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後悔しない建売購入の基礎知識(9/9)

重要事項説明書、手付金保証制度など契約前に押さえておくこと

菅 正秀

2016/03/24

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重要事項の説明は不動産会社の義務

 土地や建物の売買の前には、不動産会社は買い主に不動産に関する重要事項を説明することが義務づけられています。その事項を書面にまとめたものを「重要事項説明書」といい、買い主に渡して宅地建物取引士の有資格者が口頭で説明することになっています。

 まず、この手続きがきちんと行なわれるかどうかをチェックしましょう。一般的に契約当日に重要事項説明を行ない、そのまま契約書に署名・捺印という流れが多いようですが、これでは大事なことをチェックできません。そこで、契約の数日前に重要事項説明書をもらっておき、熟読したうえで説明に臨み、疑問点を解消していくのがいいでしょう。

 また、重要事項の説明の際に、有資格者が資格を持っていることを示す証明書を提示した上で説明するという義務を守っているかどうかもチェックしましょう。

重要事項説明書には何が書かれているのか

 それでは、重要事項説明書に書かれていることを確認しましょう。

 基本的なことですが、物件の所在地・面積・私道負担の有無などの条件がこれまでの説明と食い違っていないかを確認します。そして、金銭の受け渡しのタイミングも重要です。手付金・中間金・残金決済のスケジュールや、どのような性質のお金なのかをしっかりチェックしておきましょう。

 特に注意したいのは、契約解除の場合です。引き渡しまでに買い主側の事情で解約する場合には、手付金を放棄することが条件になりますし、逆に売り主側の事情で解約する場合には、手付金の倍返し(200万円であれば400万円)が原則となっています。

このような重要事項をしっかりチェックしておくことで、トラブルを未然に防ぐことができるのです。

トラブルに巻き込まれないように

 重要事項説明書に盛り込まれている内容以外にも、トラブルに巻き込まれないように知っておくべきことがあります。それが手付金保証制度(宅地建物取引業法 第41条)とクーリングオフ制度(宅地建物取引業法 第37条の2)で、トラブルの泥沼化を避けられる可能性がある制度です。

 手付金保証制度は、不動産の契約にあたり買い主が売買代金の10パーセント(未完成物件の場合には5パーセント)、または1000万円を超える手付金を支払う場合には、売り主はその前金についての保全措置(信用保証会社との委託契約もしくは指定保証機関との契約による保全)をとる必要があるという制度です。

 たとえば、1000万円を超える手付金を支払う場合にはどのような保全措置が取られているかをチェックし、保証書を持っておくようにしましょう。そうすると、万が一売り主の不動産会社が倒産してしまっても、手付金の返還を受けられます。

 また、クーリングオフは悪質な商法から消費者を守る制度で、いくつかの条件に当てはまれば無条件で解約できるというものです。クーリングオフ制度がある旨の告知を受けてから8日以内に適用される制度なので、契約日は特に関係ありません。

 クーリングオフ制度については、いくつかの条件が細かく設定されているので、自分の契約が適用対象になるのかどうかを必ずチェックしておいてください。

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この記事を書いた人

株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。

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