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土地選びの基礎知識(2/8)

家を建てていい土地、ダメな土地の法規制を知っておこう

菅 正秀

2016/01/23

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「都市計画法」による制限

 土地利用に関する法律が「都市計画法」です。日本全土の4分の1程度の面積は「都市計画区域」に指定されていて、この「都市計画法」が適用されています。この法律では、道路などの都市施設計画や建物の規制などが定められています。

 都市計画区域には、「市街化区域」と呼ばれる市街化を促進する地域と、「市街化調整区域」と呼ばれる市街化を抑制する地域があります。前者には家を建てられますが、後者には家を建てられません。というのも、市街化調整区域は農家の住宅及び開発許可を受けたもの以外は認められていないからです(既存住宅は除く)。

市街化区域も細分化されている

 それでは、市街化区域はどのようになっているのでしょうか?

 実はこちらも細かく用途が決められていて、建てることができる建物の用途・規模が規制されています。平成28月現在、12途地域が設定されていて居住環境がかなり違います。以下にその用途地域の分類についてまとめておきます。

「住居系」の7地域とその規制

●第1種低層住居専用地域(住居系)
 低層住宅のための良好な環境を保護している地域。住宅以外では、小学校・中学校・高校、保育所、図書館などの建設が可能。

●第2種低層住居専用地域(住居系)
 第1種低層住居専用地域の許可に加え、小規模な店舗(150平方メートル以下)の建設を認めている地域。

●第1種中高層住居専用地域(住居系)
 中高層住宅のための良好な環境を保護している地域。住宅以外では、大学、病院、居酒屋などの建設が可能。

●第2種中高層住居専用地域(住居系)
 第2種中高層住居専用地域の許可に加え、2階以下かつ1500平方メートル以下の店舗・オフィスの建設が可能。

●第1種住居地域(住居系)
 大規模店舗の建設を制限している地域。住宅以外では、3000平方メートル以下の店舗・オフィス、ホテルなどの建設が可能。

●第2種住居地域(住居系)
 住宅と店舗の共存地域。そのうえで住居環境の保護を行なっている。

●準住居地域(住居系)
 幹線道路沿いなど、地域特性を生かした業務と住居との共存を図る地域。

「商業系」の2地域とその規制

●近隣商業地域(商業系)
 近隣の住宅地のための店舗・オフィスなどの利便性の増進を図る地域。

●商業地域(商業系)
 主に商業施設の利便性の増進を図る地域。

「工業系」の3地域とその規制

●準工業地域(工業系)
 主に環境悪化の懸念がない工業の利便性の増進を図る地域。住宅の混在を排除できない、または困難・不適当と認められた地域。

●工業地域(工業系)
 主に工業施設の利便性の増進を図る地域。住宅の建設は可能。

●工業専用地域(工業系)
 工業施設の利便性の増進を図る地域。住宅の建設は不可。

細分化されたうえでの規制もある

 このように、市街化区域でもその地域によって全然違う環境に住宅が建てられることになります。また、第1種低層住居専用地域などは住居環境を高いレベルで保護していますが、建ぺい率・容積率が厳しいことから、狭い土地には家が建てられない場合もあります。

 そして、商業系・工業系の地域については、住宅を建てることはできますが、住宅を最優先している地域ではないことから、将来的に自宅の前に大きな施設が建設されたり周辺の環境が大きく変わったりする可能性があるので注意が必要です。もし商業系・工業系の地域にお気に入りの土地が見つかった場合は、この先どのような開発が予定されているかを調べておいたほうがよいでしょう。

 このように、市街化区域の用途地域の違いを知ることは、自分のライフスタイルに合った土地探しの参考になるので、しっかり押さえておきましょう。

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この記事を書いた人

株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。

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