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こんな仕事ぶりならもういらない! 不動産仲介業が「消える職業」といわれる本当の理由

大友健右

2016/06/27

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答えはYESであり、NOである

 最近、人工知能(AI)関連のニュースをよく目にするようになりました。AIが将棋や囲碁の名人を負かしたりする様を見ると、確かにこの分野の技術が目覚ましく進歩しているのは確かなようです。そんななか、「AIが人間の仕事を奪う」という論調の記事がさまざまなメディアの俎上にあがっています。

 実は私は、こうした報道をうさんくさいと感じていて、真面目に受けとめようという気にはなりません。独断と偏見をもっていえば、「AIが人間の仕事を奪う」論は、その論者も含めてみんなニセモノだと思っています。

 それはさておき、「近い将来、なくなる仕事、消える職業」として指摘されているもののリストのなかに、「不動産仲介業者」がしばしばあげられていることについて、「本当になくなってしまうの?」と聞かれることが多いので、ここで私の考えを述べておきましょう。

 答えは、YESとNO、その両面があります。

不動産物件の本当の価値は、人間の感情が決める

 まずは、「NO」の側面からお話ししましょう。

 不動産物件の価値は、人間の感情が決めるものです。ここでいう価値とは、住み心地、満足度、幸せといった言葉に置きかえてもいいでしょう。

 たとえば、「富士山が大好きで、部屋の窓から富士山が見えるなら、家賃が1万円高くてもそちらの部屋を選ぶ」という人がいたとしても、不思議ではありません。それから、「ボロアパートでも、大好きなドラマの主人公が住んでいた部屋にそっくりだから好き」という人もいるでしょう。「最初は駅から遠くて不便だと思っていたけど、慣れてしまえば快適」という声もよく聞きます。

 こうした価値は、すべて人間の感情から発するものです。一見、ほかと比べて条件が悪いように見える物件でも、人それぞれの趣味嗜好やその場の気分といった要素で価値は多様に変化するのです。

 そう考えてみると、不動産の本当の価値は、物件そのものにあるのではなく、その価値を判断する人間の心のなかにあるのだと言えるでしょう。

 したがって、その価値は「立地、間取り、値段」といったデジタルな情報で表現することができません。つまり、AIがつけいる余地がないのです。

AI以下の仕事しかしていない者は駆逐される

 一方、不動産仲介業者が消える職業になるという説に「YES」と見る立場から語ってみましょう。

 いまの不動産会社の多くは、お客さんのニーズよりも、自分たちの儲けを最優先しています。「お客さんが満足してくれるか?」ということよりも、「仲介手数料をどれだけ取れるか?」、「両手取引か、片手取引か?」、「売り主から貸し主からどれだけAD(広告費)や担当者ボーナスをもらえるか?」といったことばかりが頭のなかにあります。

 断言しましょう。そういう業者は、10年先どころか、数年先にAIに駆逐されてしまうでしょう。なぜなら、彼らはAIの能力より、はるかに劣る仕事しかしていないからです。損か得かの勘定計算などは、数学の初歩の初歩の概念に過ぎません。

 私が「不動産仲介業者は消える職業か?」という問いに、YESとNOの両面の考えを持っているのはそういう理由です。

 もし、AIに駆逐されたくなければ、不動産物件の本当の価値を生み出す人間の感情に目を向け、真のニーズをとらえて、需要と供給を正しくマッチングする仕事をするしかありません。

 私は、そんな未来に希望を抱いています。すべての不動産業者が「人間にしかできない仕事」に立ち戻るのです。素敵な未来ではないですか。

今回の結論

・「AIが人間の仕事を奪う」という話は個人的に信じることができない。
・とはいえ、不動産仲介業に限っていえば、ある面では「YES」と言える。
・しかし、不動産仲介業者が本来の仕事に立ち返るなら、AIがつけいる余地はない。未来は明るい。

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この記事を書いた人

株式会社ウチコミ 代表取締役 株式会社総研ホールディングス 代表取締役 株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役 1972年生まれ。大手マンション会社で営業手法のノウハウを学んだのち、大手不動産建設会社に転職。東京エリアにおける統括部門長として多くの不動産関連会社と取引、不動産流通のオモテとウラを深く知る。 現在、株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役として、住宅リフォームを中心に事業を展開。また、株式会社ウチコミ 代表取締役として、賃貸情報サイト「ウチコミ!」を運営。入居の際の初期費用を削減できることから消費者の支持を集める。テレビ・新聞・雑誌などメディア出演も多数。

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