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中古住宅の魅力とは?(5)

「中古一戸建て」と「中古マンション」ではどちらが得?

枦山 剛

2016/01/04

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資産性の比較

 新築物件に対する中古物件のメリットについては、ここまで見てきました。では、中古一戸建てと中古マンションを比べた場合、それぞれどのような強みや弱みがあるのでしょうか。

 資産性については、中古一戸建てに軍配が上がります。というのも、建物部分については、築年数が増えるに従って価値は減少していきますが、土地部分については、地価の変動がない限り目減りしないからです。将来、家を売り払ったり、何らかの事情でローンの完済前に手放すことになったりした場合でも、土地部分の価値は必ずカウントされるため安心です。

 一方、中古マンションの土地権利は、各戸の居住専有面積に応じた所有権となります。平たくいえば、土地を居住者全員で分け合うため、各戸の土地の価値は非常に小さなものとなります。そのため、売り出すような場合でも、その時点での市場価値で価格がおおむね決まります。つまり、資産性として不安定であるとともに、一般に築年数が経てば経つほど買い手がつきづらくなるため、年々、資産性も目減りしていきます。

 最終的に建て替え時期になっても土地は共有者との協議や議決を経ないと活用できず、自身の考え通りの活用になるかもわからず土地の持ち分の単価も一戸建てに比較して安価となることが多いです。

諸費用の比較

 購入後の諸費用についても、中古一戸建てと中古マンションでは大きな違いがあります。中古一戸建てでは、ローンの返済を除けば、かかる費用は固定資産税(場合によって+都市計画税)だけです。

 一方、中古マンションの場合、固定資産税に加えて、管理費や修繕積立金を毎月支払わなければなりません。しかも、修繕積立金は、築年数が経つほどに金額が増えていくのが一般的です。新築時は安い設定にしておいて割安感をアピールし、築10年ほど経って、いざ大規模修繕工事が必要となったとき資金不足が露呈し、値上げになったり、別途一時金を徴収されたりするケースが多いのです。

 このほか、駐車場つきの中古一戸建てであれば、いうまでもなく駐車場代はタダですが、中古マンションであれば毎月費用が発生します。

 中古一戸建てなら修繕にいくら掛けるか、いつ実施するのか等も家計やライフプランにより自由度が高いですがマンションは議決や計画によって決定されます。

 このように購入後の諸費用については、中古一戸建てのほうが得といえるでしょう。

安全性・管理の比較

 安全性については、耐震対策等がどれだけとられているかによっても異なるため、単純に比較することはできません。ただ、防犯性についていえば、一般に中古マンションのほうが上でしょう。オートロック、防犯カメラ、グレードの高いシリンダー、非常階段の設置など、さまざまな対策が施されています。

 また、少し規模の大きいマンションになると、管理人が常駐してゴミ置き場をチェックしたり、清掃業者が定期的に入ったりするなど、管理の面でも中古マンションのほうが優れているといえます。

 このほか宅配ボックスが設置されていたり、荷物を管理人に預かってもらったりするなど、いわば暮らしのサポートは中古一戸建てではかなわない部分です。

物件の探しやすさ・機動性の比較

 中古マンションが中古一戸建てより明らかに優位なのは、物件を選べるエリアや間取り等のプランの選択肢が広いことです。新築、中古に限らず、どうしても一戸建ては物件を探せるエリアが限られてきます。たとえば、駅から徒歩5分の場所に一戸建てを探すのは極めてむずかしいでしょう。

 一方、中古マンションなら駅近から閑静な住宅街まで、さまざまな場所で物件を見つけることができます。また、供給数も多いため、プランや設備もさまざまです。同じ予算でも、検討できる選択肢が広いのです。

 転勤などで何年かの間、住めなくなるような場合も、中古マンションであれば、賃貸として貸し出すことも容易です。中古一戸建ての場合、貸家のニーズ自体が高くないため、借り手を見つけるのに時間がかかると考えておいたほうがいいでしょう。

 また、同じフロアーで間取りが完結しているマンションの住み心地のよさは一戸建てでは望めないものです。実際、一戸建てに住む高齢者の中には、2階部分に何年も上がったことがないという人もめずらしくありません。

 中古一戸建てと中古マンション、どちらがよい悪いではなく、その特性をきちんとつかんだ上で、自分のライフスタイルや将来設計に合った選択をすることが大切です。

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この記事を書いた人

建創パートナーズ株式会社 代表取締役

1973年、横浜生まれ。中学卒業後に大工、建設業、鉄工業などを経て、97年、若干23歳の時に鉄工業で創業する。大手ゼネコン5次下請けからスタートし、最終的には総合建設業者として大手ゼネコン5社の内2社、準大手ゼネコン5社、財閥系商社、建材メーカー、設計事務所、他数百を超える顧客と直取引するまでになり職人100人前後を抱える。同じころ飲食店、建設業専門経営コンサルタント業などを行なう関連会社3社も経営し、事業の多角化を行なう。 その間、約24年で多くの大型開発工事、投資用マンションとアパート建築、高層ビル建設、公共施設工事、メーカーの建材開発に携わり新施工法や新製品の商品化に貢献し徹底した品質管理と原価構造を学ぶ。しかし、拡大路線が裏目に出て廃業に至る。これを契機に経営者としての人生を徹底的に見つめ直し、顧客と社員と自身の相互利益を探求し学ぶ。 その後、不動産コンサルティングの業務に魅了され転身。 業界の活性化や顧客満足度の向上を阻む建設業界や不動産業界の古い慣習と収益構造に疑問を持ち、既成概念にとらわれない顧客サービスを模索し経営方針を固める。 総合建設業、不動産コンサルタント業、経営コンサルタント業を行なう建創パートナーズ株式会社の創業に参画し、代表取締役に就任する。 現在、「経済活動を通し社会の不満、不便、不安を解消する」を経営方針に掲げ、顧客と企業の相互利益がかなうビジネスモデルを手掛け、建設と不動産に関わるすべての業界に変革を呼びかける。 (保有資格) 不動産系 1. 宅地建物取引士 2. 管理業務主任者 不動産コンサル系 1. 不動産コンサルティングマスター (合格後未登録) 2. 住宅建築コーディネーター 3.賃貸不動産経営管理士 4. 既存住宅アドバイザー 建築系 1. 一級建築施工管理技士 2. 監理技術者資格者証 3. 監理技術者講習修了証 4. 建築物石綿含有建材調査者 5. 特殊建築物調査資格者 6 マンション健康診断技術者 7. ブロック塀診断士 8. 建築仕上診断技術者 金融系 1. 貸金業取扱主任者 2. 住宅ローンアドバイザー ほか、損害保険募集人資格4種保有 その他 1. 相続診断士 2. 上級個人情報保護士 ほか、労働安全衛生法による資格16種保有

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