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「頭金を貯めてから買う?」「とにかく今買う?」 三井住友トラスト・資産のミライ研究所が令和の住宅ローン事情についてアンケート結果を公表

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イメージ/©︎brad2・123RF

【2021年6月11日発表】
三井住友信託銀行株式会社が設置している「三井住友トラスト・資産のミライ研究所」(所長:丸岡 知夫)(以下、ミライ研)は、男女1万人(20歳~64歳)を対象とした独自アンケート調査を3月に実施しました。

【ポイント】
・従来、「住宅ローンの頭金は、物件価額の2割~3割を目安に、購入前に自助努力で準備」といわれていた

・今回のアンケートで、ローンを組んで住まいを購入した世帯の頭金(対物件価格比率)について調査したが、「頭金はゼロ」が27.0%、「頭金は1割」が21.7%と、「頭金無し もしくは 1割程度で購入する世帯」が約半数に上っていることが判った

・特に、30歳代の「頭金なし」「頭金1割」の合計比率は67.0%となっており、2/3を占めていた

・「頭金を貯めていると、いざローンを組んだ際の返済完了時が高齢になってしまう」「物件価格は高止まりしていて、待っていても安くなりそうにない」「住宅ロ―ン減税のメリットを利用したい」などの各世帯におけるリアルなニーズの表れとも考えられる

・令和時代においては「頭金はなくとも、ローンで住まいを購入する」ことも、合理的な選択肢の1つになってきたといえそうだ

1.住宅購入はローン利用が8割。頭金は「無し」「1割」が主流?

令和3年度(2021年度)の税制改正では、住宅ローン減税の13年間の控除期間適用の要件が延長・拡充され、住宅購入を検討中の世帯にとっては朗報になりました。国交省は、この改正の背景について「コロナ禍の影響で落ち込んだ経済の、住宅投資の喚起による回復」と説明していますので、「改正をコロナが後押し」した面もあると思われます。

こういった変化の中、今回、ミライ研の1万人アンケート調査では、自宅をご自身で購入した方3,546人に「住宅購入時のローン利用」を尋ねました。結果をみると、「住宅ローン利用中」「住宅ローンで購入したが返済完了した」世帯の比率は、全体では78.9%、特に30歳代では高く88.2%となっており、30歳代の住居購入はローンに拠っていることが数字にもはっきり表れていました【図表1】。

【図表1】自宅購入での住宅ローンの利用有無


<出所:三井住友トラスト・資産のミライ研究所 「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2021年)> 

また、ローンを組んで住まいを購入した方2,797人に対して、ローン設定時の頭金(対物件価格比率)について尋ねていますが【図表2】、結果は、全体では「頭金はゼロ」が27.0%、「頭金は1割」が21.7%、となっており、約半数の世帯では「頭金無し もしくは 1割程度」で自宅を購入、という実態が判りました。特に、30歳代の「頭金なし」「頭金1割」の比率は、合せて67.0%となっており、実に2/3を占めていました。

【図表2】住宅購入時の頭金比率(物件価額に対しての比率)


<出所:三井住友トラスト・資産のミライ研究所 「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2021年)>

2.頭金にまつわる過去の常識、今では非常識?

かつては「住宅ローンを組む時の頭金は、物件価額の2割~3割を目安に、自助努力で準備するもの(それが世帯主の務め)」といわれていました。しかし、「新築住宅価格の高止まり」「住宅ローンの低金利水準の継続」「住宅ローン減税の延長」といった現在の環境をみると、現状の低いローン金利水準であれば、当初10年間(もしくは13年間)は支払利息よりも税控除メリットが大きくなりそうなので、「当初借入額が高額だとしても、税控除も比例して大きくなるから今が買い時」と考えて、住宅取得に踏み切る世帯も多いと思われます。

また、「頭金を貯めていると、いざローンを組んだ際の返済完了時が高齢になってしまう」「物件価格は高止まりしていて、待っていても安くなりそうにない」「住宅ロ―ン減税の改正メリットを利用したい」などの各世帯におけるリアルなニーズの表れとも考えられます。

令和時代においては「頭金はなくとも、ローンで住まいを購入する」ことも、合理的な選択肢の1つになってきたといえるかもしれません。

■上記の記事に加え、より多くのデータをまとめた資産のミライ研究所のアンケート調査結果 『住まいと資産形成に関する意識と実態調査 ~住宅購入と住宅ローン~』を資産のミライ研究所のHP( https://mirai.smtb.jp/category/report/)に掲載しています。是非、ご覧ください。

<参考> 三井住友トラスト・資産のミライ研究所 1万人への独自アンケート調査(第2回)

【調査概要】
(1)調査名:「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2021年)
(2)調査対象:全国の20~64歳の男女 ただし関連業種(金融、調査、マスコミ、広告)従事者を除く
(3)調査方法:WEBアンケート調査(株式会社インテージ登録モニター対象)
(4)調査時期:2021年3月
(5)サンプル数:10,920サンプル

■記事内容、アンケート結果に関する照会先
 三井住友信託銀行  三井住友トラスト・資産のミライ研究所
 E-MAIL:mirai@smtb.jp
■資産のミライ研究所 ホームページ (https://mirai.smtb.jp/

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