耐震基準のマンション

現在の新耐震基準が導入されたのは、1981年(昭和56年)6月1日です。そのため、この日以降に建築確認を受けた建物は新耐震基準をクリアしていることになります。

逆にこの日以前に建築確認を受けている建物は、旧耐震基準によって審査されていることになります。もちろん、そうした建物がすなわちすべて危険というわけではありません。しかしながら、耐震性が十分ではない物件である可能性があるわけです。買い主からは敬遠されてしまう可能性が高いと言えるでしょう。

また、旧耐震基準のマンションは、住宅ローンの融資審査が厳しくなっています。これは、買い主にとって大きなデメリットとなります。
たとえば、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供している長期固定金利住宅ローン【フラット35】では、耐久性・耐震性の審査を受ける必要がありますし、民間金融機関のローンであれば融資期間が短くなることがあります。

いまの段階では旧耐震基準のマンションでもローンを組むことができますが、今後はローンを組むこと自体がむずかしくなることが予想されます。都心の好立地にあるブランドマンション以外は買い手もつきにくくなるので、旧耐震基準のマンションを持っている人は、取引のできるいまのうちに売却してしまったほうがいいでしょう。

<3>総戸数30戸以下の小規模マンション

30戸以下というのは目安ですが、小規模マンションの場合、スケールメリットがきかないことから、1戸当たりの管理費・修繕積立金が割高になるなどのデメリットが生じます。

こうしたデメリットは、新築時には表に出てきません。なぜなら、売りやすくするために、管理費・修繕積立金をわざと低く設定している販売会社も多くあるからです。
そうすると、当然、管理費・修繕積立金に不足が生じるため、管理費・修繕積立金を段階的に値上げをするか、一時金の徴収などで帳尻を合わせることになります。一般的には、大規模修繕(新築から10~15年後に行われることが多い)後に、倍近くに値上げされるケースが多いようです。

小規模マンションであっても、これから住民の高齢化が進んでいきます。そうなると、管理組合の活動が停滞してしまうことが懸念されますし、前述のような事情から管理費・修繕積立金が不足することも十分にありえます。
管理費・修繕積立金を値上げしたくても、負担増を嫌う住民の反対があってうまくいかないケースもあり、管理組合の資金不足により大規模修繕が行えなくなるなど、負のスパイラルに陥る可能性もあります。そうなると、最終的には、マンションがスラム化してしまうかもしれません。

さらに、総戸数20戸未満で自主管理をしているマンションの場合、住宅ローンの対象としてない金融機関も多数あります。このようなデメリットがある小規模マンションを持っている方は、できれば管理費・修繕積立金が値上げされていない段階で売却を検討することをおすすめします。

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この記事を書いた人

株式会社バイヤーズスタイル代表取締役

株式会社セラーズエージェント取締役。 一般社団法人 相続支援士協会 理事。 1970年、東京都中野区生まれ。売りっぱなしの単なる「物件紹介屋」と言われる日本の不動産業界の慣習を変え、生涯にわたり、より顧客に寄り添う「エージェント(代理人)ビジネス」にシフトさせるべく、株式会社バイヤーズスタイルを設立。業界で初めてすべての取扱い物件に「住宅履歴書」を導入、顧客の物件の資産価値向上を担う。一般的に売りづらいとされる、築年数の古い中古住宅の売買に精通しており、顧客から厚い信頼を得ている。 さらに、ひとつひとつの中古住宅(建物)を正しく評価し、流通させるため「売却の窓口(R)」を運営し、その加盟店は全国に広がる。 不動産流通の現場を最も知る不動産コンサルタントとして、各種メディア・媒体等においての寄稿やコラム等多数。 宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、国土交通大臣登録証明事業不動産コンサルティング技能登録者。 著書に『実家の処分で困らないために今すぐ知っておきたいこと』(かんき出版) 、『プロだけが知っている!中古住宅の魅せ方・売り方』(朝日新聞出版) 、『マイホームは、中古の戸建てを買いなさい!』(ダイヤモンド社) 、『不動産広告を読め』(東洋経済新報社)など。

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