ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

業界の悪しきカルチャーを暴く(4)

不動産会社が自分の手の内を明かさないのは当たり前(1/2ページ)

大友健右大友健右

2016/03/14

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

不動産会社の営業トークにご用心

住まいは賃貸が得か? それとも購入したほうが得なのか?

どんな家に住もうかと考えるとき、この問いは永遠のテーマといっていいでしょう。逆にいえば、お客さんを相手にする不動産会社の営業マンたちは、常にこの質問にさらされているということになります。彼らは不動産のプロなのだから、適確なアドバイスをしてくれるに違いない…、と思いきや、実状はそうではないのです。

たとえば、賃貸物件を主に扱っている業者なら、「不安定な世の中です。ローンを組んでも、30年、35年先まで毎月支払っていける保証がありますか? 賃貸が賢い選択ですよ」などと言ってくる確率は高いでしょう。その反対に、売買の仲介をメインの事業にしている業者なら、「家は一生の財産です。買っておいたほうがあとあとの安心につながりますよ」といった助言をしてくるかもしれません。

100人いれば100通りの答えがある

ここで気をつけなければならないのは、業者たちのこうしたアドバイスは、親身になってお客さんのことを考えたものとは限らないということです。

そもそも、「賃貸と購入、どっちが得か?」という問いに答えることは、簡単なことではありません。なぜならその答えは、お客さんその人が人生を終え、すべてを清算するときでないとわからないからです。

転勤、転職、結婚、出産、病気、死亡などなど、その人のライフスタイルに大きな影響を及ぼすような出来事は誰にも起こり得ることで、100人いれば100通りのケースがあるはずです。

一生を賃貸住宅で暮らした人のなかには、身軽な生活に満足する人もいれば、老後も続く家賃の支払いに苦労した人もいるでしょう。住宅を購入した人のなかにも、満足できる家を手に入れて幸せな時間を過ごした人もいるでしょうし、不本意ながらも家を手放さなければならなくなってしまった人もいるでしょう。

賃貸であっても、購入であっても、明と暗、両面の可能性があるはずです。

次ページ ▶︎ | 自社の利益を最優先するカルチャーが事態を悪化させている 

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

株式会社ウチコミ 代表取締役 株式会社総研ホールディングス 代表取締役 株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役 1972年生まれ。大手マンション会社で営業手法のノウハウを学んだのち、大手不動産建設会社に転職。東京エリアにおける統括部門長として多くの不動産関連会社と取引、不動産流通のオモテとウラを深く知る。 現在、株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役として、住宅リフォームを中心に事業を展開。また、株式会社ウチコミ 代表取締役として、賃貸情報サイト「ウチコミ!」を運営。入居の際の初期費用を削減できることから消費者の支持を集める。テレビ・新聞・雑誌などメディア出演も多数。

ページのトップへ

ウチコミ!