賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

ウチコミ!タイムズ

高気密高断熱住宅、オール電化住宅はおすすめできる?

住宅を選ぶときに知っておきたい、「性能」と「工法」の基礎知識

菅 正秀

2016/08/27

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

温度調節がしやすい高気密高断熱住宅

 昔の一戸建ては隙間風がかなりありました。これは気密が悪いことが原因で、いろいろな場所の隙間から外気が入り内気が逃げていたためです。その結果として、暖まりにくく寒くなりやすい家になってしまいます。その機密を高めた家が、高気密高断熱住宅です。

 気密は「相当隙間面積(C値)」、断熱は「熱損失係数(Q値)」で表現します。どちらも数字が低ければ気密性・断熱性が高いのですが、どの数値から高気密高断熱と判断するかの目安はありません。

 このC値・Q値は、施工の善し悪しや窓の面積、排気量などの影響を受けます。数字はあくまでもひとつの目安であり、数値がよければいい家というわけではありませんが、何も数値が示されていない住宅よりは、しっかり示されている住宅のほうが信頼できることは確かです。

災害に強いといわれるオール電化

 最近は、ガス・灯油を使用せず、すべてのエネルギーを電気で賄う「オール電化」住宅が増えています。キッチンや風呂のボイラーはガス・灯油が主流でしたが、オール電化では、これらも電気で動かしています。

 オール電化にすると、電気代が安くなり環境にもいいといわれていますが、これは深夜電力をうまく活用しているからです。また、ガス・灯油と違い二次災害が起こりにくいことから災害時にも強いといわれています。

 また、ガスコンロよりもIHヒーターのほうが掃除もしやすく熱が冷めやすいという利点があります。現在のIHヒーターはガスコンロ並みの火力もあり、料理をする分にも問題はありません。

大きく分けて3つある工法

 建売住宅で採用される工法は、大きく分けて3つあります。

 まずは木造軸組工法。これは、日本古来の工法であることから「在来工法」とも呼ばれます。柱を立てその上に梁(はり)を乗せていく工法で、上からの重みに強いという特徴があります。また。0.5センチメートル刻みで柱・壁を移動できるので、細かい間取りの変更にも強い工法です。

 木造軸組工法は、木材を多く使うので火災に弱いといわれがちです。しかし、実際のところ木の燃える速度は1時間に3.6センチメートルほどですので、万が一火災が起こった場合にはすぐに崩れることはほとんどなく、一概に火災に弱いとはいえません。

 この工法の一番の弱点は地震で、筋交いを多く入れたり強い金物で補強したりして構造的に強化し耐震性を高めなければいけません。また、湿度が高い地域ではシロアリが発生する可能性があるので、床下の換気・乾燥はしっかりしましょう。

 次に2×4(ツーバーフォー)工法を紹介しましょう。この工法は19世紀にアメリカで開発され、2インチ(5.08センチメートル)×4インチ(10.16センチメートル)の枠組み木材を使用することからこの名前で呼ばれています。

 この工法の特徴は地震に強く、組み立てが簡単だということです。その分建築費が安く、北アメリカでは90パーセント近いシェアを獲得しています。しかし、日本においては木造軸組工法とさほど価格が変わらないこと、間取りの自由度が低いことがデメリットとなっています。

 最後に軽量鉄骨ですが、強度が高く地震に強いという利点があります。しかし、さび・火災に弱いという欠点があります。防錆塗装は必須ですし、1時間の火災で完全に変形してしまいます。

 ちなみに、都市型3階建の建売では、1階はRC造で2,3階が木造、たまに重量鉄骨造の物件もあります。

 それぞれの工法によって一長一短があるので、工法についても確認をして物件を選ぶうえでの検討材料のひとつにしてください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。

ページのトップへ

ウチコミ!