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土地選びの基礎知識(6/8)

幅4メートル以上の道路に面した土地にしか家は建てられない

菅 正秀

2016/01/23

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接する道路の幅によって規制されてしまう

 建築基準法における規制では、都市計画区域内の土地において、幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していないとその土地には建物が建てられないことになっています。

 しかしながら、古くからある道路のなかには幅4メートル未満のものも多く、建築基準法施行時(1950年/昭和25年)以前から建物が立ち並んでいた道路で、都道府県・市町村が指定したものに限り幅4メートル未満でも道路として扱うことになっています。この規定が、建築基準法42条2項で定められていることから、2項道路(みなし道路)と呼ばれています。

 現状、都市部の幅4メートル未満の道路の多くが2項道路に指定されているので、この道路に2メートル以上接している土地には建物を建ててもよいことになっています。しかし、道路の中心線から2メートル後退した線を道路境界線とするので、実際の境界線から道路境界線までは自分の土地であっても敷地面積には算入できないという規制(「セットバック」といいます)があります。

 たとえば、2項道路の幅が3メートルしかなかったとします。実際の境界線は、道路の中心線から1メートル50センチしかありませんので、さらに50センチメートル下がった道路境界線より後退した場所でないと建物が建てられないというわけです。ということは、自分の敷地が実際の境界線より50センチメートル分下がった部分から始まるので、住宅用の敷地面積が小さくなってしまうということです。

旗竿地などの特殊な形の土地も要注意

 そして、もうひとつ注意しておきたいのが旗竿地と呼ばれる土地です。

 この旗竿地、漢字のごとく長い竿の先に旗がついたような形をしていることからこう呼ばれています。つまり、道路との接点の幅は短いのですが、奥まで細い道が続いていて開けているような土地です。

 なぜこのような不思議な土地が生まれたのかというと、その多くはもともとひとつの土地だったものが相続や売却などで切り売りした結果なのです。そこで旗竿地にもさまざまな規制がなされています。

 まず竿の部分(道路から開けた土地まで続くアプローチ部分)が20メートルを超える場合、防災などの関係から道路との設置幅を2メートルではなく3メートルとしている自治体も多く存在します。

 そして、その竿の部分が隣地の一部になっている場合、袋地と呼ばれる土地では、竿の部分が隣地の持ち物なので、家の新築・建て替えは法律上不可能とされています。

法律は安全な地域社会を実現するためのもの

 このように、道路によっても法律で定められていることが多数あります。何気なく眺めている街並みも、実はこのような規制の上で成立しています。

 日常生活ではなかなかピンとこないものも多いと思いますが、その法律の多くは安全な地域社会を実現するためのものです。たとえば2項道路の制限がなければ道幅が狭くなりすぎて、交通事故を誘発する危険性があります。旗竿地で火災が発生した場合、消防車が入っていけるだけの幅が確保されていないと2次災害につながることも予想されます。

 このような法律を念頭にハウスメーカーや工務店などは設計を進めるので、その土地にどのような制限がかかっているかは説明を求めましょう。

 建ぺい率や容積率( http://sumai-u.com/?p=2066 )などの数値的な部分もそうですが、自分の選んだ土地が自由自在に使えるのではなく、さまざまな制限があることを知っておきましょう。そしてそのなかで自分らしい家を建てることが、良好な住環境や地域社会への貢献につながることを考えておくことも大切です。

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この記事を書いた人

株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。

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